子宮全摘後2年と10ヶ月、
現地で急性虫垂炎と診断されました。


もともと
日本の春休みと
現地の学校の休みが重なったので、
コロナウイルスのコの字も
この世に出てなかった去年の暮れには
すでに一時帰国の予定で
飛行機のチケットは取っていたのですが、
同時にビザの切替が重なり、
私たち母子はこの時に
絶対に日本に帰らなければならなく
なっていました飛行機


そこへ、
急性虫垂炎と診断されたものですから、
どう考えても、この際、
日本で手術することがベストだろうと
思いました。


普段は
現地で虫垂炎のような急性の病気で
治療が必要になった場合、
私が在住している国では
余裕のある現地の人は
自国よりも医療の整っている
海外に飛んで治療をすることが多く、
海外からの駐在員家族も
海外旅行保険でカバーされている場合は、
同様に第三国で治療・手術することが
少なくありませんでした。


けれども、コロナウイルスの感染が広がり、
どの国も自国の感染防止のために
それまで受け入れていた外国人の
医療ビザによる治療を
受け入れない方向に変わり、
虫垂炎の手術のためには
実質的に、もう私には、
日本に帰るしか選択肢がなくなっていた
というのもあります。



現在のように、渡航禁止勧告が出て、
外国からも外国人の入国禁止措置が
出ているような場合、
行き来できる飛行機の便が
突然なくなったり。

また、現地の医療機関では
コロナウイルスの蔓延により
すでに医療崩壊していて、
コロナ以外の急性期の患者を
受け入れる余裕など
まったくなくなっていたり…。

残念ながら
外国人は後回しになることも
なきにしもあらずだったり、
あるいは手術入院中に
コロナウイルスに感染してしまうとか、
普段は助かるはずの命でさえ
助からないということも
現実にはあるのかもしれません。


そのようなことを考えると、
渡航自粛勧告、渡航禁止勧告となった場合、
その国にとどまるのは
コロナウイルスにかかる以外にも
数えきれないほどの
リスクをともなうからこそ、
日本国外に出国することは自粛し、
現地からは強制的に帰国しなければ
ならなかったのだろうと思います。


で。

紹介状を書いてもらった
現地の外科医からは、
「早速、日本のドクターに連絡をとって
 CT検査結果とかスキャンして送って
 手術の日程を決めてくださいね照れ
と言われたのですが。

「日本はそういうシステムではないので
 できないんですニヤニヤ」と私。


海外では、
日本のように
「〇〇病院」の「△△先生」
という感じではなく、
どちらかというと
「我が家のホームドクターは□□先生」
という感じで、
そのドクターと直接、電話やメールや
WhatsAppなどのSNSで繋がり、
何かあった時は
夜間でも休日でも連絡を取り合えるように
なっていることが多いと思います。


そのホームドクターに相談して、
必要があれば
さらに専門医や大きな病院に
紹介してもらう、
という流れになっています。




なので、
そんなふうに言われたのだと思いますが、
日本ではまず、かかりつけ医、
病院の外来を受診して、検査をして、
必要があれば
そこから大きな病院に紹介してもらって、
そこでさらにもう一度詳しく検査して
手術の日程を決めて…というふうに、
けっこう時間がかかりますよね照れ


日本は、病院に関わらず、
どこにおいても組織の存在が大きかったり、
インターネットというよりも、
電話・FAX、要書類原本・コピー不可、
印鑑…等の文化が根付いている
ということもあるのかもしれないですね。




私も、日本に帰って手術します、
と言ったものの、
まず日本で消化器関連で
病院にかかったことがなく、
かかりつけ医がない…。

さらにはそこから外科となると、
どこに行ったらいいものか…。

それなのに
すでに決まっているフライトに合わせて
日本に滞在している間に
都合よく手術してもらおうだなんて、
そんなうまい話があるとは思えず。



ましてや、
新型コロナウイルスの感染が
世界的に拡大している時に、
いくら急性虫垂炎とはいえ
感染の有無もわからない帰国者が
そんな簡単に受け入れてもらえるとも
思えず。

万が一、
私がコロナウイルス・ポジティブで、
「コロナウイルスによる
 世界初の虫垂炎の症例」
なんてことになったら
シャレにもなりません滝汗
…って、マジでそんなことまで考えました汗


日本の友人に聞いたら、
帰国者・接触者相談センターに相談して
紹介してもらったら
いいんじゃないかなー?、とか、
急性の病気は
コロナ対応病院以外は
即受け入れてくれるはず、とか、
いろいろ教えてくれたのですが、
日本国内も混乱していて
かけてもかけても
電話がずっとbusy(話中)といわれている
帰国者なんたらセンターに、
海外から国際電話をかけるのは
気が遠くなるようなことで。

つながったところで
だいたい、いつも
肝心なところで
回線が切れてしまうんですよねタラー

医療機関に国際電話をして
しばらくお待ちください〜、で、
音楽流れている間に切れてしまうのを
何度も経験済みえーん
メールとか使えたらいいのに〜、
と何度思ったことでしょう。




空港に着いて、即、検疫の人に、
「急性虫垂炎です!
 手術したいですゲラゲラ
って言えばいいだろうか!?
とか、いろいろ考えたのですが。


結局、コロナウイルスで
全世界が大混乱しているような
こんな時には、日本では、現実的には
知り合いの医者からの紹介、
くらいしか道がないのではなかろうか…。
と思いました。




しかしにやり

SNSやスマートフォンの連絡先や
メールの履歴などをくまなく探して、
医師友を思い出してみたりえー?

