50歳を過ぎた頃から、毎年加速度がついたように年が過ぎ去り、56歳で独立してからはこれまでにないほど働き、更に加速して時が過ぎ去り、気がつくと60歳の還暦を迎える頃に「膵臓がん」になり、病院で時が止まったような感覚で1ヶ月を過ごし、その後はコロナ禍で違った意味で時が止まったような感覚で3年が過ぎました。今振り返ると独立してからこれまで約8年経ちますが、この間は私にとってこれまでの人生の中でもある意味「絶頂期」であったように思えます。人生の目標としていた単行本の出版や写真家としての活動、そしてゴルフのレッスンプロとしての活動と、本業の建築コンサルタント以外での活動で大きくその巾を広げることが出来たからです。

 

 しかし、56歳の時と今を比べると体重は15kg減で髪の毛も薄れ、時の経ったことを嫌がおうにも感じずにはいられません。しかし、今は「膵臓がん」と向かい合っていることで、一年一年、老いを受け入れ、年を重ねられることを幸せに感じています。

 

 「膵臓がん」は生存率もさることながら、病院側もQOLが重要ということで、それ以前の生活に戻ることが出来るかどうか、家族の心配をよそに、私にはむしろ仕事や運動を積極的に勧めてくれました。実際、私の周りでも同じ手術を受けて92歳まで生きた大先輩もいますが、大好きだったゴルフがとうとう出来ずじまいでした。そのこともあり、「何とかもう一度ティーグラウンドに立つぞ」という強い気持ちで退院後2ヶ月後にはゴルフ場に行くことにしたことは以前書いた通りです。その時のドライバーの飛距離は150ヤードほどで、ゴルフ仲間の助けなしではとてもラウンドできる状態ではありませんでした。

 

 今、8年前の95%程度にまでゴルフの内容が戻ってきました。以前のような力感のあるスイングではなくなってはいますが、その分安定したスイングが出来るようになってきています。

 

 

相変わらず、太もものまわりは-10cmで、伸び盛りの中学生のようなボトムスですが、何とかドライバーの飛距離も250ヤードを超えるまでになりました。まだまだ無理は出来ませんが、年を重ねつつも、少しずつ以前の生活を取り戻しつつあるという今日この頃です。

《続く》