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ウネと喋り倒した翌朝

牽牛花の咲き具合を見に

玄関先に出ると

当直明けのジヒョンがいた

 

 

綺麗ねぇ

どうしたの?これ

 

 

ヨンのお母様が

届けてくれたの

 

 

まあ おば様が?

ウンスや

嫁として愛されているわね

 

 

うふふ

まだ嫁じゃないわよ

でも

うん 嬉しいわ

ジヒョンは今帰り?

 

 

ええ もうクタクタ

相変わらず人使いが荒いの

師長ったら

新人研修医だと思って〜

あれもこれも

いろいろやること満載

 

 

ぐったりした顔で

ジヒョンは答えた

 

 

研修医は修行の身だし

仕方ないよ

それにジヒョン

レジデントは

釜山の大学病院に

行くんでしょう?

今のうちに慣れた大学病院で

揉まれておくのもいいかもよ〜

 

 

人ごとだと思って〜

でもウンスには優しいよね?

あの師長・・・

 

 

そお?

 

 

そうよ

どうして?

私 

生意気に見えるかしら?

 

 

そんなことないわよ?

師長さん

ジヒョンを気にかけて

手放す前に

鍛えておこうという

親心じゃないの?

 

 

ウンスの

そういうポジティブなとこが

師長に気に入られる

秘訣なんだろうなぁ

まあ なんにしても

あと半年 私もここで

頑張らなくちゃ

釜山行きに関しては

ユハは未だに反対しているけど

これ以上離れ離れで

いたくないの

だから

なんと言われても

釜山に移住するわ

それで開院の準備も開始する

とりあえず今週末は釜山よ

 

 

そおなの?

 

 

うん 下見を兼ねて

行ってくるね

戻りは月曜の朝

日勤には間に合うように

スケジュールを組んだわ

 

 

気をつけて

 

 

ありがとう

ウンスは?

今日は当直?よね?

 

 

うん 

今日一日

フルでの勤務よ

もう少ししたら出勤する

 

 

そっか

行ってらっしゃい

そういえば

ウネ どうなった?

忙しくて会えてないのよ

見合いしたんでしょう?

 

 

うん

まずはお友達からって

ことみたいよ

 

 

それもいいかもね

ウネらしいかも

 

 

ジヒョンは微笑んで

ウンスの話に頷いた

 

 

ウンスとジヒョン

将来の目標は違うけれども

同じ女医として

切磋琢磨できる相手が

そばにいることは

幸せなことだとウンスは思った

昔から気心知れて

頼りにしているウネとは

また違ったタイプだが

ジヒョンとも 

この先ずっと

良き友でいられるだろう

 

 

行く支度しなくちゃ

じゃあ またね 

ジヒョン お疲れ様

 

 

またね ウンスや

 

 

ジヒョンが軽快に階段を

昇って行くのを見送って

ウンスはウネの部屋の玄関を

見つめた

同じように青い花が

綺麗に咲いている・・・

ウネは牽牛花が咲いたのを

見てから出勤しただろうか?

今朝は早く出ると言っていたが

ウンスが起きた頃には

隣室の気配はなかった・・・

 

 

毎日忙しいけど

ウネもジヒョンも私も

結構頑張っているわよね?

ねえ お花さん

さて 私も頑張ろ〜っと

 

 

ウンスは空に向かって

う〜〜〜ん

と 背伸びをして

自分に気合を入れた

 

 

 

 

 

チェヨンは担当の患者に

退院の日程を伝えるため

胸部外科の病室にいた

 

 

明日の血液検査の結果に

問題がなければ

明後日には退院予定です

 

 

チェヨンが伝えると

それまで不安そうな顔で

チェヨンを見つめていた患者は

ホッとした表情に変わった

 

 

先生

ありがとうございました

本当にお世話になりました

 

 

いえ 僕は何も・・・

でも退院したからと言って

無理は禁物ですよ

気持ちをおおらかに

ゆったりと過ごすこと

いいですね?

