診療室の窓から
チェヨンとイサが見え
ウンスは診察の合間に
駆け寄った
 
 
あれ?ヨン
まだいたのね
 
 
イムジャこそ
まだ王妃様の所へは
行かぬのか?
 
 
いつもなら
坤成殿にいる時刻
典医寺にウンスがいて
驚いた顔でチェヨンが尋ねた
 
 
ええ チェ先生が
仮眠を取る間
患者さんを診察しようと
思って
ほら 今 咳や喉の痛みを
訴える患者さんが多いから
今日も診療室は満員御礼よ
 
 
町医者では手に負えない
重症患者は勿論だが
高官や兵士
それにその家族も
典医寺に通って来る
 
 
チェ先生は寝た?
 
 
ああ 少し横になると
 
 
よかった・・・
じゃあ 私診察に戻るわね
イサの顔色がよくなって
よかったわ
ヨンと話が出来たのね
 
 
ウンスはイサに微笑んだ
 
 
はい 医仙様


オ先生の手伝いに回ってね
どこもかしこも
人手不足みたい


はい   
と   イサは頷いた
 
 
イムジャ・・・


チェヨンは立ち去る
ウンスを引き止め
手を握りながら話を始めた
 
 
なに?
 
 
昨夜 
王宮に忍び込んだ者は
イサの知り合いであった
 
 
ウンスは少し目を見開いて
それから 
何事もなかったような 
顔をした
 
 
そうなんだ でも
昔の仲間よ
イサはもう典医寺の仲間
だもの


ウンスはこともなげに
答えた
 
 
そうだな
 
 
うん
 
 
だがな
奴らはどうも
イサを諦めきれず
イサをおびき出すためか?
イムジャとタンに狙いを
定めているようだ
イサも心配しておる
すぐに警備を増員するゆえ
勝手に動いてはならぬぞ
 
 
タンを?
 
 
ウンスの表情が強張った
 
 
ああ だが
ジュヒもおるし
叔母上が寄越した
武閣氏もおるゆえ
案ずるな
念のため 今から
育児室のジュヒにも
仔細を伝えにいくゆえ
イムジャは診療室へ
戻っておれ
侍医もすぐに来るであろうし
 
 
うん
 
 
坤成殿には俺もついて行く
一人ではいくな
よいな
 
 
うん
 
 
心配そうなイサに
ウンスは言った
 
 
大丈夫よ イサ
この人がついてるもの
心配ないわ
 
 
そこへ集賢殿から急ぎ
チェヨンのもとへ向かった
チュンソクが顔を見せ
チェヨンは驚いたような
顔をして尋ねた
 
 
チュンソク 如何した?
 
 
はっ
取り急ぎ
お知らせしたいことが
インギュ殿は小賢しい策だと
申しておりましたが
何やら胸騒ぎが致しまして
 
 
前置きはよいから
早く申さぬか
 
 
はっ それが
 
 
チュンソクが
言いかけた時だった
刑部(ヒョンブ)の役人が
どやどやと典医寺に
入って来るや否や
ウンスに言った
 
 
チェ侍医を
刑部までご同行いただく
ご許可を
 
 
え?チェ先生?
 
 
はい
それからそこの少年も
 
 
え?
 
 
ウンスはチェヨンを見た
チェヨンはチュンソクを
見る
 
このことか?
お前が来たわけは?
 
はっ 言いがかりで
典医寺と上護軍を揺さぶるのが
狙いだろうと
 
二人は目配せで会話をする
 
 
仮眠していたチェ侍医は
すでにヒョンブの役人により
部屋から連れ出され
腕を掴まれていた
ウンスが駆け寄ろうとすると
チェ侍医は首を振って
口を動かした
 
 
大丈夫です 医仙様
お役人殿
この者はまだ子供
私が話を伺いましょう
濡れ衣などすぐに晴れますゆえ
医仙様は
いつも通り
王妃様のところへ
お向かいください


チェ侍医がそう言うと


そうはいきません
侍医様
この少年に聞きたいことが
あるのです
倭冦の一味ではないかと
嫌疑がかかっておるのです
 
 
役人は言った
 
 
な 何をいうのよ
どこにそんな証拠が?
 
 
チェヨンが抑えても
ウンスは食って掛かる勢いで
役人を睨みつけた
 
 
倭国の言葉を話し
怪し気な男と会っておったと
密告がありました
 
 
役人はウンスに伝えた
 
 
わ 倭国の言葉?
それで倭冦の疑いなら
私もそうよ
倭国の言葉ぐらい話せる
おはようございます
こんにちは
いくらですか?
えっと・・・それから
いろいろよ
それに医学書で必要だから
少し教えたの
何か文句あるわけ?
 
 
イムジャ よさぬか
 
 
だって ヨン
 
 
とにかくヒョンブで
詮議致します
訴えがあった以上
見過ごすわけには行きません
これもお役目にございます
 
 
押し問答の末
チェ侍医とイサは
刑部に
連れていかれることとなった
その時
育児室の方から悲鳴が
あがり


何奴!


物音と怒号が聞こえた


タン!
ヨン  タンが


顔が真っ青になり
今にも倒れこみそうな
ウンスを抱きかかえ
それから武閣氏に預けると
チェヨンは素早く
飛び出して行く

ひと足先に
イサが疾風の如く
駆け出して行くのが見えた
 
 
*******
 
 
『今日よりも明日もっと』
大切な人を守るためなら
惜しいものなど
何もない

 
 
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
 

心臓に悪い!

m(_ _ )m  すみませぬ

もう少し
おつきあいくださいませ
 
 

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