逢瀬のDACパワー、WATERFALL Integrated 250をお借りしました。
今回は貸出機という事で、レビューというより雑感という形で聴いた時の感想を書いていきたいと思います。
写真や感想のブログ掲載許可は逢瀬の方から既に頂いております。
トランスポートはJPLAYトリプル構成のDACLink700Hz固定。
DDCにHIFACE EVO TWOを使い、I2Sと光の違いも検証しました。
現在使用中のDACはHD-7A192で、サイバーシャフトの外部クロックをDDCとDAC両方に接続しています。
Integrated 250試聴時にはDDCにのみ外部クロックを接続しました。
当方ヘッドホン環境での試聴になりますので、その辺はご容赦下さいませ。
HPA-206→HE1000 V2です。
Integrated 250のモードはDAC PreAmp Mode固定。
単体DACとして使用しました。
電源ケーブルは両DACともアコリバのPOWER STANDARD-TripleC-FMです。
以下雑感
・I2S VS 光
公平を期すためにJVCの1000円以下のケーブル同士で比較
音の分離感、S/NでI2Sが光を上回る
I2Sで聴き始めると最初は若干おとなしくなったかなと感じたが、しばらくI2Sで聴いた後に光に戻すと音が固まって分離しきれてないのが分かる
見通しの良さ、高域とボーカルの伸びが違う
特に静寂な背景から浮き上がってくるボーカルのリアルさに最も差を感じる
ボーカルがより近いのは光だが、光はI2Sより雑に聴こえる
個人的にはこの試聴機の時点ではI2S一択
I2Sの優位性を知った
設計者はI2Sの音は出力元のDDCの質とドライバに大きく左右されると記述しているがHIFACE EVO TWOのI2S出力とテシコン製ドライバが優れているのかもしれない
・HD-7A192 VS Integrated 250
光入力同士で比較
まずHD-7A192は音が平坦に聴こえ、解像度や分離はIntegrated 250とかなりの差を感じる
音像の定位が悪くぼやける
音の収まりが悪くとにかくぼける
基本性能の差は歴然
I2Sだと更に差が広がる
・HD-7A192+サイバーシャフトクロック VS Integrated 250
外部クロック無しより差は縮まる
それでも分離や定位の良さはIntegrated 250が余裕で上回る
ボーカルの透明感、低域の締りや沈み込みにも明確な差を感じる
HD-7A192+クロックの長所は落ち着きがあって聴き味が良い事であり、弦楽器やピアノが滑らかで心地良い
しかし楽器が増えていくと音にメリハリが無く物足りなさを感じるようになる
またポップスを聴くなら圧倒的にIntegrated 250に軍配が上がる
音源が悪くても音を掻き分けて気持ちよく聴かせる力を持っている
・ボリューム
HPA-206のボリュームを全開にしてIntegrated 250のデジタルボリュームを絞った方が
S/Nが良く音がブレずににスッと収まる整理された音になる
逆にIntegrated 250を全開にしてHPA-206のボリュームを絞ると味のあるアナログチックな音になる
好みの差だと思う
個人的には前者の方が好み
ヘッドホンアンプ用にプリアンプ(アッテネータ)を導入する意味がある事を知る事が出来た
ちなみにHD-7A192と比較する際には同条件となるようにHPA-206でボリュームを絞っている
・ヘッドホンアンプ部
特に優れているわけでは無いが、DACのおまけとして考えれば十分な質を持っている
・Sound control設定
SC1~SC5まで設定できる
音像の定位感が変わるように感じた
個人的にはSC1が最も自然に聴こえ好み
・Integrated 250 総評
ノンカラーレーションでニュートラル
高域は綺麗に伸び、低域の締りと沈み込みも十分
特筆すべき点は分離の良さと音像の定位感、そしてS/Nの高さ
欠点を挙げるとすれば若干音が硬く感じる場面がある事
特にソロ演奏時に音の輪郭が立ち過ぎて聴き疲れする事がある
音がストレートに飛び込んでくる感覚
長時間BGM的に聴き続けるよりも、集中して聴き込むのに向いていると感じた
最も得意だと思ったジャンルは女性ボーカルジャズ
まとめ
ヘッドホン祭で聴いた時よりも良い印象を持ちました。
Integrated 250の販売予定価格は税込388,800円となっており、私のHD-7A192も2011年発売とは言え新品で25万弱の値段はするのですが(クロックを合わせると約30万)、値段の差を遥かに超えた基本性能の差を感じました。
コストパフォーマンスはかなり高いと言えるのではないでしょうか。
外観も美しくしっかりしていますし、サイズもコンパクトで収まりが良いです。
I2S入力を備えてる点も外部DDCユーザーにとっては魅力的。
光入力もこれから正式に製品化するに当たってI2Sを超えるクオリティを目指すとの事なので驚きですね。
ただ上でも記述した通り音が硬くて聴き疲れする事があるのがやはり最後までどうしても気になってしまいました。
確かにIntegrated 250を導入すればシステムの質が飛躍的に向上する事は確かなのですが、では果たして自分はこのDACを中心に据えて使う事でこれからも今まで通り音楽を楽しむ事が出来るのかというと、今の私にはちょっとその先を想像する事が出来ませんでした。
スピーカーでの使用ならもっと違った印象を持ったのかもしれません。
私のオーディオに対する知識や経験の不足もあるでしょう。
いずれにしても、現状では私にとって手に余るDACでした。
現在HD-7A192に戻して音楽を聴いていますが、やはりIntegrated 250で慣れてしまった耳は現在のシステムの足りない部分を明確に感じ取ってしまいます。
次期DAC探しの旅はもうちょっと続く事になりそうです。