3度目の服役は長崎刑務所
「九州の楽園」と呼ばれる場所だ。

長崎刑務所では、はじめに炊事工場に
配役された。

炊事工場とは、受刑者の食事を作る工場である。
炊事工場は仕事がハードで、しかも独居(1人部屋)がなく全員が雑居(6人部屋)で生活
しなければならなかった。
上下関係もガチガチで先に入っただけ、という
理由だけで年下のガキに使いっ走りにされる。

私は気が長い方ではなく、生意気な口を
聞く奴を工場内の冷蔵室に連れ込み
ボコボコにしてやった。

ボコった相手が工場担当刑務官に泣きつき
私は15日間の懲罰。

次に配役されたのは、図書工場だった。
受刑者が購入した本、差し入れされてきた本
を、検査、許可証貼り、管理する工場だった

一般的には受刑者の中でもエリートと
呼ばれる工場だったが、毎日パソコンに
本の題名を打ち込むという単純な作業が
性に合わず、同部屋の気に食わない中国人を
ボコってまた懲罰

最終的に配役されたのが金属工場だった。
溶接の資格もとり、何より作業が面白かった。

長崎刑務所は担当刑務官もみんな優しい。
規則も厳しくなくとても過ごしやすかった。

晴香は毎月面会に来てくれた。
高速代がもったいないので一般道を片道4時間
かけて面会に来てくれた。

金属工場で務めていた時、雑居房で仲良くなった
Mという人物に私の連絡先を教えた。

Mは私より1年、先に出所した。

その後、Mは晴香と連絡を取りあうように
なった。

その頃から、晴香からの手紙が少しずつ減っていった。

私は気付いていなかった。

その先に待っている最悪の結末に