・身体の全体が中心を一定にして全方向に膨張する意念で誘導すると、「気が出る」と「吸い取る」の両方の性質が混在する状態になり易く、合氣が相手に伝わり易くなる。

・仙骨を立てて前方に食い込ませるように倒す意念を仙骨部に集中する事で「気が出る」状態が相手に伝わる。

・掌を緩め、相手の身体だけでなく周りの空間にも溶け込む意念で柔らかい接触になると相手に気配が伝わり難くなる。

・接触している手は押したり、相手に寄り掛かったり、力を加えたりせずに同調して、その空間及び同調している状態を壊さずそのままの状態を保とうとしながら、仙骨からエネルギーが波のように広がる意念によって誘導する。この時、広がるエネルギーの流れは相手に直接伝えないよう、腕や手には通さないようにする。また、身体もエネルギーの意念も可能な限り柔らかくする。

・広背筋の上腕骨へと停止する筋が張るようにして肩関節に間隙を作った状態で、少し胸で息を吸い、肋骨を上へ引き上げる感覚にする事で上体の構造の強さと体感と腕と繋がった状態が両立する。


・頭を重心や意識の中心部と感じるのではなく、手や足の末端のように体全体の一部と感じられるような意識だと全身の均等感が出易い。


・昔書いた、卓球の球を母指球と小指球で挟むようにして持つような状態に加えて、親指と小指の根本に輪ゴムを通して形が崩れないように小指の中手骨をやや伸展気味の意識にして小指側の掌の筋を若干張らせる状態を両立させ、その上で、広背筋での吸い取りの流れを股関節の緩みへ流す事で、膨張とエネルギーの波の広がる意念の雰囲気が通る回路を形成すると良い。

・体幹側を使って肩甲骨を回転させて上腕骨を広背筋につなげる事で強い力が出る。この時、広背筋の「吸い取る」意念と感覚を忘れずに働かせておく事に注意する。

・先に述べた仙骨を前方に倒す際は、仙骨を直接動かそうとするよりも、仙骨の前方に意識を置いて寛骨周りを緩める事で自ずと倒れていく意念の方が、力みが起ず無理の無い流れになる。

・打つからずに押す技を行う際は、逐一その瞬間瞬間で上手くできているか確認するようにじっくり行うのではなく、何も無い空間の中で腕を伸ばすかのような感覚で躊躇や迷いを無くして一動作として動くつもりでいる方が効果が出る。


・膨張する意念においては、抽象的な球が広がっていくのではなく、具体的に身体のアウトラインが風船のように膨らむイメージの方が好ましく、左右全身の均等感と相手との接触部の密着を大事にする事を目的にすると良い。

・胸骨を軸を立てるように垂直に立てるイメージと緩みの感覚がありながら下腹部を下に落としていく意念を両立させると体幹の軸が強くなる。その上で、上腕骨に停止する広背筋を張らせつつ、肩甲骨を内旋させるように左右に広げると上半身に強い軸と繋がりができる状態になる。この状態で、腕や脚などの末端側の方は動かしたり使おうとはせずに、肩甲骨などの体幹の根本側で動くようにしたり、立てた胸骨で相手の体幹とつながる意念を用いる事で、相手の腕などで反応されずに体幹に作用が伝わる。

・自分の周りの間合いのように感じる空間も自分の見えざる身体と捉え、自分の空間部分で相手の周りの空間とつながる意念で同調し、相手の身体ではなく相手の周りの空間を運ぶ意念で相手が動くの待つようにすると打つからない力の伝わり方をする。この時、自分の身体としての手が先行して身体で相手の身体を押したり、力を伝えようとしてはならない。


・力みというのは言い換えれば作為的な気配であり、気配という視点で見るならば、自分の周りの間合い的な空間にも作為や気配は広がっている。つまり、力みを抜いていこうとする際は、自分と周りの空間の気配を重力に乗せて地面へと柔らかく無理なく浸透させていく意念で誘導するのも効果があるように感じられる。

・「気を出す」感覚の流れは内側から外への流れであり、テツ&トモの「なんでだろ~♪」の腕の動きのような感じ。

・8の字やメビウスの輪を流れは打つからない動きになる。

・中心を取るという感覚では全体の均等感が大事であるが、始めの内は伸筋の回路を通して中心とつなぐ事を意識するのも良い。

・通背拳の白蛇弄風の動きについて、ここでの解釈は通背拳とは全く関係なく飽くまでも見た目の動きを真似たストレッチとして捉えて頂きたいが、小指や薬指から背中へと伸筋の回路を繋ぐ為と意識すると良い。

・相手の腕などを引く時は、一度掴む手の手首側で柔らかく筋膜を取って僅かに引いて相手の筋膜を意識されない範囲で張らすようにズラし、その状態を保ったまま更に掌側で筋膜を取って引くようにズラす事で相手が反応し難くなる。

