ポム
ポム

腕の中で揺られて
チュンソク様が呼ぶ
優しい声を聞いていた

チュンソク様の胸の中

サラさんが脈を診てくれる

大丈夫です
話をする声が聞こえた

心配そうな医仙様を
ちらっと見た

本当は意識があったけど
恥ずかしくて
目を開けられない

どうしよう
まさか
チュンソク様が
いらっしゃるなんて!

ポムも医仙様みたく
一緒に温泉に入るの?
一緒のお布団で寝るの?

心臓の音
鳴り止め~
チュンソク様に聞こえちゃう


泣きそうになりながら
ポムが言った


無理!


心の中で唱えたはずなのに
口に出していた


何が無理だ?


どうしよう
聞かれちゃった
ますます目が
開けられない


ポムはぎゅっと
目を閉じた


ウンスはポムの
あまりに過敏な反応に
この旅行を少し
後悔していた

驚かせようとは思ったけど
気絶するとは思わなかった

どうしよう?

チェヨンを見つめた

チェヨンは面白そうな顔で
チュンソクとポムを
眺めていたが
ウンスの
青ざめた顔を見て


大丈夫だ
心配いらぬ


ぎゅっと手を握りしめた
それからチュンソクに
声をかけた


チュンソク


はっ


離れで嫁御を休ませよ
落ち着いたら
戻って参れ


は    はあ


チェヨンが行けと
顎をわずかに動かした
この方に逆らう術を
チュンソクは
持ち合わせていない

目を開けないポムを
そのまま
抱き上げて
宿屋の女主人に
案内されるまま
離れへと向かった

ウンスが
ほっとしたように


チェ先生やトギが
来るまでまだ時間があるわ
サラもヨンファは
部屋で休む?
それとも   お風呂?


イムジャは少し休め


ウンスの話を聞かぬうちに
チェヨンはウンスの
手を引いて
部屋から出て行ってしまった

残されたサラとヨンファは
顔を見合わせた
なんとなくおかしくなって
二人は笑い出した


本当に仲がいいんだから
大護軍様ったら
二人きりになりたいのが
丸わかりだわ


サラが言った


良かった   
仲良しのままで


ヨンファが呟いた


医仙様に大護軍様のこと
話せて良かったですね
それにしても医仙様
心が広い方だわ
顔色一つ変えずに
ヨンファさんを気づかって


ええ   ああいう方だから
大護軍様に
あれ程慕われるのよね
きっと


ヨンファはふわりと
笑った
清々しい笑顔だった


宿屋の廊下の突き当たり
落ち着いた家具が配された
一部屋にチェヨンとウンスは
案内された


案内な宿の者が下がった
途端
チェヨンに抱きしめられた

急くように唇が合わさる


んっ


絡まる舌
激しく吸い付かれて
からだ中が熱くなった


だめよ


息継ぎの合間に
ウンスが言った


まだ日も高いわ
みんなもいるのに
その気にさせないで


その気になったか?


知らない


恥じらうウンスが
殊の外
可愛らしく感じて
またぎゅっと抱きしめた

お腹の中でみぃが
暴れているのがわかる


早う
会いとうて


私も


早う
抱きしめたくて


私も


我慢など出来ぬ


・・・


互いに見つめた
ウンスの唇が
何かを言いかけたが
チェヨンはウンスを
軽々と抱き上げ
部屋の中央にある寝台の
つやつやとした
撫子色の絹布団の上に
そっと下ろした


お手柔らかに
旦那様


さあ   
保証は出来ぬ


チェヨンがウンスの
耳たぶにかじりついた


*******


『今日よりも明日もっと』
愛しい君を
ずっと
腕の中に収めていたい





まだまだ続く小旅行
おつきあいくださいませ

そして週末
台風が近づき天気も
不安定になるのかしら?

皆様
安寧にお過ごしくださいね