みなさん、こんにちは(*^o^*)、大変ご無沙汰いたしてしまいました。
今日は「新型出生前診断」について考えてみたいと思います。この検査が導入されてから1年だそうですね。ご存知かも知れませんが、この検査によって判明するのは、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの異常です。一般的には「ダウン症とか、高齢出産に伴う染色体異常を発見する検査」という理解でしょうか。
わたしも実は出生前診断を受けたことになると思います。などとあいまいな表現をすることには理由があります。
そもそも「新型」と従来型の違いは分かりますか?わたしが調べたところでは、新型は検査の精度が格段に高く、非侵襲性の検査として血液検査だけで「陽性、陰性」の診断ができる、というものです。正式名は無侵襲的出生前遺伝学的検査です。一方従来型は「診断」するものではなく、あくまで染色体異常を持つ赤ちゃんが生まれてくる「確率」を示すもので、結果は「%」で示され、診断には至らない検査です。いずれにしても、「確定診断」を得るためには羊水検査を受けることになります。
わたしが受けた検査はトリプルスクリーニングといわれるものでした。トリプルマーカーとも呼ばれているようですね。これも非侵襲性の血液検査です。妊娠当時はシンガポールに住んでいました。この検査を受けてみよう、と思ったのは、担当のシンガポールの医師に、「あなたの年代で染色体異常のお子さんを出産する可能性を確認するための検査です。念のために受けておきますか?」と聞かれたからで、「それなら。。。」という程度の気持ちでした。わたしは当時26歳、初めての妊娠で何も分かっておらず、染色体異常児の確立が高いという結果が出たらどうするのか?正直、あまり真剣に考えていませんでした。幸い、確率は低いという結果でした。
しかし、今42歳になり、まさにわたしと同年代の女性の方々が高齢出産に際してどんな不安を感じ、悩んでいらっしゃるか、しみじみと考えるようになりました。待って待って、ようやく授かった待望の赤ちゃん、どんな思いでこの新型出生前診断を受けるのか、恐怖と不安とが胸に巻き起こっているのではないでしょうか。
わたしの体験にはまだ続きがあります。妊娠28週に入った頃でした、超音波検査で胎児の頭に水がたまっていると言われました。医師には「ダウン症の可能性がある、よくて水頭症だろう」と宣告されました。目の前が真っ暗になったことは言うまでもないでしょう。もちろん中絶が可能な期間を過ぎていましたが、わたしには「産む」という選択しかなかったので迷いもありませんでした。ただただ胎児のことが心配で、心配で、楽しいはずの妊婦生活もそれ以降はハラハラする日々に変わってしまいました。
そんな経緯のあった妊娠ですが、娘は無事に産まれてきてくれ、幸い、障がいもありませんでした。「もしあの時、中絶するという選択があったら、自分はどうしていただろう?」と考えるのですが、答えは出ません。
新型出生前診断で陽性と出た方の9割が妊娠中絶を選択されたというデータもあるようです。どんな選択をするのか、あまりにも情報が足りない状況です。障がいを持ったお子さんを育てる上で、どんな生活の変化があるのか、どんな社会的サポートがあるのか、お子さんの教育は?両親が先に亡くなった場合のお子さんの将来はどうなるのか、などなど。。。疑問は次々と湧いてくるでしょう。
産む、産まない、両方の選択をされた、それぞれの立場のお話を伺う機会が必要です。実際に経験された方のお話は非常に貴重です。医療機関も行政も、そうした妊婦さんを医学的面だけでなく、生活を含めたトータルサポートを早急に整備していくことが、高齢出産が増加している現代に求められているのではないでしょうか?
先週放映されたNHKのクロースアップ現代で特集され、今朝のNHKニュースでも取り上げられていました。ご参考に。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3491.html
これからも生殖補助医療、そして出生前診断など出産にかかわる課題を取り上げていきたいと思います!