かつてお世話になった、
いろんな先生方を
思い出してみたりしたものの真顔



もしも連絡を取ったところで、
PCR検査も受けていない
感染の疑いがある帰国者の患者をみることも
紹介することも、
どんなに親しい友だちだとしても
相当、覚悟のいること。

万が一のことがあった場合、
病院は閉鎖ですし、
風評被害でその後も
どうなることかわからない…ガーン

親しいからこそ、
お世話になったからこそ、
絶対にそんなことは頼めない〜
絶対に迷惑はかけられない〜笑い泣き


ようやく最近、
初診でも
遠隔受診が可能になったと聞きましたが、
当時は…といっても
ほんの1ヶ月ほど前のことですが、
遠隔受診は再診でなければ無理だった頃で。

もしも可能なら、
検査データを送ったりして、
紹介してもらうこともできたのかな、
と思いますが。


この「初診」の壁が
コロナウイルス蔓延時の帰国者には
とてつもなく、ぶ厚く。


途方に暮れました…。


が、結局、どうなったかと言いますと、
身内の知り合いに
たまたま外科が専門で、
現在は消化器内科の個人病院を
開業しているお医者さんがいて、
かくかくしかじか
事情を聞いたその先生が
受けて立とう!!
といってくれたため、
まずはその先生から
国・自治体のしかるべきところに
帰国者診療の許可をとってもらい、
それで受診することができたのです。


幸い、私の住んでいた国では当時
まだ感染者が非常に少なかったので、
帰国者とはいえ、感染の恐れはなく、
受診に問題はない、
と即、受診OKということになったようです。

けれども、のちに、
現地の私のかかりつけ病院から
コロナウイルス感染者が出て
閉院になったくらいですから、
もうあと少し遅れていたら
そもそも、受診の話さえ
受けてもらえなかったかもしまれせん。

それぐらい、
コロナウイルスの感染拡大は
予想を超えて
急速に広まったとも言えるのだろうと
思います。



私は急性虫垂炎とはいえ、腹痛もなく、
咳もなければ、熱もない、
もちろん、肺炎の症状もなく、
現地から持っていったCT検査結果でも
肺はきれいだったようですが、
急性の虫垂炎ということで、
何よりも
急がなければ手遅れになる、という、
人道的・医療的判断で
受けてくださったのだろうと思います。


聞けば、個人病院を開院する前は
ずっと大学病院や大きな病院の外科で
執刀されていたとのこと。

薬(抗生物質)で散らして、
現在は落ち着いているとはいえ、
虫垂炎が手遅れになった場合のリスクは
当然、ご存知だったのだろうと思います。



身内の知り合いに
たまたまお医者さんがいたとしても、
その人が
まさかまさかの
消化器内科を標榜する病院の先生で
外科医だったとか。

帰国のタイミングにしても、
ぴったりのお医者さんに
巡り会えたことにしても、
本当に
ラッキーだったとしか
言いようがありませんお願い



本当に、
神か仏か…お願い
私はこの先生を、この病院を、
そして、親身になってくださった
看護師の奥さんのことも、
一生忘れることはないでしょう笑い泣き


でも、お医者さんにとっての
一番の喜びは、患者さんが
元気に回復していくことでしょうから、
もう二度と患者として受診しないことが
最高の恩返しと思うので、
忘れることはなくとも
間違っても再び
受診するようなことにはならないように…
とも思いますニコニコ


そして、その先生の病院を受診し、
さらに手術のできる
大きな病院の理事長
直接、紹介してもらい、
速攻、受診
即、検査
即、入院
即、手術!と、
気づけば、帰国後、1週間後には
手術を終え、退院しておりました滝汗


現地に戻る日が決まっていたのと、
その前に、子どもの留学・渡航の準備や
見送りをどうしてもしたかったので、
無茶振りとも言えるような日程で
手術をねじ込んでもらったのですがあせる
結果、普段と変わらない生活に
あっという間に戻ることができました。


最終的には、
コロナウイルスの世界的拡大により、
あれよあれよという間に
渡航禁止勧告が出て
子どもの留学は延期になり、
私たちも出国することはできず、
日本に待機することになったのですが、
こんな大変な時に、
一患者の希望やQOLを考えて
手を尽くしてくださったことを思うと、
申し訳ないくらいです。



時々、
紹介元の先生や手術先の病院の
ひと目だけお会いした理事長や
主治医や執刀医の先生や看護師さんや
スタッフの方々は
みなさんご無事だろうか?と、
やはりPCR検査を受けておらず
陽性か陰性かもわからない帰国者としては
とても気になってしまうのですが、
今のところみなさんお元気で
病院も無事なようで…。


医療現場で働く方々は
毎日毎日、目に見えない敵との戦いで
本当に大変なことと思います。


医療崩壊しないためにも、
コロナウイルスが1日も早く終息するよう
粛々と自宅待機生活を続けていこうと
思います。



毎度、長文ブログながら、お読みいただき、
ありがとうございましたクローバー

次回は、手術について書ければと思います。