フィリピン移転価格税制に関する制度改正 | 米国公認会計士のフィリピン税金や法律のあれこれ

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こんにちは米国公認会計士の橋本です。

 

 フィリピンにて事業を行う企業に関してBIR(税務当局)から重要な発表がなされました。

 

フィリピンに進出する日系企業を含むすべての外資系企業に大きな影響を及ぼす税務上の改正がありました。

 

 

 

BIRより、関連者間取引の明細等を記載した申告書様式1709(Form 1709)及び移転価格関連文書等を年次確定申告書に添付することが求められることとなりました。(Revenue Regulation No.19-2020

 

 Form 1709とは、フィリピン現地企業を含む国内国外を含む関連企業の最終親会社の情報や関連者間取引なども含まれております。なお関連者取引には法人間取引のみならず対個人取引も含まれることとなります。

 

 関連者間取引につき、国内取引と海外取引とに分けたうえで、関連者の所在地国の住所地や取引内容及び金額、関連者との取引において発生した最終源泉税額の情報を開示する事が求められているのに加えて、関係者を各カテゴリー別に細分化(親会社・子会社・関連会社・一定割合以上の株式を保有する株主・主要債権者など)して、さらに期末現在の取引債権債務残高の開示が求められます。

 

 

 この歳入規則は、Form 1709の提出以外に以下の資料が添付されることとなります。

 

  • 関連者間取引との間の取引及び金銭消費貸借契約書
  • BIRへ納付した源泉所得税の申告書
  • 他国の税務当局が発行した国外関連者の居住者証明(全部履歴事項証明・定款、個人の場合は住民票)
  • APAを取得している場合には、APAの写し
  • 移転価格文書

 

法人税の確定申告の際に移転書価格文書はほとんどの国において会社内にて保存義務に留めるのに対して、フィリピンにおいてはその移転価格関連文書の提出を求めています。提出の仕方が確定申告書に添付しなければいけないといったことも他国になかったケースであり、今後、各国が移転価格文書の提出制度を定める指針となりえる前例となりえる指針でもあります。

 

 相手国における居住証明をも求めてくるということであるため、日本語に記載されている定款や登記簿、住民票などは英文に翻訳の上、アポスティーユが必要となることも考えられるため、申告に備えて事前の準備もさることながら費用面でも親会社及び関連会社に負担を強いる変更といえそうです。