腕時計遍歴103 静岡島田 村松時計店4代目のすごいコレクション | はし3の独り言

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腕時計に自転車、高校理科の話題が多いブログです。日常で印象に残った出来事も取り上げます。時間があって、気が向いた時しか更新できていませんが、ご愛顧よろしくお願いします。

 

 先週、チューダーGMTに似合う革ベルトを探しに、久しぶりに村松時計店におじゃましました。四代目にアドバイスを受けつつ悩み倒した末に、ど鉄板のカシスのクラシック、リールのダークブラウンにすることに決めました。あいにく幅22mmは置いてなかったので、その日は注文して帰りました。

 

 そして今日、届いたカシスを受け取りに行ってきました。だから、今日の記事はチューダーGMTにカシスの革ベルトを着けて喜んでいる内容になるはずだったんですが、それどころではなくなってしまう出来事があったのです。

 

 お店で何気なく4代目のつけた腕時計に目をやると、ただならぬ存在感を放つDJが目に入りました。ヴィンテージロレックスで名高い4桁です。

 

 

 四代目に、「今日も、また、すごいものをつけてますね…。」、と、言うと、よくぞ気づいてくれたとばかりに、手首から外して見せてくれました。

 

 4桁ロレックスといえば、文字盤や針の経年変化を嗜む、玄人向けの時計です。恐れ多かったんですが、その境地に触れてみたいと思い、見せていただくことにしました。

 

 置かれた4桁をよく見ると、文字盤がきれい。これがうわさに聞くミラーダイヤルと言うものなのか?

 

 

 ミラーダイアルというのは、文字盤の表面にラッカー、あるいはニスを塗って、文字通り鏡面のような光沢をもたせたものです。多様な経年変化を遂げるので、ロレックスマニアの間で珍重されているのです。

 

 4代目の着けていたデイトジャストは写真の左のものです。文字盤を観察すると、クラック(ひび割れ)が文字盤一面に入っています。これは、スパイダー文字盤という、ミラーダイアルの特徴です。初めて見ました。

 

 ジッと時計を見つめる私を見て、4代目は、どこからか別の4桁DJを取り出し、並べて見せてくれました。それはクラックなしのミラーダイアルでした。

 

 感動した私が、自分のブログに載せたいと言うと、4代目は、「じゃ、これも。」、と、またまたどこからか4ケタDJを取り出し、結局、3本のビンテージデイトジャストが私の目の前に並びました。

 

 私も、随分、腕時計を嗜んできたつもりでしたが、こりゃ、かなわん。圧倒的な戦力差です。イスごとひっくり返りそうなのを我慢しながら、ひたすらスマホで写真に収めました。

 

 私が、写真を撮り始めると、4代目は、私が写真を撮りやすいようにと、他にもお客さんがいるのにお店の照明を消してくれました。

 

 そして、スパイダー文字盤にくぎ付けになっている私を見て、4代目は、「太陽の光をあてると、たいへんなことになるんですよー。」、と、言ってきました。

 

 

 それまで遠慮して4ケタ達に触れなかった私でしたが、ついに、4代目からスパイダー文字盤をお借りすると、お店を出て(おいおい)、陽の光の下で写真を撮りはじめました。

 

 文字盤を埋め尽くすように、びっしりとク張り巡らされたラックがすごいことになっています。こんな見え方をするんだ。

 

 これは腕時計の高級マスクメロンというべきか。私はすっかり感心し、ヴィンテージの魅力的な世界に足を踏み込んだ気がしました。

 

 

 これまで、ロレックスビンテージがとんでもない高値で取引されていることについては、まったく理解ができませんでしたが、こうして実物を手に取ってみて、少し理解ができました。

 

 これはすごくいいものです。