読書データベース

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図書館で借りたり人から借りたり購入したりした本の感想文。

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「感傷旅行」
田辺聖子

済

短編集。

なんて、かわいくて上品な文章!

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「恋の棺」

29歳女子と10代甥っ子の、
一度きりの逢瀬。

”こんなに好もしい、嬉しい機会は、
 これきり、これ一度でなくてはならない”

大人のケジメってやつですかね。

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「いま何時?」

雑誌参考にひっこみ思案女子が一人旅。

途中まで、主人公の行動が相当、
”たいぎー”が(広島弁)、
ラストは1歩前へ。

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「田舎の薔薇」

耳鼻科女医さんが半生を振り返る。

ある意味ピュアな旦那さんへの苦言が、
愛情こもってて、読んでて可笑しい。

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「感傷旅行」

やっと読んだ有名小説。

イタくて太めな業界女子森サンが、
当時話題の「党員」と恋し、
やっっぱり捨てられるのを、
見守る後輩業界男子の話。

森サン、なかなか強烈キャラである。
短いお話なのに、いつまでも心に残る。





「新宿鮫」
大沢在昌

済


主人公刑事の通称は「新宿鮫」。

同僚にやられた刀傷をかくすためロン毛にしており、
公安の秘密をもっているためマークされっぱなしで、
人付き合い悪くて結果一匹狼な36歳。

趣味はポエム。
ロックバンドのヒット作に密かに貢献し、
そのバンドの20代女子と秘密裏に関係し、
2丁目のオカマの人びとと仲良し。

・・・。
こーやって抜き出してみると、
ただの変わった人のようだが、
仕事は一流である。

捜査の過程で絶対絶命に陥るも、
仲間達のお陰で助かる。

ツッコミどころ、満載。
こりゃー、シリーズ化するわ。




裏表紙の大沢氏御近影を眺めてるうちに、
西原理○子氏著書に暴露(?)されてた、
西原氏にサービスされたり、女体盛りを前にした
大沢氏のひきつった表情の数々が、思いおこされ、
かなり面白かった。
西原氏て当時、大沢氏好きだったんだろうな。
きっと。




「ゆんでみて」
畠中恵

済


しゃばけシリーズ9冊目。

若だんなが自らの行動が原因で失った
あやかしたちを、
時をかけて連れ戻すSFもの。

鹿島の祈祷師に出会ったり、
河童チームと出会ったり。

利根川の河童のボス禰々子が、
妙にかっこいいな。

苦労を重ね、若だんなは無事、
過去をねじまげることに成功。

大切なあやかしたちとの、
悲しすぎるお別れはなかったことになったけど、
同時に、その間の貴重な新しい出会いも、
なかったことになる。

なんつーか、ややこしいお話ですな。
作者の後作の登場人物の調整の苦労は知らんが、
読者サイドからしてみれば、凝りすぎ。


しかし花見のおはなしは、結構楽しかったぞ。
こういうほんわかした雰囲気を、
わたしはしゃばけシリーズに望んでいるのだろう。






「彼女の朝 おいしいコーヒーの入れ方3」
村山由佳

済

相変わらず主人公大学生男子は、
想い人のである従姉妹かれんさん+その母と同居中。

今回は愛しい従姉妹かれんさんに
見合話が持ち上がり、ハラハラな主人公。

だが恋のライバル同様、
華々しく(?)話が持ち上がった割に、
なかなか具体化しない。
あくまで、従姉妹同士の恋の、
スパイス的な感じである

果たして従姉妹同士の2人は、
母の干渉を乗り越え、
夏の恋の一泊旅行にお出かけ。

かれんおねいさんの水着姿にドキドキし、
海で2人ちゅーちゅーしたり。
なんつーか。
読んでて、「爆発しろ!」的展開だ。

んが夜、いざ最終的関係に発展すると思いきや、
かれんさん(24)はこわがり、
主人公(19)は、怖じ気づきで、行為は中断。
ま、ある意味生々しくはある。

それについての主人公君の言い分は以下。
「お前を抱くには、まだきっと何か足りてないんだろう」
うん。
すごくなんだか、色々足りん気がする。

かれんさんの気持ちが、全く描かれてないもんだから、
だんだん彼女が、あほな子に思えてきてしまう。

これ・・・続編読むのか?わたし?

このシリーズの3冊は、なにをかくそう、
人間ドックの検査待ち中に読みました。
空腹+面白くない検査とゆー環境で読んだ為、
よけい、かれんさんへのツッコミが増したと思われる。

4冊目は、2ヶ月経っても貸し出し中。
まさか、1人の人が、まだ返していないのか。
戻ってきたら、借りてよみます。




「地球へ・・・」
竹宮恵子

済済済

漫画である。
大名作であるが、手にとった事はなかった。
図書館にあったからこそ、読む事ができた。
感謝している。



老いた地球を守るため、
人類は、他の星へ移住し、
地球を護る事ができる優秀な人のみが、
地球に帰還できる、とゆールールを作っている。

まず、自然出産を否定。

子供は、人工授精で生まれ、
実の父母を知らぬまま、養義父母に育てられる。

おまけに、14歳になると、それまでの記憶を奪われ、
代わりに地球に対する盲目的な愛を植えつけられ、
地球最優先のロボットと化す。

んで、優秀な方々だけが、地球に戻ることが出来る。

これって、自分に置き換えられたら、どうよ。
狂った世界、としかいいようがない。


そんな世界の中、
進化し超能力を得た新人類ミュウなるものが出現するが、
旧人類はそれを迫害。
つまり、みつけ次第、殺害する。

しかしうまく逃げたりして、
迫害を逃れたミュウたちは、あつまり、
ついに反乱を起こす。

多くの命を犠牲にしてもなお、
旧人類とミュウは和解する事はなく、
最後は審判を地球に託す。

人間の愚かさを訴えている作品である。

こんな重いお話とは知らなかった。
何でも、読んでみるものである。


話の内容を、
社会に置き換えて考える事も出来る。
所謂、老害問題だ。

若者を育てようとせず、
いつまでもカイシャに居座る。

カイシャの為とか言いながら、
結局はいつまでも働いていたいとゆー、
エゴ、保身なんだな。

これからどうする、日本人。




「たぶんねこ」
畠中恵

済


しゃばけシリーズの12弾目。

誤って3冊抜かして読んでしまった為、
何故貧乏神が離れの常連化してるのか、
河童チームは何者なのか、さっぱり分からん。
妖兄や2人は、キャラが漫画ぽくなってるし。


