王妃様たちが

客間に向かわれて

しばらくのち

ウンスは三つ子を

奥の間に連れて来て

敷物の上に寝転ばせていた

 

タンも一緒に転がっているから

四人の子供が床に転がる

その様子を目を細めて見ているのは

父親のチェヨンと

大叔母のチェ尚宮

どちらも人前では

決して見せないような

とろけるような顔をしていた

 

 

サンは今にもハイハイしそうね

ほふく前進が上手になったわ

 

 

そうだな

身が軽いからか

一番機敏だな

 

 

チェヨンは末息子のサンを

抱き上げると膝の上に乗せた

ぴょんぴょん膝の上で跳ねるサンに

チェヨンは驚いたような顔をする

 

 

また一段と

足腰がしっかりして来た

 

 

そお?

 

 

ウンスは次女のユニョンを

抱っこして微笑んだ

 

 

ユニョンは我慢強いっていうか

なんていうか

あんまり泣かないし

性格が鷹揚といているのよね

ついつい泣き虫スニョンの

影に隠れてしまいがちかも

 

 

一足遅れでやっと寝返りが

できるようになった姉のスニョンが

コロコロ転がる様を見守りながら

ウンスは妹ユニョンの頬に口づけて

微笑んだ

 

 

ユニョンも遠慮しないで

わがまま言っていいのよ

なんだかヘジャに

一番懐いているような気がして

さみしいわ

 

 

ウンスによく似た顔のユニョンは

三つ子の中で

ヘジャがひときわ目をかけている

赤ん坊

 

 

そんなものか?

 

 

チェヨンは笑った

 

 

うん 

うちの娘たちは独立心が

強いのかしらね?

母親よりヨンやヘジャに

懐いているもの

 

 

なんだ悋気か?

 

 

そうじゃないけど・・・

やっぱりそうかな?

 

 

タンはウンスの言葉に

つかつかとウンスに歩み寄ると

背中にしがみついた

 

 

タンはおんまぁが

いちばん よ〜〜

しゃんも よ〜〜

 

 

ほらな

俺の気持ちがわかるであろう?

タンとサンはウンスが一番

俺は少しさみしいぞ

 

 

うふふ

そっか・・・そんなもんね

 

 

あ?あっぱぁ・・・も

ネ〜〜〜

 

 

よい 

気を使って付け足すな

余計にがっかりだ

 

 

がっかり〜〜?

 

 

タンは笑って答えた

 

 

あうあうぁ〜

 

 

しゃんもあっぱぁ

ちょあ よ〜

 

 

通訳のタンがチェヨンに言った

 

 

そうか?

サンはそろそろ

歩き出すかもしれぬな

 

 

足の丈夫さに加えて

サンの身体能力の高さに

気づいているチェヨンは

ウンスに言った

 

 

えええ

まさか? 

そろそろ7ヶ月だけど

まだでしょう?

 

 

いや

あとひと月もすれば歩き出す

おすわりも上手にできそうだしな

 

 

そうかなぁ

こういうとこはヨンに似たのね〜

まさか

サンも雷功の使い手だったりして?

 

 

さあ サンに

どんな能力があるのか

今はまだわからぬが

赤ん坊はどの子も無限の力を

秘めているでものあろう?

 

 

そうね・・・

タンも素敵な力を持ってるし

 

 

タン?なに もってるの?

 

 

そうだねぇ

タンは人を癒す力を持っているよ

 

 

チェヨンとウンスの会話を

聞いていたチェ尚宮が

すかさず答えた

 

 

叔母様もそう思います?

 

 

ああ 

私はこの子はきっと

チェ家に そして

この国に安寧にもたらすために

生まれて来た子だと

思っているよ

 

 

まあ!

随分と高評価ですこと

 

 

ウンスは少し驚いたような

顔をして叔母を見た

チェヨンはそんなウンスに

笑いかけ

それからタンに語りかけた

 

 

タンはタンの進む道を

心の赴くままに

選んでゆけばよいぞ

 

 

チェヨンはサンを床に下ろすと

ウンスにしがみついている

タンを無理やり剥がし

高く抱き上げた

 

 

あっぱぁ?

 

 

タンを応援してくれる人も

味方も大勢いるはず

澄んだ瞳で世の中を見つめ

清廉潔白に生きればそれでよい

 

 

あっぱぁ

いたい〜〜

 

 

ジョリジョリと伸びた髭が

頬に触れたのか

タンはイヤイヤをして

ジタバタしている

チェ尚宮はタンの将来について

甥が息子にかけた言葉を

感慨深く聞いていた

 

 

そうだね

ヨンの言うとおり

かもしれないね・・・

 

 

王様と王妃様が

客間で話をしている間

チェ家の奥の間は家族団欒

そこへヘジャが

今日 何度目かの客人を

知らせに来た

 

 

奥様

内官様と侍医様と

イサ様とお見えです

 

 

あら 意外に早かったわね

 

 

ドチ殿はわかるが

ん?なぜに侍医?

