「持続可能な衣食住」の活動にあたって

 

 

朝の目覚めはいかがですか。

 

空調のおかげで、適度な室温で

気持ちよく起きていませんか。

 

蛇口をひねれば

使いたい温度のお湯が出て

シャワーを浴びるのも

お茶を沸かすのも

あっという間です。

 

電車はカードでワンタッチ。

いつでもどこでも

電話ができるし、

海外の人と無料で話したり、

テレビ電話も普通のことです。

 

食べ物も飲み物も24時間買えるし、

洋服も靴も本も家具も

ネットで頼めばすぐに届きます。

 

旅に出る時は、

海外でさえ、インターネットがあれば

自分の家にいながらものの数分で

手続き完了になります。

 

なんでもかんでも

本当にスピーディーに

いとも簡単にこなせるようになりました。

なんて便利な世の中でしょう。

 

昔、お湯を沸かすために

ガス湯沸かし器というものが

台所や部屋に鎮座していて

大きな音を立てていました。

 

その前、母が子どもの頃は

寒い冬の夜、湯たんぽにお湯を入れて

ふとんの中に潜らせて一緒に寝て

朝もまだ温かいので

それで顔を洗ったそうです。

 

電車に乗るには窓口で切符を買って

改札口ではさみを入れてもらい、

電話代がかかるから

長話しないようにして、

場所によっては交換手を

通してということもありました。

 

洋服は母の手づくり。

洋裁、手芸が苦手なんていう

お母さんはいませんでした。

それは、ごはんを炊くのと同じように

日常のことだったから。

 

平成の今、私たちの暮らしは

人の手を煩わすことが減って

機械がしっかりやってくれるようになり

便利さをたくさんもらいました。

 

でも、

容量には限界があります。

便利さがたくさん来たあまりに

失ってしまったものもたくさんありました。

 

お湯が沸くのを待つ時間

旅に出るためにあれこれと

ガイドブックを観て調べる時間。

電話をかけようとしたときの心が弾む感覚。

 

母が縫ってくれたワンピース。

母が編んでくれたセーター。

それらを着るときの嬉しい気持ち。

 

時間をかけて作ったささやかなごちそうを囲む食卓。

 

暑い夏の日にうちわであおいでくれたおばあちゃんのやさしさ。

 

すべてのこと

ひとつ一つに人の手がかかり、

その先にいる人を思いやる気持ちとともに

ゆっくりとした時間が流れていました。

 

 

つくり手の思いが伝わり

ものにエネルギーが与えられ、

暮らしはそれらに囲まれていました。

 

 

 

今、失ったものを取り戻すのには

時間がかかります。

 

でも、暮らしの中の少しのことに

気を働かせていきたいです。

 

着ている服の材料が何で

どこで

誰の手によって作られているのか。

 

今、食べた野菜が

どこでどんなふうに育てられているのか。

赤ちゃんや小さな子どもが口にしているおやつは

何でできているのか。

 

工場で作られてパッケージされたものに

何が入っているか。

 

家が立っている場所や建材はどうなのか。

太陽や風や空気と共生できているのか。

 

地球を次の世代に引き継いでいって

みんなが元気に、さらに次の子どもたちに渡していけるように。

 

大切なものは生活の中にあります。

ヒントも生活の中に。

身近なところにきっと

よくしていくためのタネがあるはずです。