いや~、ちょっと目が離せない状況なっています。

 

 政治風土や体制は全く異質な国なのですが、私の経験上、その権謀術数というものは、まさに中国4千年の歴史において繰り返し行われながら、学びが加わってきたもので、極めて有意義かつ参考になることが多いものです。

 

 なので今回の事のような事態は、周辺の想像や推定も含め、聞くだけでも面白いのですが、真実はまだまだ見えてこないようです。というか、最後までわからない可能性が高いような気がします。

 

 とは言え、毎日毎日胡錦涛前国家主席の退席が「実はこうだった」的に論評する人がメチャクチャ多いのですがその多くが、日本基準というか西側諸国基準のものの見方であって、そこには「中国人」の気質や、「中華人民共和国」という国の奥深さ、「中華人民共和国」という国の歴史(全般)について全く無理解のものが多数あるように見えます。

 

 私は、遠藤誉先生、峯村健司先生、中川幸司先生の考察を参考にしています。それと共に、中国の友人知人の情報を「誰が言ってたの?」って確認しながら聞いています。

 

 まあ、日本のメディアは退席事案の翌日からざわつき始めましたが、さすがに中国人ネットーワークでは、映像がネット上に出回って即座にざわめき始めて、「身体不好」か?って聞いたくらい私はのんきな確認でした。違う違うと、解説が入り、その後訂正、追加などの情報が海外にいる中国人社会の情報が入ってきました。

 

 しかし、どうも反習近平派の「希望的観測」が多いような気がしたので、さらに確認しますと、まあ、独裁的人事と申しますか、日本のメディアが報道しているような、習近平派で固めた人事がどういう結果になるか?という程度で、そもそもが、日本で報じているようなことではなく、人事はいくつもの伏線があり、わかっている人にはとっくにわかっていた話であって、とりたてて騒ぐ話ではない。というのが私の結論となりました。

 

 とは言え、です。

 

 当然ですが、「反」習近平派が、今後どういう動きをするのか?は充分に注視していくべきだと思っています。

 

 それは、明らかに国際関係に大きく影響する事柄が多すぎるからです。

 

 中国との経済関係は、世界中に張り巡らされたネットワークによって、どこの国も切り離せないところまで来ていると思います。

 

 遅まきながら、経済安全保障という言葉で動き始めている日本ですが、米中関係がギクシャクしているのも、習近平政権後。経済安全保障を言い始めたのも習近平政権後。何もかもが習近平政権後。

 

 それまでは、鄧小平氏の改革開放政策により、世界中の国が様々な恩恵を受けてきていたのも事実。「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ」という話は有名ですが、それらの言葉や裏付けによって大いに経済発展が進みました。それらに伴う「闇」の部分をえぐりだしたのが習近平氏で、そのことに対して恨み骨髄という感じの人民がいたり、考え方の転換が出来ない人がいたりで、混乱の時期でもありました。

 

 その仕上げに入る体制を整えつつある感じがイメージでき始めましたが、さて、その方向が、多くの人民があの文化大革命かそれ以上かと恐れている感じがしないでもありません。

 

 そうなんだろうか?と疑問符をつけつつ、注視していきたいと思っています。