さて、議会改革について書いていきたいなと思い、前回書きましたが、ついつい脱線してしまいました。

「売名」をテーマに書きましたが、さてさて、「売名」に走る原因は何でしょう。
「選挙」です。だけどねえ~と思います。

まあ、それは置いておいて、議員の仕事を、あるいは活動をきちんと説明をする、報告をする、というのはどういうふうにすればよいのでしょうか? 議会の広報(議会だより)があります。しかし、何度かブログに書かせていただきましたが、いろいろなものと裏腹の部分があります。

まず、議会の費用で発行する議会報。紙の媒体で、発言者の発言を名前入りで報告します。これはほぼ市内の全世帯に年4回新聞折込で配布されます。なので、ここに名前が記載されるようになってから、その効果を信じて、「とりあえず一般質問をする議員」が大幅増加しました。その一般質問のための紙面が議会報の多くのスペースを割くようになっています。それっていかがなものよという感じです。

これまた以前ブログに書いたかもしれませんが、本来議会で議決すべき事項についての説明や解説などのスペースが少なく、議員の個人のためのスペースが多いのです。これって本来の姿ではないと思います。私は、税金を使って議会の報告するのならば、まずは、議会の本来の仕事についてのスペースをきちんと割くこと。そしてその説明を市民(納税者)の皆様にわかりやすくすること。「議員が何を話しているか」よりも、「議会が何を議論しているか」をきちんと報告をするべきだと思うのです。

納税者の皆様への報告の仕方って「あるべき姿」があるのだと思います。それをないがしろにして、いままで「売名」に都合のよい方法ばかりを考えてきた姿勢に自戒の意味も込め猛省をすべきであると考えます。そういうことばかりやっているから、「議会の信頼」や「議員の仕事っぷり」に関してお叱りをちょうだいするのだと思います。本来の議会としての活動をお見せできず、ものすごくもったいないと思うのです。

例えば、先の第3回定例会で、たぶんかなり異例と言うか、レアなケースだったと思いますが、健康福祉委員会で子ども医療費の現物給付の取扱いについての決議が行われました。それに基づき、本会議でも全会一致で決議がなされたのですが、その議論の過程などは、本来であれば広く市民の皆様に詳細をご報告すべきだと思うのですが、それはなされません。それがルールなのです。もちろんルールを変えればよいのですが、そういう暇がありませんから、今回の議論はあまりうまく市民の皆様には伝わらないのではないかと思います。残念です。

あるいは、私が委員長を務めさせていただいている議会運営委員会ですが、ほぼ毎週開会しています。議会改革を進めて行くために、都度、意見を交換していただき、一歩一歩ですが進んでいる感じです。しかし、その経過は紙媒体の議会報には一行も載りません。そういうルールなのです。さまざまな意見が出ながら、お互いを尊重しながら話し合っている内容をお伝えできないのは大変残念です。

一方では、結果がどうなるかわからない「要望」と称する一方通行の言いっ放しの一般質問を掲載する。ちょっと表現がわかりにくいかもしれませんね。一般質問では、事前の打ち合わせで、自分が求める思い通りの回答を得られないとわかると、答弁をさせないで「要望ですから答弁はいりません」って、一方的に言い放って終わらせてしまう議員が多いのです。

何のためかわかりますか? 地域の方々のご要望をかなえようと思っても、いろいろと難しい問題があって実現がほぼ不可能だったり、困難だったりすると、そういう答弁じゃ地元住民の皆様に説明できないのでしょう。ですから、一方的に言い放って終わりにして、「議会で言ってやりましたよ」とか「議会でよくやるように言っておきましたから」と報告するためなのです。こんなの詐欺師みたいなものです。議員として最も恥ずべき行為だと思いますね。だから信頼されなくなるんです。

ダメなものは、行政側の事情の説明を丁寧にする。それから今度は住民側の事情をもう一度再調整する。再度行政と相談する。ということの繰返しをしていけば、絶対に合意点は見つかるのです。それができないんだったら、議員なんて辞めちゃえばいいんです。資格なしです。

議員の立ち位置を大きく勘違いしている議員が多いように思います。困ったものです。市民の皆様に迎合するだけだったら、単なる「クレーマー」に成り下がってしまう危険さえもあります。むしろクレーマー化している議員も多いのではないかと思います。(あっまずい!お前だよって声が聞こえました。)

私が申し上げたいのは、会派のスタンスなどに関係なく建設的な意見交換や政策提言が行われているにもかかわらず、それを的確に伝えることができていないことです。市長の執行部局をはじめ行政の仕事全体と、議会の議員と、納税者である市民との相互信頼関係の構築をするには、その三者の本来のあるべき姿をお互いに関心を持っていただく必要があると思います。