先月から読み始めた、菅義偉内閣総理大臣について書かれた「冷徹と誠実」財部誠一著を読み終えました。前回のこのシリーズのブログの続きです。

 

 

 

 

 都度引用をさせていただき、コメントさせていただきます。

 

 P164

 その会議の発言者は一人だけで、他の出席者はそれを聞くかたちだった。だが会議が終わると、菅は側近の一人にこう耳打ちしたという。

 

 「あそこに座っていたのは誰だ?」

 

 指し示したのは、もっとも端の若手官僚が座っていた席だった。発言はしていないし、別に目立つこともなかった。その他大勢と同様に手元の資料に目を落としているだけである。

 

 「○○省の○○です」

 

 側近が答えると、菅は続けた。

 

 「あいつはいいな」どこを見てそう判断したのか、側近にはまったくわからなかったという。しかし指された官僚が抜群に優秀であることは知っていた。おそらく菅は、人の能力を見抜く特殊な眼力をもっているらしい。「神がかり的だった」とは、その側近の形容だ。

 

 初対面の官僚が入れ代わり立ち代わり説明に来るなかで、菅は「いまのやつは使える」「いまのは使えない」と即座に評価をくだしていたというが、その見立ては、側近から見てもほぼ的中していた。官房長官に一瞬で能力を判断されるとなれば、接する官僚は気が気ではないだろう。

 

 私はもちろん総理とは全く違うとは思いますし、視点も違うと思いますが、議員現職の時に、各種説明を受けたり、各種勉強会の時や課長の席に遊びに行って話をしている時などの、「発言者周囲の者」の一挙手一頭足を注視しています(笑)。ここで書いちゃうと良くないのですが、勉強会などの時は、私自身が発言している時はもとより、他の議員が発言している時でも、課長などの発言者周囲の様子を見れば、まず担当者が特定できます。そして、その業務をメインに行なっている職員が誰かもわかります。

 

 それは、表情やうなずき、手の動きなどなどです。ですから、業務の関わりの度合いや、議員側の質問の趣旨の理解度などもわかります。さらに言えば課長など発言をしている者の発言に説明すべきある意は当現すべき事項に齟齬が生じている時、大きく反応が違ってきます。

 

 「若干違うけどいいやこのまま流れても」「若干違うけど大勢に影響はなく、突っ込まれても言い訳はできるな」「若干違うけど、次では確実に訂正しないと。」などなど、受け止め方とその後の話の流れていく方向への想定によって、身体の動きが違います。

 

 大仏のように動かない者。次に備えてメモなり訂正なりを準備する者。資料等で事実関係を再確認してメモや資料を手に持つ者。などなどです。

 

 さらに申し上げると、勉強会などは少なくとも「同じ部」場合によっては「同じ課」だけの入室です。したがって、自分の業務に多かれ少なかれ関係があることです。もっと言えば、船橋市の職員であれば同じ船橋市の業務であるのですから、「知っておく」ことになんら問題はありませんが、「私は関係ない」を身体全体、表情で表してしまう職員がいますが、それは菅総理風に言えば「使えないヤツ」の評価になるんだと思いますし、私はそうしていました。

 

 課長席での雑談時は、これはもうちょっと違いますね。(笑)。

 

 どうも船橋市の場合は、多くの先輩からの口伝で、「議員がきた時の話は、聞いているように。」が存在するのでしょうか?(笑)。

 

 パソコンを操作している手が止まってしまったり、書類を作成していたり整理していたりする手が止まっていたりと手元が見えなくても肩の動きで「動き」はだいたい見えるものですが、そこで聞いていないふりをしているのも「なん」ですから(笑)、私は「聞き耳」職員に課長から話を振ってもらうような質問をしたりして、話の輪に入ってもらう場合が多々あります。というのは、明らかに私から見れば話に加わっているのに、加わってないような、聞いていないようなクサイ芝居を見ているような態度でいるわけですよ。(笑)。

 

 で、まあ、そういう時の係長クラスの話法や説明の仕方を注視しておきます。ですから名前を知らなくとも、顔と能力だけを頭の中にインプットしている職員諸氏はかなりいましたし、後から課長に名前を聞いたり、課長の評価を聞き、課長自体の評価をしたりと楽しんでおりました。(笑)。

 

 それは、我々が職員を評価するのと同じように、職員の側の方がしっかりと議員の評価をしますからねえ~。(笑)。それはこの「冷徹と誠実」にもしっかり書かれていますが、職員の議員評価の方が凄まじいですね。

 

 日本語が使えない議員(語彙が少ない、間違えている、乱暴等々)、漢字が読めない議員、漢字が書けない議員、知識がない(無いのにひけらかすとか)、地頭バカ、威張るだけなどなど。

 

 そもそも、学歴偏重は良くありませんが、船橋市役所なんて議員よりずっと優秀な大学を卒業し、入庁のための厳しい試験を突破してきていますからね~。

 

 もっというと、大学を出ていなくても、むしろ高卒で市役所へ入庁した職員の方が人間関係の作り方やその専門性を極める力はあるのではないかと思うような優秀な職員が多数います。むしろ、「お前その大学へ入学するまでで燃え尽きちゃったんじゃね~のか。」という感じで、とてもじゃないけど、一流大学卒業をいうなと言いたくなるような一流大学出身者がいたりします。それから議員にもいますが一流大学と言われているような大学の出身者の中には、完全に「いっちゃっている」ヤツがいますよね。大学名を外したら人間的に何もないヤツ。(笑)。

 

 そういう意味では、総理も安倍前総理もまあ大学は...。あっ、すみません。法政や成蹊出身の皆さん。でも僕なんかもっともっと下ですから。ひがみと思ってください。(笑)。

 

 まあ、人としてどうかが大事ですよね。っていうオチ。