高麗で一番安全な場所に
お連れします


そう言ったチェヨンの顔が
いたずらっ子のように見えた 
いつのまにか後ろにテマンが
控えている


誰もおらぬか?


イェ テジャン


ウンスを
軽々と抱き上げたチェヨンは
移動を開始した


何も考えない
今宵あなたとともに
居られるのなら


ウンスはチェヨンの首に
腕を回してしがみつき
ふたたび目を閉じた
テマンが手引きをして
窓から密やかに何処かに
侵入した

覚えのある部屋の匂い
暗がりの中
静かに目を開けた

ウダルチの兵舎
ウンスはチェヨンの部屋の
固い寝台の上に座らされた


え?テジャンの部屋?


はい ここが一番安全です


そんな!
直ぐに見つかるわ
それにウダルチのみんなに
迷惑がかかる


ウダルチの結束を
甘く見てもらっては困ります
口は堅く 心は一つ
イムジャのため
俺のために
みな喜んで力になりましょう
だが 今回の件で
みすみす犬死はさせられぬ
ゆえに イムジャをここへ
連れて来たことは内密
テマン以外
皆には伏せてあります


もちろん 
チェヨンもテマンも
皆がウンスのことに
気がついていることは
分かっていた
よそ者の侵入をそう易々と
許すような
間抜けなウダルチでない 
だが敢えて見て見ぬ振りを
決め込んでくれたことも
分かっていた
そして チェヨンはウンスを
安心させる為に続けて言った


ご心配召されるな
責任を問われるのは
この俺一人で十分だ
なれど イムジャを残して
逝くことなどあり得ぬ


チェヨンは強い口調で言った


あたりまえじゃない
どうするつもりなの?
チェ尚宮の叔母様が
王族との結婚を破棄したら
謀反人として処刑されるって
言ってたわ
私はどうなっても構わないわ
でも私のせいであなたが
傷つくのは嫌なの


ウンスは隣に腰掛けた
チェヨンの背中に腕を回すと
ぎゅっと抱きついた


大丈夫だ


チェヨンは言った


日が昇る前にここを発ちます
とにかく都を出ねば
イムジにはいらぬ苦労をかける
ことになるが・・・


あなたがいればいいって
そう言ったでしょう?
苦労?上等じゃない
ソウルからここへ来て
いっぱい大変な思いもしたけど
あなたがいてくれたから
いつだって乗り越えられた
二度とあなたに会えないなんて
そんなの死んだも同じよ
あなたが罪に問われるなら
私も一緒にその罪を背負うわ


うるうるとした瞳で
ウンスが言う


イムジャ・・・
イムジャはいつも
俺を心配してくれる
泣くのも笑うのも俺の為
俺を守ろうとする
自分のことよりまず俺のこと
そんなイムジャが
俺は愛しくてならんのです


チェヨン・・・


俺が一生お守りします
だから
俺のそばに居てくれないか


ウンスの目には
大粒の涙が溜まっていた


私のお守は大変よ


承知の上です
そばに居てくれるなら
もう決して
死ぬまでイムジャを離しませぬ
だから・・・


ウンスはチェヨンの言葉が
終わらぬうちに
唇に唇を重ね 呟いた


もう 離れない
わたしをあなたの
ものにして


月明かりだけが
部屋の二人を照らしている
チェヨンがウンスを
抱きしめた


俺の・・・
ものに なる・・・と


ウンスが頷いた
吸い付くように
チェヨンがウンスの唇を奪い
ゆっくりとふたりが
寝台の上に横になり
ウンスが目を閉じた

そのとき ウンスのお腹が
きゅるると鳴った


チェヨンが頬を緩め
ウンスに言った


イムジャ
あなたと言うお方は


ご ごめんなさい
私ったら色気も何も
あったもんじゃないわね
だってあなたに
二度と会えないって言われて
苦しくて
そう言えば何も食べてないの
安心したら そのう
すっかり お腹が減って


テマンに何か持って
来させましょう


チェヨンはくすっと笑うと
扉から顔を出し
テマンに指示をした すると
テマンはすぐに食べ物を見繕い
ウンスの元には ほかほかとした
饅頭が届けられた


両手に頬張るウンスを
優しく見つめるチェヨン


そんなに慌てずとも
なくなりはせぬ


だ だって
待たせてるから・・・


何を?


聞いてからチェヨンの頬が
赤らんだ
心臓がどくどくと音を立てる


饅頭を食すくらいの間
どうということはない
ほら そんなに慌てると
喉が詰まりますよ


げぼっげぼっと
ウンスがむせると
その背中を優しくなでた


まったく イムジャと来たら
危なっかしくて目が離せぬ


危ないから?
目が離せないの?


饅頭を食べ終わって
ウンスは丸い目をして
チェヨンに聞いた


急にチェヨンはウンスの口元を
舌でぺろりと舐めた
ぞくぞくっとして思わず
小さな声があがった


な なに?


饅頭が付いておりましたゆえ


あ!そう言えば
あなたの分も食べちゃった?
お腹空いたんじゃない?


いい食べっぷりでした
見ているだけで腹が
満たされるような


ごめんなさい
つい 美味しくて


よいのです
俺はこれから
もっとうまいものを
いただきますゆえ


・・・


先ほどの問いだが


え?


イムジャだから
目が離せぬ
いや イムジャから
目を離そうとしても
出来ぬのです
イムジャがいなければ
俺は息が出来ぬ
生きてはゆけぬ


ヨン・・・


ウンスは甘えるように
チェヨンを呼んだ


さて 
腹も満たしたことですし
夜が明けるにはまだ早い


チェヨンはウンスに
にじり寄り
その影は一つになって
ゆっくりと寝台に
倒れ込んで行った


*******


『今日よりも明日もっと』
一生 守りあって
支えあって愛し合って
生きて行きたい



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


ミノ来日記念 (〃∇〃)
生ヨンがトークコンサートで
言ったセリフを交え
ドラマのシーン満載の
haru 色仕様で
お話をお届けいたしました
ミノロスの皆様にも
お楽しみいただけますように

そして いよいよ 
クライマックス?
本編ともドラマとも全く違う
展開に!なるかも? σ(^_^;)

また
おつき合いくださいませ



にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村