「跡とり三人」
若だんなも大人になったものだと思う。
キケンな目にあいそうになった若だんな、
兄や2人の暴走ぶりが可笑しい。
「くる。いや、来たあ」て。


「こいさがし」
若旦那、結婚どころか恋もまだまだとゆーのに、
なぜかよその人のお見合いを企画することに。
見合い会場になった茶屋の修羅場っぷりが可笑しい。
長崎屋にやってきた家事見習いのお嬢さんは、
呆れつつ読むが、オチに納得する。


「くたびれ砂糖」
若だんなの友栄吉が、
感じ悪い小僧に振り回される探偵もの。
あやかしのせいで、話はこんがらがる。
甘ったれ子供の行く末は暗い。


「みどりのたま」
あやかし兄やの1人、仁吉が記憶喪失になる話。
ファンサービス的おはなしっぽい。


「たぶんねこ」
浮遊霊がなぜかお寺のお坊さんの手伝い人になる話。
いつから寛朝と離れのあやかしチームは仲良くなったのだろう。
抜けた3冊、よまなくては。


「うさばらし」
こてんぱんになる悪い人たち。
相手、悪すぎです。






「小さいころに置いてきたもの」
黒柳徹子

済


今や芸能界の歴史的存在な黒柳さん。

著作は全て読んでいる。
年をとられたなあ。

本作では、ビッグネームな人びととの、
かなり詳しい交流の内容が語られている。

三島由紀夫、渥美清、そして森茉莉!

森茉莉さんのお話は、震えた。

優雅すぎる。

徹子さんが書くから、
あの「贅沢貧乏」が、すごく伝わる。
これは、今だから公開できるお話ですね。


あち、夭折した弟「明児ちゃん」が、
トットちゃんにでてこなかった本当の理由が衝撃。

ずっと、作品の都合でトットちゃんは1人っ子、
てゆー設定にしていたのだろうと思ってたよ。

読後見る表紙の写真が、切なすぎる。

パンダ初来日実現にまで関わっていたとは。

徹子さん、お願いだから長生きしてください。









「ぼくらの夏 おいしいコーヒーの入れ方2」
村山由佳

済

大学生になった主人公。
相変わらず、年上従姉妹かれんさんと同居し、
妄想・・・もとい恋心を、日々増強中。

かれんさんは、相変わらず何を考えてるか不明。

印象を受けたエピソードは、なんといっても、
主人公作のヌードコラであろう。
発見し、衝撃を受け、
「やらしー」「サイテーだいきらい」
と怒り、半月口をきかないかれんさん(24)。

「一応ライバル」の中沢氏ですが、
忘れた頃にフラリと登場し、
割と的確なツッコミをする。
一部の読者は、その指摘にスッキリだが、
身に覚えのある主人公男子は、激おこ。
いちおー、男のプライドがあるらしい。

そーこーしながらも、
従姉妹同士の関係は進展するのかと思いきや、
かれん母帰国で3人暮らしとなってしまい、
なかなか2人きりになれないお話運びに。

試練は、ライバルより、身内らしい。

本作には、かれんさん大ヨッパで乱れたり、
かれんさん突然の雨でお洋服ぴったり体型あらわ!
とかゆー、ドキドキお約束もあります。





引き続き、みかん幼少期写真中。

あれほど拒絶した散歩を、
ぼちぼち楽しみだした頃。


遠目には、ただの毛玉。



しっぽ、まだひょろひょろです。



成犬になった今と比べたら、
相当、つぶらな瞳です。














「キスまでの距離 おいしいコーヒーの入れ方1」
村山由佳

 済


ネットで「おすすめ恋愛小説」
として紹介されており、借りてみた。

年上従姉妹萌え系妄想小説。

主人公は高校3年生男子。
年上従姉妹かれんさん(23)に再会、
すごい美人になっていてのぼせあがる。

親の都合で同居を強要され、
しかも割とすぐに血縁ないことも判明。

かれんさんは、主人公が通う学校の新人教師で、
生徒に大人気らしい。

美人従姉妹の家の様子と学校の様子を眺め、
妄想・・・もとい、恋心が増していく主人公。
ちなみに同居のことは同級生にはひみつだ。

近所の喫茶店の
「ひげをたくわえた謎のマスター」
の設定はベタですねー。
謎マスターは、主人公男子をかわいがり、
コーヒーの入れ方を伝授。
ああ、だからこの標題なのね。

一応ライバルのよーなものも出てくるが、
限りなく影は薄い。

従姉妹かれんは男を惑わすよーなことばかり言うが、
実は純情で、なーも考えていないそうな。

えー?

んで、主人公(高3)には、
「もっと強引になってよ」とせまる。

おい・・・


主人公卒業のタイミングで、
「ちゅー」しておわり。

なんなんだろうこの小説・・・イラスト含め。
でも、かの村山氏の代表作のひとつらしい。

違和感を感じるのは、単に、
自分が本小説の対象年齢から外れすぎているのであろう。