前回、平成23年第3回定例会(14)の続きです。
条例提案権の濫用について考えてみましょう。

我々議会には条例を提案する権利があります。しかし、元来の議会の権能から言いますと、権利はあるものの、第一義的には執行機関が行政執行上の手続きで必要と思われるものを「条例」にするべきであり、議会が執行機関の事務事業に踏み込んで条例提案することは、ある意味「越権」であると思います。議会運営上の必要事項や、議会に関わる部分における必要事項についての条例化はあってしかるべきで、提案権はそこにのみ存在すると解釈するのが本来の姿ではないかと思います。

それなのに、前回、今回の定例会において、条例案の提案権の行使とばかりに条例案が議会運営委員会に提案されています。船橋市議会のルールでは、まずは議会運営委員会に提案し、審議をされます。しかも、条例ですから丁寧な検討が必要だという意味もあり、議会開会日前の議会運営委員会に提案するルールにし、その後、定例会開会中に2週間程度の時間的余裕を作り、同じ議会に所属する議員全員が、逐条で検討できると思われる時間を取るのです。

従いまして、通常の見識のある議員の場合は、関係部署のヒアリングや、文献調査、他市事例調査などを行います。更には関連法規の読み込みからその逐条解説のチェックなど詳細にわたって検討を加えます。更に検討が終わった段階で、会派の構成人数によりますが、個々に考えや疑問点を持ち寄り、それらをクリアにしながら「会派としての態度」を決定します。なぜなら、市の条例というのは、100%市民生活に直結するものだからです。

提案された側のチェック時間は2週間程度。これが長いか短いかといえば、かなり短いです。しかし、本当に市民のためを考え、船橋市民にとって有益な条例案であれば、議会提案前から、前述したような作業を発議者自身が行って、二重三重はもとより、四重五重のチェックをするのが当然の責任になってきます。例えば我々の会派は14名ですから14チェックが入り、それはかなり熟れた案に仕上がります。

しかし、今回はリーガルチェックもしたような不規則発言もありましたが、「うそ」でした。しかも前回書いたように、よその自治体のものをコピーアンドペーストをしたものを適当に手を加えたものでした。大学のいい加減なレポート提出と同じ手順で作業をしたという、いかにも議会を愚弄し冒涜した、極めて悪質な条例提案でした。まあ、それに同調する会派も会派です。まったく同罪と言わざるを得ません。

なぜなら、前回ブログにも記述しましたように、議会運営委員会の際に極めてイレギュラーな形での発言を求めてまでも、善意で、そして議会に長く関わる者の責務として「アドバイス」に近い提言をしたにも関わらず、それを無視し、あざ笑うかのごとく堂々と非公式でありながらリーガルチェックしたかのごとくうそぶき、与えられた権利の行使であるがごときの振る舞いでした。

そしてキレました。大いにキレました。私の会派の議運委員が。当たり前の話です。ここまでこの条例案に費やした時間と労力はもう取り戻せません。それをいとも簡単に無かったことにしましょう。とは困ったものです。それも与えられた権利ですから、という感じです。