私がハリポタと出会ったのは、確か中学1年生か2年生の頃。

 

 まだ映画が公開される前、「今すごく人気の小説みたいだよ」と母が買ってきてくれたのが「ハリー・ポッターと賢者の石」の日本語訳単行本でした。

 

 元々読書好きで、とりわけファンタジーは大好きなジャンルだったので、読み始めるとすぐに夢中になりました。

 そして母と2人で賢者の石の映画を観に行き、その後は続編の日本語訳が発売されるたびにすぐに購入しては読みふけるということを繰り返しました。

 残念ながら賢者の石以来映画館に足を運ぶことはしませんでしたが、DVDは欠かさず購入して鑑賞していました。

 

 小説、映画ともに毎回楽しんだ私ですが、当時はそこまでどハマりしていたわけではありません。

 何せ本も映画も1〜2年に1度のペースで進んでいくので、前回までの内容を忘れてしまっていたり、まだ中高生だった私には理解しきれなかったりする部分もあったので。

 それでも、物語の結末を知ったときには衝撃を受け、長編小説を読み終えたあとにしばしば起こる喪失感にも襲われました。

 

 物語完結後は、時々映画のDVDを観ることはあっても本を読み返すことはありませんでした。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにオープンしたハリポタエリアには2度ほど訪れましたが、それ以来私の生活にはハリポタが不在でした。

 

 ところが!

 

 昨年の秋頃から始めた英語学習が私を再びハリポタの世界へと誘ってくれたのです。

 

 昨年私は、ふと思いついて英語の勉強を始めました。

 留学はおろか海外に行ったことのない私は、英語といえば中学高校時代に勉強したくらいです。

 特別海外に憧れていたわけでもなく、普段の生活でもさほど英語の必要性を感じていなかったので英語を勉強しようなんて気はまったくなかったのですが、ある日突然英語を理解したいという気持ちになりました。

 善は急げということで、早速英文法の本を買って学習を始めました。

 いざ勉強を始めてみると、いかに自分が基本的な文法でさえも曖昧なままだったかという事を思い知らされました。

 それでも自ら望んで始めた学習なので、楽しいことも事実です。

 独学ですが、せっかくならもっと英語に触れる機会を作ろうと思い、洋書を読んでみることにしました。

 私はAmazonのKindle Unlimitedという月額読み放題サービスに登録しているので、読み放題のリストを探していると、ハリポタの英語版を見つけました。

 お!と思いつつも、何せ長編ですし、忘れていることのほうが多いのでためらっていました。

 だけど、簡単そうだからとあまり興味のない本を読むよりは、読みづらいかもしれないけれど自分が楽しめる内容のものを読もうと思い、賢者の石の英語版を読み始めました。

 

 案の定、とても手こずることになりました。

 

 電子書籍なので単語の意味はすぐに辞書で調べられますが、どの意味がこの場に相応しいのか判断ができなかったり、簡単な単語の組み合わせでできた熟語が理解できなかったりと、なかなか先に進めません。

 その上内容も思った以上に忘れていました。

 ヴォルデモートが滅んだ(と思われていた)とき、お祭り気分で浮かれた魔法使いたちの行動がマグルのニュースになってしまったことや、ダドリーの誕生日に動物園へ行ったときにダドリーの友人も一緒だったことなど、すっかり記憶にありませんでした。

 それでもやはり面白くて何とか読み進めていたのですが、「Chapter8:The Potions Master」に差し掛かったところで限界がきました。

 それまでは分からないなりに何となく読み進めてきましたが、物語の進展に伴って内容も複雑になってくるし、なんと言っても大好きなスネイプ先生の場面をあやふやなままで通り過ぎたくなかったのです。

 

 そこで私は、同じく電子書籍版のハリポタ日本語訳を賢者の石から死の秘宝まで一度通読することにしました。

 初めて日本語訳の単行本を読んだ時はまだ中高生で、しかも前作から1年以上の時を経てだったので理解が及ばなかった部分も、大人になった今、一気に読み進めれば内容もしっかり頭に入ると思ったからです。

 ちなみに日本語訳は単行本を所有していますが、どこにしまい込んだのか分からないので電子書籍を選びました。

 

 そんなこんなで初めて賢者の石の単行本をよんでから実に二十数年振りにハリポタの再読を始めました。

 するとどうでしょう!

 久々のハリポタ、久々のファンタジー小説に興奮したのはもちろん、それまで難儀しながら英語版を読んでいた反動で、日本語ですらすら読めることの喜びも相まって一気にハマりました。

 

 やっぱりハリポタは楽しい♪

 

 無事に日本語訳を全巻読み終えてからは、英語学習の成果も少しは出てきて英語版もだいぶ読みやすくなりました。

 今は秘密の部屋の半分くらいまで進んでいます。

 その間、タイミングよくAmazonプライムでハリポタシリーズの映画が見放題だと知り、30日間の無料期間を利用して映画も全て観ました。

 映画もDVDは持っているものの、なかなか自由に観れる環境にないので、手軽にタブレットで観られるサービスは本当にありがたいです。

 

 こうして、中学生での出会いから最近また再会したことで、すっかりハリポタが私の生活の一部になりました。

 

 内容がある程度頭に入っていても原書の理解は難しく、分かりにくい部分は日本語訳も確認しながらの作業なので時間はかかりそうですが、原書ならではの楽しさも感じているので、気長に読み進めようと思います。

 

 それにしても、つくづくハリポタと再会できて本当に良かったです。