私を呼び出す前日
余りにも頭痛が酷いものだから
二人で近所の医者に行ったらしい
診察の結果・・・・
分りまへん
・・・
分りまへんと言ったかどうかは定かではないが
とにかく 自分の所では無理と
大きな病院に紹介状を書いてくれた
生まれて初めての大きな病院・・・
一生無縁だと思ってたに違いない
検査 だと?
なんや どないなってんのや
ただの頭痛ちゃうんか
ワシ
どないなってまうんや?
お父ちゃんの不安な気持ちは 十分に察する事ができる
そろそろ平均寿命に近づいて来て
死
という初めての経験が
今 現実のものとして目の前にある
その恐怖とはどんなものだろう
経験しない者はいない
いつかは訪れるもの
覚悟してたって 覚悟なんかしてやしない
それが
死
なのではないか
潔く逝きたい
元気な間はそう思っていても
胸をかきむしり のたうつ苦悩を通り
その境地に至るのではないだろうか
今回は 余りにも突然
誰も覚悟なんて出来てやしない
・・・
その日から家に帰れなくなるなんて
両親も私も想像だにしなかった