半分の月が西の空に
綺麗に見えた

椅子に座ってご機嫌のタンは
チェヨンとウンスが
仲良く夕餉を食べる様子を
きらきらしたまん丸の瞳で
じっと見つめていた
いつもは寝台に寝かされるか
ウンスが抱いているか
だが今宵は椅子に座って
一人前の顔をしている
チェヨンはそんなタンを
うれしそうに見た


母上のかすかな記憶が蘇る
チェヨンがこの椅子に座り
食事をする様を
眺めては
微笑んでいたような記憶
もしかしたらそれは
夢で見た記憶なのかもしれない
チェヨンは思った


だいぶ大きくなっても
ヨンは使ってたって
ソンオクが言ってたわ


そうであろう?
おぼろげに覚えておる
まさか息子が使う日が
くるとはな


ほんとね
お父様にご報告しなくちゃ


ああ


丁寧に細かいところまで
細工がしてあった
役目に忙しい父が
どれだけ心を砕いてくれたか
親になって初めて
ひしひしと感じた

父上や母上が注いでくれた
気持ちのように
タンを慈しんでいるで
あろうか?
タンがチェヨンを見て


あう   ああ    う~~


小さな口を尖らせながら
何やら懸命に話しをする姿に
笑みがこぼれた


うふふ
いい顔して
タンを見るのね
ちょっと妬けちゃうわ


ウンスはチェヨンと
タンの頬に
代わる代わるに
口づけをして笑った


そうか?


チェヨンはウンスを見た


うん


さて飯も食ったし
風呂に行くとするか


照れ隠しに
話題を変えた


うん
タン   お風呂にしよう
父上が入れてくれるって


おい    イムジャ
俺の背中を流す約束は?


タンのお風呂が
終わってから
行くわ


なんだかのぼせそうだ
と言っていたチェヨンだが
ウンスが
脱衣場から様子を伺うと
楽しそうな声が聞こえた


この屋敷の
居心地はどうだ?


あ   ああ    あう


そうか   良いか
日頃の分まで
母上にたくさん甘えておるか?


ああ   あう~


母上の乳をたくさん飲んで
早う大きゅうなれよ


タンは
大きな手でゴシゴシと
首回りを洗われて
ちょっと迷惑そうな顔をする
手足や背中
身体を念入りに
ゴシゴシゴシゴシ
最後に綺麗に顔を
手ぬぐいで拭くと
チェヨンがウンスを呼んだ


イムジャ!
タンが上がるぞ


はーい


ウンスはタンを受け取ると
冷えないように
お包みで覆って
急いで雫を拭き取った
さっぱりした肌着に
着替えさせて
乳を含ませてから
ヘジャを呼んだ


ヘジャ
タンをお願い
旦那様の背中を流したら
すぐに行くから


はい   奥様
ヘジャにお任せを


タンはヘジャに連れられ
オンドル(床暖房)で暖かい
奥の間の敷物の上に
寝かされた
足をつかんで遊んだり
指をなめて遊んだり
上手に一人遊びをして
ご機嫌に過ごしている


湯殿では
衣を脱ぎ捨てたウンスが
声をかける


入るわよ


ああ


湯気がふわふわ揺れて
すっとした立ち姿の
ウンスが少し恥ずかしそうに
湯殿に足を踏み入れた
からだが揺れる

ウンスは
チェヨンの後ろに
膝立ちをして
大きな背中を
泡立てた特製石鹸で
優しくゆっくり手を滑らせて
洗い始めた


イムジャ
明日は休みを貰った


ほんと!
やだ   早く教えてよ


どこか行くか?


それもいいわね
でも
屋敷でのんびりするのも
捨てがたいわ


うれしそうに言って
流し終わった背中に
ウンスは
そっとからだを寄せた
大きな安心する背中だ

柔らかな膨らみを
背中に感じ
チェヨンは一気に心拍が
上がる


イムジャ


からだをよじると
堪えきれずに
ウンスの腕を引いて
膝の上に乗せたチェヨンに
ウンスは
口づけをして言った


タンが待ってるわ
先に上がって
寝かしつけていて
私もすぐに行くから


なんだか
先ほどからお預けばかりだ


逃げやしないわよ


ふふっと笑う


イムジャが上がるまで
待っておる


子供みたいね


ああ   悪いか


うふふ   じゃあ  
急いで洗うわ


俺がやろうか?


いやよ   ヨンは
悪ふざけが過ぎるもの
出られなくなるわ


洗い場にいるウンスを
湯船の中から
チェヨンはじっと見つめた

ずっと変わらず美しい
長い髪も
白く小さな背中も
くびれた腰も
長い手足も


なあに?
なんだか
視線を感じるんだけど


い  いや
別に


見惚れていたとは
気恥ずかしくて
言えずに誤魔化した


さて   
湯船に浸かってから
上がろうかな
ヨンは先に上がって
いいわよ
湯船   狭いんだから
悪ふざけはなし
なしよ
もう   チェヨン!
なしだってば~~


ウンスの甘い声が
湯殿に反響している


待ちくたびれた
タンは
くうくう寝てしまい
ヘジャがふっと呟いた


やはり
こんなことではないかと


しばらくして
慌ててタンのもとへ
駆けてくる
ふたりの足音が聞こえた


タン   お待たせ


タンが寝入ったのを見て
声を潜めた


寝ちゃったのね


くたりとしたタンを
ウンスは抱き上げ
チェヨンとともに
閨に向かった


ヘジャ   おやすみ
また明日


はい   
おやすみなさいませ


ウンスとタンを見つめる
チェヨンの眼差しが
限りなく優しくて
ヘジャはなんだか
暖かな気持ちで
奥の間を後にした


緩やかに夜は更けていく


*******


『今日よりも明日もっと』
手の中の幸せを
ふたりで慈しみ育てていく



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


昨日はホワイトデー
何かいいことは
ありましたか?
haruは普通の一日(^▽^;)
ありゃりゃ
ヨンに
癒してもらわねば(///∇//)

そして
ホワイトデー企画を
立ち上げたいと思いながら
準備不足で断念!残念!
またいずれ
機会がありましたら~~


櫻月を徒然に紡いでおります
また
おつきあいくださいませ


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