「養生の術は、まず心の法(ありかた)をよく謹んで守らなければ、できないものだ。心を静かにして騒がず落ちつき、怒りをおさえて欲を少なくし、いつも楽しんで余計な心配をしない。これが養生の術であって、心を守る道でもある。心法を守らなければ、養生の術は行われないものだ。それゆえに、心を養い身体を養う工夫は別なことでなく、一つの術なのである。」
益軒先生が「心」とおっしゃっているのは、東洋医学の「心(しん)」のことですが、東洋医学では「心」は「神(しん)」(現代でいうところの精神)をつかさどるので、言ってみれば「こころ」でもあるんです。というより、順序としては、「心」が「神」をつかさどるから、「こころ」が心(こころ)となったわけですね。ややこしや。
東洋医学では、他にも、肝は魂(こん)を、脾は意(い)を、肺は魄(はく)を、腎は志(し)をそれぞれ中におさめ、コントロールしていると考えます。つまり、「こころ」と「からだ」のつながりは「神気」と「五臓」のつながりにあらわれている。その東洋医学的考察は別としても、常々、こころとからだのつながりを感じています。
ストレスを感じて、こころが疲れているときは、肩甲骨と肩甲骨の間の筋肉が、キュ~ッと縮んだ感じになっています。そんなときは、背中への施術だけでは、なかなかゆるんでくれません。ゆるめようと強いアプローチをかけると、反発されてしまいます。こころへのアプローチも必要なんですね。とにかくリラックスしていただけるようにつとめます。
また、反対に、コリがひどくなると、元気も出なくなってきます。ほっと一息つけたら、ちょっとでもほめてもらえたら、ぽんっと背中を一押ししてもらえたら、元気が出る、これからもきっとがんばれる。そんなときってありますよね。そんなときは訪ねてみましょう、ねぎらいま書家リョータさんの「ねぎらいの書」
。お年賀状の『笑』が素敵だったので、お願いして貼らせていただきました。
リョータさん、ありがとうございます。今年もよろしくお願いしますね。
東洋医学の五臓と神気についてはこちらでどうぞ→ 東洋医学講座 No.24
『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』
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