うつ病の最新研究 その4 | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます 

NHKスペシャルの「ここまで来た!うつ病治療」、昨日の日中にも再放送されてましたね。「うつ病の最新研究」と題して、その1その2その3の3回にわたってレポートしましたけど、認知行動療法について、書き忘れてましたので、まとめておきたいと思います。

TMS(経頭蓋磁気刺激)とDBS(脳深部刺激療法)は、電気的な刺激を使って前頭葉のDLPFC(背外側前頭前野)の状態を改善する方法。これに対して、認知行動療法では、カウンセリングを受けながら、思考パターンを変える訓練を続けることで、DLPFCを鍛えます。

認知行動療法は、認知療法と行動療法が融合したもの。私たちは、認知したことに従って行動をとり、行動したことによってまた認知しますね。認知と行動は必ずリンクしています。ですから、認知療法とされていたものと行動療法とされていたものが一体化するのは自然の成り行きだったんですね。

認知行動療法では、認知のしかたを変えることで行動を変える、行動パターンを変えることで認知のしかたを変える、そうした訓練を専門家の指導を受けて積み重ね、セルフコントロールの方法を身に着けていきます。

認知行動療法は、うつ病だけでなく、パニック障害、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、強迫性障害、アルコール依存症、薬物依存症、摂食障害など、精神神経科の広い範囲で使われています。

簡単に言ってしまうと、コップに水が半分入っているとき、つい「半分しかない」と考えてしまうのを、「半分しかない」という見方だけじゃない、「まだ半分もある」という考え方もあるんだと認識できるように訓練するってこと。それによって、DLPFCを活性化して、うつ症状を改善していく。

番組では、「ことばの力で脳に働きかける」として、うつ症状が軽度だった人の改善ケースとして紹介されてました。確かに、重度な場合は、カウンセリング自体を受ける気にもならないでしょうから、むずかしいでしょう。

番組では、もうひとつ、脳の活動状態をリアルタイムで見られる装置を使い、扁桃体をいい状態に保つ訓練について報告されていました。その装置では、扁桃体の脳血流が減ったときに、表示されるバー(棒グラフ)が目標値に近づくように設定されています。

患者は、ハッピーなことを考えて、不安や恐怖が抑えられると、扁桃体が落ち着いて、表示されているバーが目標値に近づいて行くのを目の当たりするワケです。つまり、ちょっとしたゲーム感覚で訓練する感じでしょうか。

こちらは大掛かりな装置が必要で、それもまだ研究段階。でも、結果が目に見える状態は、一目瞭然、客観的に納得しやすいから、いいんじゃないかな。認知行動療法の結果も、目に見える形で表示できるってことだもの。

客観視すること、だいじです。ここで思い出しました。「不安から抜け出すおまじない」でご紹介した「…と思った」というのも、客観視するための方策のひとつなんですよね。

一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。

120222_110727.jpg
キンカン
東洋医学講座の目次→満月
ツボの目次→やや欠け月
リフレクソロジーの目次→半月
妊娠・産後・授乳・子どものケアの目次→三日月
アロマセラピーの目次→新月
『養生訓』の目次→星空
体操とストレッチの目次→夜の街
からだのしくみ・食・栄養の目次→打ち上げ花火
からだの不調と対処法の目次→お月見
養生法・漢方薬・薬草・ハーブの目次→桜
ブログの目的・利用法・楽しみ方の目次→観覧車
東日本大震災 関連記事の目次→富士山