真「今晩は!」


和「はい、今晩は。」



真「お邪魔……、だったかな?」

和「選択肢は二つでしょ?」

真「え?」

和「邪魔か、邪魔じゃないか、」

真「そう…、そうね。」



和「なら、邪魔。」



真「ですよね~。
すぐに帰りますから、すぐに。」

和「いいのよ、気にしないで。」

「ゆっくりして行きなさいよ。」



真「一つ言っていい?」

和「どうぞ。」

真「泣かしたりしたら許さないからね」

和「それは残念。」

真「は?」

和「泣かしたよ。 すでに。」

真「は?!」

和「話して欲しい? 詳しく。」

真「いいよ。泣かせた話なんて」

和「なによ。 そんなに心配?」

真「そりゃ心配だよ……。
今まで存在しなかったんだから。
あの子の隣に、男と言う生き物が。」

和「なら凄い事じゃない。居るんだもん。
今まで存在しなかった男が。今、ここに。」

真「あのさ……、聞いてもいいかな?」

和「いいよ? おいで?」



真「二宮くんは忍のどこが好きなの?」

和「どこ?」

真「そっ、 どこ。」

和「ないよ。」

真「ないよ。って、 は??
それって、好きじゃないって事?!」

和「フフッ、好きじゃない?」

真「だって、好きならあるはずでしょ?」

和「なにが、」

真「優しいところ~とか、
一緒に居て楽しい~とか、可愛い~とか、」

和「だから居るじゃない。一緒に。」

真「は?!」

和「可愛いよ。 真美ちゃんは。
優しいし、一緒に居たら楽しいし、 」

真「え? は?」

和「でも、あいつじゃない。」

真「わっかりにくい!」



和「ならさ?
真美ちゃんはあいつのどこが好きなのよ。」





真「どこって、」

和「一緒に居て楽しいから?」

真「そ、そう…、」

和「優しいから?」

真「そう…、ね。」

和「それだけ?」

真「違うわ!」

和「言葉になんて出来ないはずなの。」


「出来ないのよ。俺はね。」

「足し算 引き算じゃないと思うから、
人を好きになるって。」


「友達もきっと。同じはず。」


真「やっぱり、」

和「なに、」

真「高難度……。」

和「誰と比べての?」

真「誰でしょうね……。」

和「フフッ」



真「喧嘩にならない…?」

和「ならないね。」

真「ならないの?」

和「なる? 喧嘩に。」

「ならないと思うよ?
お互い根っこがしっかりしてるから。」

真「根っこ?」



和「ほら、」

「真美ちゃんは?」


真「ん?」


和「あいつの事が?」


真「ん……? 好き?」




和「フフッ、そう言うこと。」




~ 続 ~