読みながら、何度も何度も
なんてスゴいんだろうと、
おもわずにいられませんでした。
 
スゴいというのは、あまりにも
単純な表現ではありますが、
本当に「スゴイなぁ~ビックリマーク」と
思ってしまうんです。
 
それは、作家さんにむけた言葉であります。
歴史としての真実に忠実でありながら
彩りを添えた物語りとしての
心を揺さぶる面白さ。
とうの昔に亡くなった者たちが
まさに生きてあたたかな血の通う生者として
この本の中で喜び悲しみあらがう姿は
圧巻です。

わたしは最初に、あとがきから読みました。
この作品を書くにあたり、
作家であられる越水利江子先生の
真摯な思いをズドーン!!と、受け取りました。
 
まず名づけ。
歴史資料の少ない人物の輪郭を
くっきりとうかび上がらせるため。
また、過去に生きた女性に命を吹き込む
ための儀式でもあります。
 
NHK大河とは、幼少時の名前が違っています。
越水先生のつけられた『圓(えん)』という名が
私的にもしっくりきました。(愛称、まどか)
 まどかと名づけられた少女が
この作品の中で確かに生きていました。
まるで作者が依り代となり、
書き写したかのような
みずみずしい感情。
若さゆえ意地っ張りなところ、
この時代ゆえ、
女性の立場の粗末さへの怒り。
恋心。
時代の波に吞み込まれないよう
懸命に生きていく決意。
大切な人たちとの今生の別れ。
身を切るほどの悲しみ。
大いなる愛情。
 
そして、ここは創作だと思うのですが
美しく印象的な場面がいくつもでてきます。
初めて気持ちが通じ合う場面では
読んでいる私もドキドキしてしまいましたラブラブ
 
小物?というか、意味あるものたちの
使い方が、なんとも心に残ります。
ラストのシーンでは、その小物に
涙をさそわれてしまいましたうるうる
 
まどかの心の内を表す文章は
本当にまどかなら、
そうするであろう所作や、
その気持ちのさらに奥深いところまで
さらりと書かれてあり、
本人しか分かりえないことまで
どうして分かっちゃうのー!?
と、驚嘆してしまいます。
 
それだけ、作者がまどかそのものとなり
現代にいながら、過去へと心をとばして
いたのだと思います。
そして、そこに生きた全ての者たちへの
慈しみの心や深い愛情をもった方でなければ
書きえないものだと思いました。
 
児童書なので、時代の難しい語句などは
やさしく説明してくれています。
もちろんルビも音譜
でも、児童書の棚だけに置かれるのは
本当にもったいない作品です!!
 
作品的には、城主になってからの物語より
それに至るまでの時代の流れや
井伊家と今川家との怨恨。
そして、城主として生きようと決意するまでの
まどかの成長を丹念に描かれた物語です。
 
せつない乙女心をひた隠し生きた
一人の女性がたしかに存在したのだと
心を遠い過去へと飛ばし読み進めた一冊でした。
 
そして、執筆を志しているものの一人として
感銘をうけた言葉があります。
これもあとがきに書かれていた
『歴史小説を書く三か条』です。
これらは現代のものを書くうえでも
当てはまることがあり、
この三ヶ条を心にとめ、
わたしも書いていきたいと思いました。
 
素晴らしい物語に出会えたことを
ほんとうにうれしく思いますラブラブ
どうもありがとうございましたビックリマーク