☆高い言語能力がある

巷に溢れるHPでは『心の理論とアスぺルガー』を説明する為に、
有名なメアリーとジョンの課題文を掲載していますが、
これは誤解を生みやすいので良くない傾向に思えます。

と言うのも、
アスぺルガーの方々は言語性IQが高い傾向があるので、
メアリーとジョンの課題文をクリア出来ることがあるからです。


自閉症だから『メアリーとジョンを説明すればいい』と言うのは、
少し浅い考え方に思えます。

勿論、
アスぺルガーで『メアリーとジョンの課題文』をクリアする方々は、
殆どの場合『メアリーの立場』を考えて理解するのではなく、
パズルのように言葉を読み解いている
のだと思われます。

言語性IQの高さ故に、
少々のややこしい文には引っ掛からない可能性が高いのです。


言語性IQが高いので、
論理的専門的に文章をまとめるのが上手なかたが多いです。
いや。上手と言うのはおこがましい位かもです。
優秀と言ったほうが良いケースが多いです。

『学者』のように専門用語を並べて話すかたもいます。
(その場に相応しい話し方かどうかはこの際不問にしましょう。)

言葉を沢山知っている傾向があり、
年齢に相応しない喋り方が特徴的なケースが多いです。

物事の表現の独自性が強く、
独特の言い回しが見られることがあります。



☆言語性IQの高さの反面で

論理的に説明するのは得意ですが、
フリートークは苦手な傾向が強いです。

私がインターネット上で活動するようになって、
何人ものアスぺルガーの方々と出会いましたが、
その多くの方々はメールで打つ文章は得意であるようです。

実際に会ってみて、
表現する文章と喋り方のギャップに驚かされることは多いです。

しかしながら、
メールの内容も自分の内面や感情の話になると、
上手く話すことが出来ない場合が多いです。

全体的に話をまとめられないので、
急にぎこちなくなってしまいやすいです。

そもそも日常の何気ない会話こそが苦手なのです。


詩のような叙情的な文章の意図を読み解けない傾向があります。

言語性IQは高いのに学生の頃、国語が得意だったとは限りません。
漢字を覚えるのに苦労してしまったり、
字がとても下手ことが多いのも事実です。

昨今は自筆のほうが貴重なくらいですから、
多少、字が下手としても問題ないでしょうし、
漢字もコンピュータが勝手に変換してくれますから、
かなりハンディが埋まっているのかもです。



☆視覚の処理能力が低い

高機能自閉症とアスぺルガーを分かつものは、

言語性IQ>動作性IQ→アスぺルガー
言語性IQ<動作性IQ→高機能自閉症

と以前も説明しました。
(この話はもう一度後日話すことになります。)

この動作性IQと言うのは、
視覚の処理能力も大いに関係しているのです。
その為に
他人の顔を覚え難い傾向が強いです。

この顔を覚えられないことから、
自閉症の診断に結び付くことも多いです。

また、
相手の表情の意味を理解出来ないことも多いです。

これらはそもそも視覚の問題ではないのかもしれません。
健常な人達と言うのは、
顔と言うのは、
コミュニケーション上で最も重要な情報と、
生まれながらに感じていますが、
アスぺルガーの方々にとっては、
そんな顔でさえ『その辺の風景と同じ』でしかないのです。


ですから、
この顔を覚えられないのは視覚云々ではなく、
社会性の暗黙ルールの問題なのかもしれません。



☆視覚の処理能力が逆に高いケースも

元々アスぺルガーの方々は視覚処理よりも言語処理が得意なはずですが、
中にはずば抜けて空間や図形などの処理能力が高い方々がいます。


これは近年のテレビゲーム、マンガ、アニメなどの視覚要素が強いものの影響ではないかと言われています。
(と言うかゲーム脳の恐怖の著者は何を考えているのか。)

今回はアスぺルガーと将来性を論じるつもりはないですが、
このタイプのアスぺルガーの方々は、
造園業や映像作家と言った職業に向いていると言えそうです。



☆その他、あまり知られていない特徴

アスぺルガーと言うと、
自閉症としての特徴などは本やインターネットで論じられますが、
実は余り知られていない特性を持っているのです。

余り知られていない→あまり留意されないで良い。

ってことは決してないので注意です。



①常動動作

○手をヒラヒラさせる。
○体を前後に揺する。
○クルクル回る。

など、
同じ行動をずっと繰り返していることがあり、
特には数時間もそれを繰り返していることがあります。

何か『強迫行動』を思わせますが、
『強迫観念・強迫行動』にあるはずの『不合理性の認識』は全くないです。
(不合理性の認識→自分でも拘ることが馬鹿げていると認識していること。)
強迫行動は隠そうとする場合が多いのですが、
隠そうとは全くしないのも特徴です。

