坤成殿に行っていたはずの
チェヨンが急に兵舎に戻り
自室にこもってから
一時以上が過ぎていた


どうしたんでしょうね?


トクマンが震えながら
チュンソクに聞いた


さあな
よくはわからんが
あまりよいことではなさそうだ
随分と
険しいお顔をされていたゆえ


そうですよねぇ


チュンソクは
昨日の件と関わりが
あると感づいていたが
そのことについては
一切他言無用と言われていたから
今はことの成り行きを
見守るしかできなかった


大護軍 
医仙様と喧嘩されたとか
だから機嫌が悪いのかな?


トクマンが再び口を開く


お前は余計なことを考えずに
新人教育をしっかりしていろ
手を抜いたらそれこそ
大護軍の雷が落ちて来るぞ


トクマンはチュンソクに言われ
鬼稽古を思い浮かべて
ぶるると震えると
広場へと向かった


ウンスは王妃様が
落ち着かれるのを待って
邸に戻った

先ほど王様から伺った話しを
にわかに信じることが出来ず
まだ頭の中が混乱している
それなのに
身重の王妃様の方が毅然とした
態度だったと ため息が出た


主治医失格だわ


落ち込むウンスに
タンの子守りを頼んでいた
ジュヒが言った


大丈夫ですか?


ええ 大丈夫よ
タンは いい子にしてた?
さあ お乳の時間よ


ウンスはジュヒから
少し泣き顔のタンを受取ると
乳を含ませた


タンのお守は
ポムしかだめかと思っていたけど
ジュヒにも
大人しく抱っこされてるようで
安心したわ
ヒョンジュのお乳は この子
一度も飲んだことがないのよ
誰に似たのか 頑固なの


タンのおでこや頬をなでながら
ウンスは幸せそうに
そう言った
ジュヒが二人を見て微笑んだ
それから
ウンスはまたすぐに難しい顔つきに
戻って言った


それにしても
もしもジュヒから
この件を知らせてもらって
なかったら
王様もうちの人も
事態を知ることもなくて
どうなっていたのかしら?


ウンスはまた
ため息をついた


ですが
差し出がましいことを
したんじゃないかと
気になっていたんです
知られないままの方が
いいこともありますから


ジュヒはトルベの生家に
秘密にしている息子を想い
俯いた


ううん 
そんなことないわ
やっぱり 本当のことは
知っていた方がいい
これからのことを
考えられるもの
それにね そのおかげで
今 こうしてあなたにも
会えているんだし


けれども
私もまさか
あのお方がすでに
子をはらんでいるとは
思いもよらず
ただ
想いを寄せているだけだと
ばかり・・・


そうよね
たしか相手の女の人は
あの辺りの役人の
お嬢さんだとか?


はい お綺麗で
お優しくて
どことなく・・・


ジュヒはそう言ってから
言葉の続きをためらった
ウンスはさして
気に留める様子もなく
話しを続けた


うちの人がね
時を超えても変わらぬ想いも
あるって言ってたけど
その女の人はどうなのかしら?
本当に王族の一員に
なることを望んでいるのかしら
私にも答えが分からないのよ


そうですねぇ
ただ 母子は離れるべきでは
ないと・・・
それだけは思いますよ


ジュヒは実感を込めて
ウンスに言った


そうよねぇ
難しい問題だわ
ヨンの口が重かったのも
頷ける
ジュヒもチュンソクさんに
知らせるまで
思い悩んだでしょう?


はい そりゃあ もちろん
お役人様のお屋敷で
偶然 見かけた時は
どれだけ肝を冷やしたことか
忘れたくても忘れられない顔
ですから・・・
間違いであって欲しいと
どれだけ思ったか
それに 王宮を離れた私が
このようなことを知らせても
いいものかと 悩みもしました
でも 捨て置くことはできなくて
チュンソク隊長にご相談を


うん それでいいのよ
それにしても
ウダルチは皆 忠誠心に溢れて
口が堅いのね
私もまんまとだまされていたわ
チュンソクさんがジュヒの村に
偵察に行ったのは聞いてたけど
本当に倭冦討伐のためだと
思っていたもの


ああ それが
周りを納得させるには
一番無難かと思ったもので・・・
口裏を合わせて・・・
すみません 医仙様


ジュヒはますます小さくなって
頭を下げた


顔を上げて頂戴
ジュヒがその場にいてくれて
よかったと思っているのよ
それにね
それがきっかけで
こうしてまた
戻って来てくれたこと
ほんとにうれしいのよ


ウンスはジュヒに笑いかけ
乳を飲み終わった
タンをあやしながら言った


それにしても
本当に厄介な問題だわ
王妃様が気丈なのが何よりの
救いだけど・・・
まったく!
その女の人にも
一度会ってみなくちゃ


肩の上で眠ってしまった
愛しい我が子を
そっと寝台に寝かしつけて
ウンスはぶつぶつと言った


やっぱり今夜もお預け
とてもそんな気になれない


大きくため息をついた


*******


『今日よりも明日もっと』
事実がすべてとは限らない
事実が真実とも限らない



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


頭の中でからまる糸
いったい 何が?
どうなっているの?ヽ(;´Д`)ノ

糸が少しずつ
ほぐれ始めたような?
さらにからまり始めたような?

「目が点劇場」に 目
おつき合いくださいませ


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