次は理科の記事を書こうと思っていたものの、大物をゲットしたので、急遽、腕時計遍歴を更新することにしました。
先日、私は村松時計店のHPを見て、スピードマスターのトロピカルダイヤルが売りに出されているのを見つけました。トロピカルダイヤルというのは、文字盤が数十年という時間をかけて変色を遂げたものです。一点物で、気に入った風合いに変わったものとなるとめったに市場に現れることはありません。
3日くらい悩んでましたが、このチャンスを逃したらもったいないという気持ちが募り、お店に連絡して購入の意思を伝えました。
姿見えぬライバルは多かったと想像しますが、おそらく私を含め、突然現れた大物を見て固まっていたのでありましょう。(きっとタッチの差で)先んじることができたのは、まったくもって運が良かったとしか思えません。取り置きしてもらい、今日、お迎えに行ってきました。
思えば1年半前、私は四代目から、文字盤が美しく経年変化したヴィンテージオメガを見せてもらっていました、経年変化した文字盤の何とも言えない味わいに心を打たれたことが思い出されます。
↑四代目のオメガ・トロピカル(スモセコ)
秋色コスモさんと真心太郎さんのブログでも、同じようなエイジングをしたヴィンテージオメガが紹介されていて、いいなーと、憧れの気持ちを抱いていました。どうも、私はオメガのダイヤルの変色の仕方が好きなのです。
そんなオメガのトロピカルが、なんと今、わが家に。
幸せですなあ。ずっと眺めていられます。
光の当たり方、日の高さによって文字盤の表情が変わるのが腕時計の醍醐味でありますが、オメガのトロピカルダイヤルの場合は、また格別です。茶を帯びたり、灰色を帯びたり、見るたびに違った表情を見せてくれます。
この個体は、1960年代後半に作られたもの。それを考えたらケースの傷も少なく、時針の状態も良いので、これまでのオーナーさんからとても大切にされていたことが分かります。私も大事にしないとね。
ライスブレスはしなやかで、なにより美しい。私の手首にはやや短かったのを、四代目が厚意で一コマ足して伸ばしてくれました。おかげで細かなコマの生み出す素晴らしい着け心地を堪能しています。ベルトの長さは購入の際にハードルとなるだけに、本当にありがたかったです。村松時計店で買っていなかったら解決に苦労していたことでしょう。
それにしても、この時代の時計は、なんとも言えず造形が美しく、色気すら感じますなあ。
これまで、腕時計を趣味するものとして、本当に気に入ったヴィンテージを一本欲しいと渇望してきましたが、これで溜飲を下げることができそうです。