島津斉興時代の薩摩藩の家老、調所広郷を演じるのは、竜雷太。
調所は、西郷の視点では、悪役であるが、破綻寸前の薩摩藩の財政を立て直した、優れた、家老である。
斉彬が、薩摩藩の近代化を推進できたのは、調所の財政再建のおかげであると言える。
調所は、物語序盤、農民を困窮状態から、救うために、必死に駆け回る、下級の役職の西郷と対立する。
しかし、西郷は、若さ故に、無知であり、調所の正しさを認めざるを得なかった。調所は、密貿易の責任が、主君の斉興に及ぶのを恐れ、自害する。
島津久光が、藩の実権を握った、幕末後半の薩摩藩家老、小松帯刀を演じるのは、町田啓太。
2008年の『篤姫』では、瑛太が、演じており、準主役の扱いであった。本作の小松は、何話から、登場していたのか、記憶にないほど、さりげなく、登場している。
小松帯刀は、知名度は低いが、実は、「維新十傑」の一人に数えられる。
ただし、維新十傑は、坂本龍馬、久坂玄瑞などは、含まれずに、あくまで、明治維新の時点で、存命の人物に限られる。
小松は、西郷と大久保と共に活躍しているが、二人の影に隠れてしまう。その点は、「それなり」の俳優である、劇団EXILEの町田啓太は、相応しい、配役と言える。
幕末の京において、「人斬り半次郎」と恐れられた、中村半次郎、後の桐野利秋を演じるのは、大野拓郎。
西郷隆盛が、下級役人の頃の第三話において、少年時代の半次郎が、登場している。その時のことを契機に、半次郎は、西郷を崇拝するようになる。
本作の半次郎は、人を斬る場面は、皆無に等しい。
半次郎は、「人切り」の異名を持つが、実際、史実として、人を斬った、記録が残っているのは、公武合体派の軍学者、赤松小三郎を、幕末の最終段階、1867年の9月3日に、暗殺したのが、唯一、即ち、一人しか、斬っていない。
『翔ぶが如く』では、杉本哲太が、中村半次郎を演じていたが、その圧倒的な迫力は、「人斬り」の異名に相応しく、西南戦争での壮絶な死は、感動的であった。
半次郎は、西郷の十一歳年下で、鈴木亮平より、年下の二十九歳の大野を起用したと思われるが、役不足に思えた。
ただし、当時の杉本は、二十五歳であったため、大野より、年下である。筆者の中では、杉本の中村半次郎=桐野利秋のイメージが、強過ぎて、他の人では、役不足に感じてしまうのであろう。
また、『翔ぶが如く』は、西南戦争を丁寧に描いているため、桐野の活躍場面が、多かった。
西郷隆盛の最初の妻、須賀を演じるのは、橋本愛。結婚後、隆盛の父の吉兵衛、母の満佐が、相次いで、死去したため、不吉な嫁と言われる。
更に、西郷家の貧乏暮らしに、耐えられなかった。西郷が、参勤交代で、江戸へ行く時には、家計を理由に、猛反対した。
しかし、西郷が、江戸行きを諦め、大久保と喧嘩になった時には、西郷を庇っている。
その後、実家に戻って、最終的に、西郷家に金を渡して、離縁するが、その金は、西郷の江戸行きのために工面したのである。
『あまちゃん』女優の橋本愛の登場が、わずかなのは、残念であった。
安政の大獄によって、西郷隆が、大島に流された際に、島女房になった、愛加那を演じるのは、二階堂ふみ。
二階堂は、二十三歳の若さであるが、2012年の『平清盛』では、建礼門院、平徳子、2014年の『軍師官兵衛』では、茶々を演じ、本作が、大河ドラマ、三作目の出演である。
『平清盛』では、主人公の平清盛の娘で、安徳天皇の母、『軍師官兵衛』では、織田信長の姪で、豊臣秀吉の側室、秀頼の母という、高貴な役を演じていたが、本作は、主人公の妻である。
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