イサが連れて来たのか?

 

 

ええ イサは往診が終わって

屋敷に戻って来たんだけど

ひとっ走り

典医寺に行ってもらって

チェ先生を

呼んで来てもらったのよ

 

 

どうかしたのだ?

まさか イムジャの具合が?

 

 

違う違う

ちょっと・・・

チェ先生に診てもらいたいことが

あったのよ

 

 

なんと?

ウンスや

そのようなこと一言も

言ってなかったではないか

子供らがどこか悪いのか?

 

 

チェ尚宮が慌てたような

顔をして尋ねる

ウンスは曖昧に笑った

そこへヘジャに連れられ

内官アン・ドチとチェ侍医が

顔を揃える

 

 

イサ お使いありがとう

ごめんなさいね

チェ先生

明日まで待てなかったのよ

 

 

いえいえ

いつでもお呼びください

喜んで馳せ参じます

 

 

喜ばんでいい!

 

 

横からチェヨンがむぅと

口を挟む

 

 

もうヨンったら

 

 

ウンスは苦笑した

 

 

お子様たちもお健やかな

ご様子ですね

 

 

ええ おかげさまで

それより

そろそろいいかなぁ?

 

 

ウンスは頃合いを

見計らうように言って

アン・ドチにウインクすると

チェ侍医を伴い客間に向かった

 

 

ちょっといいですかぁ?

王様・・・

 

 

医仙か?

どうしたのじゃ?

 

 

開けますよ〜

 

 

ウンスは扉をそおっと開けた

二人が寄り添って

手を握り合っている姿に

ウンスは笑みがこぼれた

 

 

仲直り できたんですね

よかった・・・

王様 これからはもっともっと

王妃様をいたわってあげて

くださいね

 

 

もちろん

そのつもりじゃが・・・

何故?

 

 

うふふ

チェ先生お願いします

 

 

はい

では失礼して

 

 

チェ侍医は王妃様の手首を掴んだ

不思議そうに首を傾げる王妃様

 

 

妾はどこも悪くはないぞ

どうしたのです?姉様?

 

 

最近気分が塞ぎがちで

感情の上げ下げが多く

イライラしたり

疲れやすかったり

ものすごく眠たかったり

少し気分も優れないのでは?

前回の回診の時も

そのようなことおっしゃられて

いましたよね?

 

 

そうじゃ

 

 

普段は気にならない

王様の噂を気にして見たり

悲しくなったり

感情を持て余している

 

 

 

 

どお?チェ先生

 

 

いかにも

間違いございません

ご懐妊でございます

まだ微弱な脈ですが

確かにその兆しが・・・

 

 

やっぱり〜

そうだと思った

さっきね

お風呂上がりの王妃様に

手のマッサージ

えっと指圧をしたのよ

ゆったりしてもらいたくて

その時感じた脈が

妊娠の兆しの脈の気がして

でも自信が持てなくて

それで無理を言って

チェ先生にも来てもらった

ってわけ

 

 

王様と王妃様は

なんのことか

わけがわからず

キョトンとした顔で

まくしたてるように話している

ウンスを見つめた

 

 

あのぅ?姉様?

 

 

三人目のお子様が

お腹に・・・

おめでとうございます

王様 王妃様

叔母様やドチさんが

泣いて喜ぶわね〜

早く知らせてあげなくちゃ

 

 

ウンスは急ぎ

部屋を出て行こうとした

 

 

それはまことか・・・?医仙?

 

 

王様は

信じられないと言った表情で

ウンスを呼び止める

 

 

ええ 

チェ先生も確認してくれたし

間違いないです

よかったですね〜

これからはもっともっと

王妃様を

大事にしなくちゃダメですよ

王様!

 

 

弾む足取りを隠しきれず

ウンスは部屋を飛び出し

チェヨンたちが待つ奥の間へ

走って行った

 

 

ここに・・・赤子が?

妾がまた?子を?

 

 

めでたい

めでたいぞ

王妃

 

 

我に返った王様が

王妃様の手を握る

その手にうんと力が入り

思わず王妃様を抱きしめた

王妃様は嬉しそうに

腕の中で目を閉じた・・・

 

 

このところの暑さで

天界のカムジャの蕾は

すっかり膨らんで

もうすぐ

花を咲かせることだろう

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

毎日あなたに恋しちゃって

ありえないような

幸せに包まれている

 

 

 

☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*

 

 

なんと!王妃様ご懐妊クラッカー 

よかったですね〜 王妃様

 

 

皆様

安寧にお過ごしくださいね〜

またおつきあいくださいませダウン

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