─朝。
予想通りというか、体がアホみたいに重い。
こういう時は普通ならゆっくり寝たいと思うのだろうが、それでは逆効果である。
寝た後は少しでも体を動かす。
それによって回復が早まるのだ。
ゆっくりベッドの上でストレッチを行い、ゆっくり起きてゆっくり着替える。
そして、ゆっくり散歩に出掛けた。
しばらく歩いていると…
「ぶっ」
僕:「なんだコイツは?面白い奴だなぁ~」
この間抜けな状態と悲壮感溢れる瞳に、昨夜の疲れが一気に吹っ飛ぶ(笑)
この犬の心境を、勝手に代弁してみた。
犬:「ご主人様…わたくしペス(仮名)は、ついにやってしまいました。カベ穴に頭を突っ込んで取れなくなるという、飼い犬として最も間抜けな行為を…」
続ける。
犬:「ご主人様…正直申しますと、今すぐにでも助けて頂きたいのです。ですが…ただでさえ普段からお世話になっているわたくしが、このような理由でわざわざご主人様の手をお借りすることは…はい、何とか自力で脱出を試みてみます」
犬を眺めながら、さらに代弁を続ける。
犬:「でも…このまま、一生抜けなかったらどうしよう!?」
犬:「いや…考えてみればこの状態も悪くないな。こうやって顔出してりゃ誰かが通る度に何か食わしてくれそうだし。うん、僕はこのまま一生を〝カベ犬〟として生きていこう!そうだ、それがいい」
という代弁はもちろん嘘だが(笑)
いつも大切に飼われているワンちゃんである。
庭を自由に走り回り、この特別に作られた塀の穴から顔を出して道行く人々に愛想を振りまいているのだ
有難う。
お前のお陰で元気になったよ