物事には順序があるのに
段取りすっ飛ばして性急に願った、
こわばり解きほぐしてくれる筈の秘められた
あの娘の濡れた洞窟を。
重要なのは性交ではなく
日々を共にして育まれてゆく情愛。
頭では勿論わかっていた筈が衝動に汚れた
制御不能の僕のリビドー。
隠し切れずに目を泳がせて恥じらった
あの娘の臭いが僕を野生に解き放った。
もう乱暴に傷つける抱き方しか出来なかった。
揺らすたび無邪気なあの娘が損なわれ続けた。
我に返れば二匹の暗い獣が憐れ無様に
汗と粘液に浅ましく喘ぐ姿を鏡に見た。
見ては駄目だと隠そうとするあの娘の沼に
育み切れなかった情愛の成れの果ても見た。