 

 

それが一番難しい・・・

でも ここに

舞い戻らないように

頑張ります

 

 

ほらまた〜

頑張らなくていいんですよ

ちゃんと休んでくださいね

ストレスも良くない

仕事の心配もあるでしょうが

今は自分をいたわらなくちゃ

 

 

そうですね

生かしてもらった命

大事にします

先生 色々

話を聞いてくれてありがとう

先生がいてくれて

心強かったよ

 

 

わがままで言いたい放題で

研修医や看護師のことを

見下すような態度を取り

ざんざん手こずらせた患者

その彼が

チェヨンに礼を言った

 

 

俺も医者として

成長しているだろうか?

 

 

病室を後にして

チェヨンは無性に

ウンスに会いたかった

会って話がしたかった

 

 

ウンスは午前の

外来診療が終わり

午後の開始時間までの

わずかな休憩タイムに

一階のカフェで

カフェラテと

サンドイッチを買い込んで

もしかしたら

チェヨンに会えるかも?

という下心ありありで

屋上に来ていた

 

夏の日差しが

まだまだ強いが

少しひんやりした風が

吹き抜けて心地よく

息抜きにはもってこいだ

 

同じことを考える人が

他にもいるようで

屋上には

ちらほら人影があった

置かれたベンチに腰掛けて

一息入れる

チェヨンの姿は

見当たらなかったが

たとえチェヨンに会えなくても

たまには

外でランチもいいもんだ

と ウンスはカフェラテを

飲もうととカップを持った

 

 

あれ?

 

 

持ったはずのカップが

手元から消えた

 

 

ウンスや

ここにいるかもと思った

会えてよかった

 

 

ウンスのカフェラテを

ゴクリと飲んで

チェヨンは笑った

 

 

ヨン!

なんだか嬉しそう

いいことあったの?

 

 

ああ

例の術後ケアを

担当している患者

退院日が決まったんだ

本人も喜んでた

 

 

そおなの?

よかった

ようやく一段落だね

患者さんもヨンも

 

 

そうだな・・・

なんだかホッとして

ホッとしたらウンスの顔

見たくなった

 

 

ウンスは隣に腰掛けた

チェヨンの肩に頭を乗せ

微笑んだ

 

 

私たちまだまだ

駆け出しだけど・・・

ヨンとこうして一緒に

医者としても

人としても成長して

行けたらいいな

 

 

そうだな

それにしても・・・

実際

顔を見たら欲が出た

ポッポしたい

 

 

え?

今?ここで?

それはちょっと〜

他の人もいるし・・・

 

 

ああ

わかってる

もし今ポッポしたら

次が欲しくなる

だから我慢する

 

 

チェヨンは少し

拗ねた口調で言い返す

 

 

でも 当直明けの

明日の朝なら・・・

いいよ

うち 来る?

 

 

奇遇だな

俺も同じこと考えてた

 

 

うふふ

一晩我慢だ

 

 

ああ 

長い一晩になりそうだが

 

 

ウンスとチェヨンは

顔を見合わせ微笑んだ

それから

サンドイッチを分け合って

軽い昼ごはんをすませると

それぞれの持ち場に

きりりとした顔で

戻って行った

 

 

この先も

医者として

男として

女として

様々な岐路で

悩んだり迷ったりしながら

チェヨンとウンスは

前を向いて

歩いていくことだろう

 

たとえ

どんなに仕事が忙しくても

たとえ いつも一緒に

いられなかったとしても

運命の

固い絆で結ばれた

チェヨンとウンスにとって

互いの存在が

これからの人生の

大きな力になるはず

 

 

今日よりも明日もっと

あなたを好きでいたい

今日よりも明日もっと

あなたと共に

 

 

 

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研修医チェヨンとウンスの

姿を追いかけた現代版

「牽牛花 견우화」を

お読みいただき

ありがとうございました

 

学生時代よりさらに

パワーアップした?

激甘の二人に

また会える日を楽しみに〜

おつきあいくださいね〜

 

週明けも安寧に

お過ごしくださいませ

 

(上記写真の朝顔 撮影haru)