むしろ同じ行動を繰り返していると心地良さそうに見えます。
彼らとってはストレス解消や気分安定の効果があるのだと言われています。



②過敏すぎる感覚

感覚が非常に過敏なケースも多いです。
○光
○音
○色
○触覚(肌触り)
○味覚
など全てが過敏な傾向があります。

人によっては
『全て過敏だけど音が最も気になる』
などの個人差が生じます。

○他の人が心地よいBGMも雑音に聞こえることがあります。
○光が眩しいと落ち着かない人もいます。
○色々な色に囲まれていると集中出来ないで、
仕事上のミスを誘発したりします。
○ワイシャツを着るのが嫌など、
特定の服装が出来ないかたもいます。
○爪を切れないかたもいます。(不器用ってことでなく)
○洗顔が苦痛なかたもいます。
○洗剤、整髪料、香水などが苦手な方もいます。

何よりも共通しているのは
酷い偏食になりやすいと言うことです。

但し、
偏るのは良くないと無理矢理食べさせるのも問題です。
彼らにはそれは拷問だからです。



③自分の感情の理解が苦手

自閉症の本質的特長は社会性の問題ですが、
実は自分の感情や気持ちも自覚し難いのです。

少し精神医学に詳しいかたは『アレキシサイミア』として知っておられるかもですが、
自閉症の意外な面として皆さんも知っておいて欲しいです。

寒さや暑さに無関心なのかと思う行動があります。
暑い部屋でクーラーもかけずに居たり、
『ああ。暑い。暑い。』
と言う時も、何か他人事と言うか、
誰かが言っていたことをステレオタイプ的に発音しているだけに思える。
つまり、本人が暑いと感じていないように見える。

自閉症であっても細やかな感情は持っていますが、
それが自覚し難いので、
怒っているのか、哀しんでいるのか、苦しんでいるのか、
自分で自分を感じることが苦手です。

疲れでさえも感じることが困難なかたがいます。
その為に過度な集中で何かに没頭し過ぎると、
急に体力の限界に達してしまうことになります。

細やかな感情を持ちながらも、
それを上手く感じ取れないので、
自分のことを上手く表現出来ないで、
もどかしい気持ちばかりを溜めてしまいがちです。

その為に言いたいこと。訴えたいことが溜まってしまうと、
『癇癪やパニック』に形で発散してしまいます。



④運動が苦手で不器用

多くのアスぺルガーの方々は、
運動能力の発達が知的能力に比べて遅れてしまいます。

着替え、食事、文字を書くことなどが苦手なだけでなく、
動作そのものがどこかスムーズでないことが多いです。
(食事って結構、器用さが求められます。)

学童期では、
図工や家庭科などの科目が酷く苦手なかたも多いです。

運動能力が低く、
体育のみ他の児童と一緒に受けられないかたもいます。

一方で足が速いなど身体能力は高いかたもいますが、
何故か団体競技が出来ないや、
球技は苦手など、
アンバランスさが目立ってしまいがちです。



⑤空想が得意

上記したように『アレキシサイミア』は自分に疎いので、
当然のことながら自閉症では『空想』や『想像遊び』が苦手です。

しかし、
アスぺルガーの方々のなかには『空想』を思い描くことが得意な方がいます。
頭の中に空想の世界観を持って、
キャラクターを作ったり、
設定を思い描いたり、
その空想世界の深さや広さは『常人』を遥かに超えるレベルのケースもあります。



⑥癇癪やパニックを起こしがち

アレキシサイミアで自分の感情を処理出来ず鬱積したり、
自分の拘りの『聖域』を邪魔されたりすると、
一気に感情を爆発させてしまうことがあります。

これは幼少の頃は酷く、
成長に従って収まって行きますが、
大人になっても『瞬間湯沸かし器』のようにパニックを起こすこともあります。

これらの癇癪やパニックは、
彼らの拘る順序や方法を侵害しないようにしてあげること、
普通なことを押し付けたりしないこと。
などで、
ある程度は未然に防ぐことが可能です。



一応これで教科書的なアスぺルガーの説明は終わりです。

統合失調症の説明にも用いたように、
アスぺルガーも次回、分かりやすく理解しやすく説明します。
お楽しみに(?)



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