いっ イムジャ
これ以上煽るな
耐えられん
 
 
そう・・・仕向け
てるのは
ヨ・・・ン
で・・・しょう?
 
 
ウンスは息も途切れ途切れに
チェヨンに言い返す
 
息子のタンは寝つきが良くて
赤ん坊の寝台の上でぐっすり寝ていた
時折 目を開けているような
気もしたが
これくらいの月齢の赤ん坊は
まだ遠くは良く見えない
 
ウンスはタンのことをしばし忘れ
月明かりに浮かぶ
チェヨンのたくましい体つきに
見惚れ 酔いしれていた
 
 
ねえ
そろそろお乳の時間よ
もう終いにしないと・・・
 
 
それはならぬ
今からがいいところ
 
 
えええ
もう無理 
無理だよ〜〜
 
 
じゃれ合っているとしか
思えない二人の戯れ
 
ところがチェヨンが突然
ウンスの口に手を当てて
その鳴き声をさえぎった
 
 
うぐぐっ ひょん(ヨン)?
 
 
しっ 静かに
 
 
チェヨンはウンスを見つめながら
声を荒げた
 
 
そこにいるのはチソンか?
何用だ?
ここまで入って来るとはいい度胸
場合によっては容赦しないぞ
 
 
す すみません 隊長
えっと・・・
お邪魔するつもりは・・・
でも火急の用向きで
どうしても・・・
 
 
へジャ
へジャはおらぬか?
 
 
はい旦那様
 
 
なぜ取り次ぐのだ!!
誰も通すなと言うたであろう
やっと徳興君が帰って
これからと言う時に
 
 
すみません 旦那様
ですがチソンさんはすばしっこくて
へジャが止めるのも聞かずに
さっさと寝所に・・・
へジャはお手上げです
 
 
ヘジャは困ったように
言い訳をした
 
 
隊長
まずは話を聞いてください
そこから出てきてくださいよ
 
 
ヨン
行って話を聞いてあげて
私は少し寝て
体力回復しておくから
ね?
 
 
あ?ああ
体力回復か?
それもそうだな
 
 
うん・・・
 
 
チェヨンはウンスの胸の
先にそっと口付けると
上着を羽織り
渋々寝所を後にした
 
ふぅ〜〜〜
ウンスは深呼吸を繰り返し
目を閉じる
体がジンジンしていた
本気で少し眠らないと
体力の限界だ
チェヨンが都から戻った昨夜から
ちっとも寝ていないのだから
 
 
そろそろ徳興君様は
お屋敷に着いたかしら?
 
 
ふと
元に人質として渡る
徳興君のことを思い出した
いい人だった
いい人すぎるくらいに・・・
もしあの時夫婦になっていても
きっと幸せにしてくれただろう
 
だが
どうしても愛せなかった
チェヨンに対する
恋焦がれる気持ちを
徳興君には
一度も感じたことがない
それでも
チェヨンとは違った形で
守ろうとしてくれた徳興君
 
 
どうぞどこにいても
お幸せでいてください
 
 
うつらうつらする意識の中で
ウンスは祈った
それから深い眠りにつこうと
した
 
 
その刹那
 
 
あん?なんだと!!
それはどう言うことだ!
事と次第によっては看過できぬ
 
 
チェヨンの怒鳴り声が聞こえ
ウンスは再び夢から覚めた
 
 
どうしたんだろう?
ヨンの怒鳴り声なんて
珍しい
 
 
ウンスは寝衣に袖を通し
部屋を出ようとしたが
気配に気づいたチェヨンが
扉の前でウンスに言った
 
 
イムジャ
ちと出かけて来る
心配いらぬ
ゆっくり休んでろ
 
 
ええっ
待って・・・お見送り
する
待って ヨン
 
 
チソンを先に行かせたチェヨンは
寝所の扉を開け
ウンスを抱きしめた
 
 
都へ行って来る
確かめねばならぬことがあるのだ
今宵は戻れぬ
暖かくして眠ってろ
 
 
昨晩
帰ってきたばかりなのに
また
いなくなる・・・
ウンスは寂しい気持ちをこらえた
 
 
はい
じゃあ 寝て待ってるわ
でも
できるだけ早く帰ってきて
 
 
ああ
帰ってきたら褒美の続きだ
良いな?
 
 
うん・・・
 
 
チェヨンはそれから
へジャに留守中を頼み
テマンを叩き起こすと
都へ向かう支度を命じた
 
すでに庭先には
チソンとともに他の四人
インテ シンス
ウィソン イェジュンがいて
チェヨンが出て来るのを待っている
 
 
待たせたな
 
 
胸元がはだけ
色香漂うチェヨンの姿に
一番若い青年のイェジュンが
顔を赤くして俯いている
 
 
お休みのところすみませぬ
ですが
早急にお耳に入れた方が良いと
判断しまして
 
 
年長のインテがチェヨンに言った
 
 
ああ それにしても解せぬ
何があったのだ?
 
 
はっ
俺 いただいた禄を
有効に使おうと思って
今夜都へ行ったんです
 
 
どうせ妓楼に行ったんだろ?
まったくお前と来たら!
 
 
ウィソンが呆れ顔で言い返す
 
 
ああ そうだ
そのつもりだった
だが そのおかげで
いち早く情報を知ったんだぞ
 
 
チソンが言うには
 
 
妓楼へ向かう先で
「赤月隊大盗賊極悪非道」
と書かれた
赤い紙が空から大量に降り
都中にばらまかれた
 
 
目を疑ったよ
富も名誉も欲しがらず
だけど
命をかけて都や王宮や
この国の安寧を守っている俺たち
赤月隊がだぞ
盗賊!盗人!
極悪非道って
どう言うことだ?
紙がばらまかれた途端
おかしな噂が
まことしやかに聞こえて来たんだ
赤月隊は
王宮の重臣の屋敷に忍び込んでは
財の持ち逃げを繰り返している
盗人集団で
とうとう昨日は
殺しまでしたようだって・・・
 
 
そんな馬鹿な!
昨夜の捕り物はちゃんと
罪人を
ウダルチに渡しだぞ
 
 
冷静なインテが眉間にしわを寄せ
怒りの表情で声を荒げた
 
 
ではウダルチに
裏切り者がいると言うことか?
 
 
チェヨンの冷静な声が
逆に事態の深刻さを物語る
 
 
どちらにしても調べねばならぬ
影は影のやり方で
俺たちを陥れようとしている奴らを
一網打尽に!
 
 
はっ 隊長!
 
 
寝所で
ウンスと一緒に見ていた半月が
まだボルムタル村の上空にあった
 
 
*******
 
 
『今日よりも明日もっと』
たとえ何があろうと
帰る場所はあなたのところ
月の光に誘われて
すぐにあなたに会いたくなる
 
 
 
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
 
 
おはようございます
日曜日になりました
ひみ恋の次の更新は
明日
月曜日を予定しています
 
さてこの後は 
現代版のお話
「アドベントカレンダー」
1と2をお届けいたします
ちょっとボリューミーかも(^▽^;)
すみませぬ〜〜
 
おつきあいいただけたら
嬉しいです

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