発展途上国で売り上げを伸ばすコツとは | 米国公認会計士のフィリピン税金や法律のあれこれ
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こんにちは、米国公認会計士の橋本です。

 

皆さんは海外進出にどのようなイメージをお持ちでしょうか。

これから経済的に発展しそうですとか、子供が多い、タイのように軍が政権を担ったりという政治が不安定な場所があったり、治安が悪いというイメージや、国によってはフィリピンのように内戦をしている国もあります。インドネシアは90%以上がイスラム教国であったりして日本とは全く異なる文化を取り入れています。

 

海外に出るということは、単にその国の人にモノやサービスを売ってくるということではなく、その国の人たちに受け入れられるために様々な努力をしていく必要があります。例えば政治体制や法律、歴史、現地の言語を学んだり、文化や考え方や宗教などその人たちのバックボーンを理解しながら生活していくということです。

 

自分の商品やモノを販売するということはその地域や国の人に自分という存在を認めてもらう必要があります。 もっと言えば信用してもらう必要があります。 誰も信用できない人やどこから来たのかわからないような胡散臭い人とお付き合いしたいと思う人はたとえ発展途上国の人たちであってもいないということです。

 

例えそれらのバックボーンを知らなくて何とか売り上げをとってこれたとしても、必ずどこかで問題が発生し足りします。例えば従業員との間で雇用条件や勤務態度のこと、お給料のこと等で揉めたり、行政機関からも不審がられて手続きが進まないといったケースもあります。

 

そしてその国で売り上げを伸ばすためにはその国でのニーズと自分の販売する商品やサービスがマッチしているかどうかをキチンと見極めることが大切なのです。その中には価格決定も含みます。

 

 以前私のお客様でエステサロンを経営されていた方がいらっしゃいました。しかしながらいくら周知をしても全くお客様は来てくれません。原因を探るとすぐに理由が判明しました。一回当たりの利用料が7,000(約15,000円)~14,000(約30,000円)ペソと設定されているのです。 どうでしょうか? 一回15,000円~30,000円のサロンに通える人がフィリピンにどれくらいいるのでしょうか。わずかに通っていただけるお客様というのは現地で成功されている日本人ばかりが来ます。つまり客筋が極めて限られているのです。日本品質のサービスをウリにしているのだとおっしゃいますが、提供される「日本品質」というものにどれだけの価値があるのかがその価格設定ではまず試してくれるお客様がいなかったのです。

 

 私は常々お客様にアドバイスをするのですが、海外に出れば所得水準も異なりますし、支出の大半が食費に消えるという異常なほどのエンゲル係数の高い人がひしめき合っている中で、どうやってお客様を獲得していくのかをきちんと戦略を考えなければいけません。

 

 その一つに「品質に対する妥協」が求められるのです。日本品質というのではなく、最低限必要な品質を維持しながら必要な分を売れる体制を整えなければいけないのです。

 

 ある経営者の言葉ですが経営が本当に苦しいときはキャッシュフロー(お金の収支)とにらめっこしながら経営しなければいけません。それは会社だけでなく個人にも言えることであって、生活が苦しいときには今日明日、又は今月をどうやってやりくりしていくかを必死に考えなければいけません。そういった人たちの耳には日本品質や耐久性抜群、1年保証といった言葉は届かないかもしれません。

 

 「日本のモノだからすばらしいでしょ!」という考え方は単なる独りよがりでしかないのです。 海外に進出してきた企業や経営者はまずは自分自身の会社のキャッシュフロー(お金の収支)と同時に売ろうとしているお客様もまたキャッシュフローに苦労しているのだということを知らなければいけません。そうやってどこまでお客様の価格と品質に対するニーズに近づけることが出来るかが企業努力というものかもしれません。

 

 日本から持ってきたものはそのままではまず売れません。売れるとしたら日本人か日系企業にしか売ることが出来ないでしょう。それではあまりにもパイが小さくなってしまいますし、本当の意味で海外進出したとは言えないでしょう。 自分の商品やサービスを売る前に目の前の現地の人のことを知るのが大切だということを分かっていただければと思います。

 

 日本人でもそうですが、たとえ仲の良い友人や知人であったとしても、ビジネスとなると手のひらを返したようにシビアになります。表面的にその国の人を知ったとしてもそれは本当の意味で知ったことにはならないのです。 海外に出てきたほとんどの人が商売を開始して初めてそのことを知るのです。 

 

 発展途上国で自分の商品やサービスを売るのがどれだけ難しいかということを嫌というほど思い知らされてから本当にその国で生き残れるかどうかが試されるのですね。

 

 どうやったら使ってもらえるか、購入してもらえるか、認知してもらえるか、リピーターになってもらえるかということを考えるということはその国の人のことを深く知るということにも繋がります。 しかし本当に自分が提供するモノに本当の価値があるということを確信しているのであれば、それを試す価値は十分にあります。たとえ一度や二度挫折を味わったとしても諦めずに挑戦し続けていってください。 たとえ時間がかかっても本当に良いものであればその価値を認めてもらえるはずです。

 

 今日はこの辺で失礼いたします。