腕時計遍歴149 「Cal.1861」を載せた最後のスピマス7thを使ってみて  | はし3の独り言

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腕時計に自転車、高校理科の話題が多いブログです。日常で印象に残った出来事も取り上げます。時間があって、気が向いた時しか更新できていませんが、ご愛顧よろしくお願いします。

 昨年の暮れにオメガ・スピードマスタープロフェッショナルを買ってから、腕時計への価値観に変化が現れました。

 

 

 そう、じつはクロノグラフの良さに目覚めてしまったかもしれないのです。これまで、ずっと三針時計を追いかけていたのに、どうしてしまったんでしょう。

 

 クロノグラフというのはストップウオッチ機能がプラスされた腕時計のことです。名前の由来を調べてみると、クロノス(時間の神様)にグラフ(描いたもの)が足されたものらしい。

 

 あれ、クロノスってゼウスやポセイドンの父ちゃんじゃなかったっけ、と、思いましたが別の神様のようです。

 

 

 おっと、脱線するところでした。話を戻しましょう。

 

 クロノグラフは中の機械(キャリバー)を作るのがたいへんで、開発には長い時間と巨額の費用が掛かるため、採算を取るために他の会社から買って、加工して、あるいはそのまま入れることが多いのです。

 

 名だたる有名時計ブランドも例にもれず、かつてはロレックスもバルジューやゼニスのキャリバーを改良して載せていました。

 

 

 キャリバー「オメガ」を自社開発して、後にこれを社名にしたオメガも、クロノグラフキャリバーだけはレマニア社製の「Cal.321」を使って1957年にスピードマスター(以下スピマス)を世に出しました。この「Cal.321」の入ったスピマスが1965年にNASA(アメリカ航空宇宙局)に公認腕時計として採用されたのを機に、スピードマスター・プロフェッショナルと名前を変えて、1969年には「月に行った最初の腕時計」としてムーンウオッチの栄誉を手にします。

 

 スピマス・プロのキャリバーの変更は、1968年に「Cal.321」をベースにして生まれた「Cal.861」になったのと、1997年に「Cal.861」にロジウムメッキ処理を施した「Cal.1861」に変わったのみです。

 

 だから、スピマスプロの中身は「Cal.321」の時代から実に半世紀以上、大きな変更がありませんでした。

 

 

 外観から中身まで、ほとんど変わることなくいくかと思われたスピマスプロですが、昨年、とうとうオメガはキャリバーを「Cal.3861」に刷新しました。「Cal.3861」はコアクシャルムーブメントで、これまでのレマニアベースのキャリバーとは一線を画したものです。

 

 

 

 私が中古で買ったスピマスは7th(製造年2014~2021)で、「Cal.1861」を載せている最後の代になります。オメガのコアクシャルは好きだけど、私はムーンウオッチということをリスペクトして購入しているので、中の機械は月に行った「Cal.321」に近い「Cal.1861」ほうがいいかな。

 

 

 

 手巻き式、プラスチック風防、ハック機能なし。そして50年以上もほぼ変わらないデザイン。

 

 そんな私のスピマスプロは、21世紀になって作られているのに、時刻合わせの時、分針を戻すとなぜか一緒に秒針も逆進します。これは、古い腕時計でよくある特徴ですから、「ああ、当時と同じ機械が入っているのだなあ…。」、と、思うことができます。「Cal.3861」コアクシャルムーブメントだとどうなんでしょうね。

 

 さて、スピードマスタープロフェッショナルを使うようになって2か月経ちますが、これがたいへん気に入っていまい、登板回数は持っている腕時計の中で一番多いです。

 

 

 

 早々に金属ベルトを外して革ベルトをつけて喜んでいましたが、今週、NATOベルトに変えて、風情の変化を味わっています。

 

 やっぱりカッコいいんですよ。クロノグラフの文字盤は。

 

 

 

 クロノグラフに興味を持ってしまうと、あとがたいへん。

 

 まず、ムーブメント自体の価格が高く、どのブランドも気合を入れて作っているので、本体が三針より割高です。メンテナンス費用も同様です。

 

 実を申し上げれば、この頃、エル・プリメロに関心を持ち始めてしまって、5桁デイトナを調べてはため息をつき、ゼニスのクロノマスタースポーツの写真を見て頭を抱え、だんだんエル・プリじゃなくなって、ブライトリングのナビ太やチューダーのブラックベイ・クロノまで検索しちゃってます。

 

 なにか、また、やってしまいそうな自分が、とても怖い。