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真っ白い砂が美しい「鳴き砂ビーチ・うしろはま」
8月には数回に分けてNHKの取材があるそうです。
取材のテーマは、漂着ゴミの処理に関してだとか。
うしろはまには半端ではないゴミが打ち上げられるので
スタッフさん達は掃除と処理に苦労してきました。
でもそれが、マスターの発案で、一挙両得どころか
何得にもなる素晴らしい解決法が見出されたのです。
それは何でしょう！？
今回マスターが、その辺の経緯を書いて下さいました。
とても感動したので、数回に分けて
皆さんにもご紹介させていただきます
・・・・・・・・・・・
前回の記事の続きです。
鳴き砂ビーチうしろはま ～五右衛門物語～③
潜在能力開発研究所 重見幸俊
次のアイディア。
ゴミを行政の係が引き取ってくれたとは言っても、
私には真の解決とは思えませんでした。
何故なら、ゴミ処理にも税金が使われます。
発泡スチロールやプラスチックゴミは
黒い煤煙や毒気が出るので
専門施設に任せた方がいいでしょう。
しかし木材や乾燥した海藻は自然の産物であり、
燃やしても白い煙です。
漂着木材だけでも大量です。
これらがここでお湯になるなら、
行政側の税金の節約にもなる筈です。
海水浴施設としてのうしろはまの水道は
約１７℃の地下水、井戸水です。
夏の暑い日中には気持ちいいかも知れませんが、
夕方やシーズン前後にはちょっと冷た過ぎます。
砂浴をなさった人が砂を落とす為にと
冷水で体を冷やす事も出来ません。
お湯が有ればという念願も、施設修復に資金が優先され、
まだまだボイラー設備等の設置には資金が回りません。
アルミのタライを手に入れ、
ブロックを並べてその下で火を燃やし、お湯を作ったりしました。
私が子供の頃は、五右衛門風呂といえば
それは何処にでもある普通の風呂でした。
五右衛門風呂を造れば、漂着木材ゴミで湯が沸かせる。
ゴミ焼却ではなく、お湯を沸かす為の燃料になる。
ポンプを回す為の電気代は掛かっているが、
水はただ、燃料もタダ。
だったら後は大きな鍋さえ有れば・・・
と言う訳でネットで五右衛門風呂の釜を検索し、
下関から長崎は佐世保まで
車を飛ばして購入しに行ったのです。
山口に行って2ヶ月余りの娘
２０１８年のお盆の頃、
約１カ月かけて五右衛門風呂の完成。
アニメ、ルパン三世でおなじみのキャラの一人が
石川五右衛門。
その名に由来するのが五右衛門風呂です。
購入したのは２８０ℓの少し大きめの釜です。
重さは６０kg。体重５０キロ台の人なら２人は入れます。
でっかい人なら一人で独り占めですが、
親子ならお父さんと子供２人、
トン汁なら６００人分が一気に作れるかも
と言うサイズです(笑)
私の体が一人すっぽり入れる程、
竈(カマド)を大きく作ったので、大量の燃料が燃やせます。
２０１８年夏の後半は、大量のお湯が提供出来、
多くの方に喜んで頂きました。
遠赤効果の高い五右衛門風呂の快感は、
ちょっと普通のお風呂と違います。
下で焚かれる木材はやがて熾火(オキビ)と成ります。
丁度炭焼きで焙煎している様な状態ですね。
そんな遠赤効果をご存知だと思いますが、
それが鉄を通して
五右衛門釜全体から身体に入って来る訳です。
普通のお風呂とどう違うかは、
これ以上の説明は出来ません。
体験して頂くしかない世界です。
沖縄にも負けず劣らずのクリーンなビーチと、
昼はグリーンエメラルドに輝く海を前にサンセットを眺めるか、
夜は夜で遠くにイカ釣りの漁火(イサリビ)を眺め、
満天の星を抱きながら遠赤の湯に浸かるのは
それはもう、至高の体験の一つと言っていいでしょう。
そんな環境の中で、
初めて五右衛門風呂に浸かった人達の第一声は、
間違いなく「気持ちいいーっ！」です。
全員がそう言います。
「生きててよかったーっ」
と絶叫してくれた方もいるくらいです。
砂浴後の五右衛門風呂
遠赤効果絶大の五右衛門風呂は、
普通のお風呂と確かに何かが違うのです。
それって何でしょう？
ほんのりと自然に香る煙にも、アロマ的な、
とてもリラックス出来る癒し成分が有るのかもしれません。
五右衛門をかけ流し的に使う場合は、
下でどんどん火を焚くので湯は直ぐに熱くなりますから
温度が自分好みに丁度良くなるまで、
汲み上げたばかりの綺麗な地下水で
どんどんうめて行きます。
そして溢れる程の湯に浸かる瞬間、
釜から数十リットルの湯が
ザワーッと溢れ出して行く快感は贅沢そのものですね。
後は冷えていた体が芯から温まるまで
至福の時間と言う訳です。
新鮮な水を補給する延長ホースは、
直流やシャワー、ジェット、霧雨など、
自由に切り替えられるのも面白いですよ。
大の大人が水鉄砲代わりに仲間内で掛け合って
夜中まではしゃいでいたりします。
そうしている内に喉が渇いて来た方に朗報・・・
ここの地下水は味もとてもよく、
そのまま飲む事も出来ます。
また竈(カマド)で火を焚く楽しみも格別です。
火を燃やす事には何か特別な魅力が有ります。
ご存知でしょうか？
イメージです。
何万年もの昔、人間は火を操れる様になって、
単なる動物と決別しました。
だからでしょうか？
薪と成る木材や竹類が燃えて行く姿をじっと観る事で、
人間の本能に根付く何かが活性化される様です。
人間の奥に潜む、何かの感性が研ぎ澄まされるのです。
ヨガで言うチャクラでしょうか？
燃えゆく火を見詰める事に没頭するだけで、
それは自然に瞑想状態に誘(イザナ)われるのです。
ですから、子供にも
竈の中だけでは火遊びが出来る事を教えましょう。
何故なら、火遊びって、とても楽しいモノです。
火遊びを知る子は、
物事の原理原則を実体験で知るからです。
現代教育は子供に火を教えません。
人間としての感性を呼び覚ます秘密は、
この様な誰もが見過ごしている、
実に簡単な処に在るのです。
鳴き砂ビーチうしろはまは、
現代に於いて、
そんな失われつつある人間性の回復を目的として
運営されています。
最終回④に続きます。
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マスター重見幸俊氏のプロフィール
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