・腰部や寛骨においても「宇宙空間が入り込んでいるもの」あるいは「吸い取る」、「暖簾の腕押し」の意念とゆるみ感覚を意識する。


・小指の中手指節関節を伸展させて小指球の筋を軽く伸ばすようにすると、腕の尺骨側に張りが生じ前腕が繋がって強くなる。

・寛骨や腰部における「吸い取る」あるいは「暖簾に腕押し」の意念と感覚を忘れ易いので特に注意をしておくと良いだろう。

・肩の屈筋側に力が入らないようにそこにおける「吸い取る」「暖簾に腕押し」の意念と感覚を意識すると良い。

・前に伸筋の回路として尺骨側を使う事を書いたが、その場合においても手首を若干脱力させるような感じにして手首の緩みと「吸い取る」感覚と意念が手首にも生じるようにすると掌の接触が柔らかくなる。


・上で書いた「なんでだろ~♪」の動きのような内から外への「氣を出す」感覚においては、前に「氣を出す」のではなく、全方向に「膨張」する意念と感覚であると良い。そして、この「膨張」の意念が拡がった空間の分、打つからずに「吸い取る」「暖簾に腕押し」の意念と感覚で同時に受け入れていくと尚良い。自分の場合、右の腕や肩や腹、腰の「吸い取る」回路が未形成なので特に具体的に意識する方が良いだろう。


・「膨張」の意念と感覚で、「なんでだろ~♪」の腕の動きや「白蛇弄風」の動きをする場合、肩甲骨を若干内旋させて肩関節に気持ち隙間を作るような感覚で肩を少し前に出すと、より強力に「膨張」の意念が相手に伝わる。この時、肩を意識しては駄目で、広背筋の上腕骨停止部にかけて張り出す意識で肩を緩めたまま前に出す事が大事であり、張り出しながらも「吸い取る」感覚が通っていなくてはならない。この肩は站椿における肩の状態でもあるように思う。

・前に尺骨の先端で支えるイメージについて書いたが、尺骨も支えるでなく「吸い取る」感覚と意念が通っている事が大事。この時の「吸い取る」の意念はより気体的で柔らかいイメージの方が良い。

・相手の筋膜に触れるつもりでその筋膜と繋がった感が出たら、筋膜を微妙にズラして張らせる事で相手の方向や重心に誘導を意識されない範囲で掛ける。

・「何も無い空間で腕を伸ばす」つもりでいる場合、腕は相手に寄りかかったり押したりする動きではなく、自分の軸を保ちながらももし手が地面や壁に触れたら手すり代わりにする準備も同時にできている状態になっているように感じられる。

・「浮腰」とは、無重力の中にいる時のような状態であるとも考えられ、全身において「吸い取る」感覚が活きている状態でもある。

・相手に触れる前に予め「浮腰」の状態になっていないと先を取れずに力む箇所が出てくる。

・合気上げの回旋においては、相手の軸方向に押し込むのではなく、力の入りにくい横・外方向に腕を誘導する。

・意識として、自分が身体でなく空間的な霧の流れようなものと感じ、全身を「自分のもの」ではなく「宇宙が自分に入り込んでいるもの」と感じる事で、作為が抑えられ全身が緩みの状態になる。

・掴む時、指で掴もうとするのではなく、基節骨に引っ掛けて掌をラップを巻くようにピタッとくっ付けるようにする方が良い。

・「自分が安心する(骨格系の)位置」を探る感覚、あるいはその意念による身体の誘導は、自然体の微妙な回路と自然に先を取った状態を引き出す働きがある。

・「屈筋を使わない」ではなく「屈筋にはお休み頂く」という気持ち、発想の方が身体を「自分のもの」と扱わず作為が抜け易い。

・肩の屈筋を緩ませているつもりでもそこに力が入ってしまう原因には、意外と腰の回路に偏りがある事が一因となっている事もある。


・合気上げにおける回旋について、相手の軸や中心を狙うのではなく、相手の背中の後ろを抱えるような意念の流れにすると相手と打つからずに全体として運び易くなる。

・「吸い取る」感覚のような言わば植物や自然のように「宇宙や空間等に普く内在する自然の理としての作用が自分に入り込んでいるという意念、宇宙とつながる意念」によって「体を自分のものと感じない、植物のように自然のもの、宇宙が入り込んだもののように感じる」状態になる事(作為の無い状態・全身の緩み)と、「安心する(骨や四肢や身体を)位置を探る、身体に訊く」意念による誘導(相手との一体化)と、相手からの力や反作用に対して暖簾に腕押しのような状態になる事(同調)が適切な精細な塩梅で成り立たせる事が合気の上で非常に大切。そして、同調によって相手の反射や抵抗を吸い取った上で相手を押すのではなく「何も無い空間に腕を伸ばす」つもりで腕を伸ばす。

・自分の身体を「宇宙が入り込んでいるもの」としてして感じる意念において、これは例えば俯瞰あるいは頭部、または中心等の観測点から身体を眺めてぼんやりとそのようなイメージを全体に投影するのではなく、当事者感覚として、身体の各部位においてその部位の自分の意念と感覚として具体的に細かく感じる事が大切である。

・「相手と繋がる」について、接触が強くても弱くても駄目であり、塩梅としては筋膜に触れた感がある感じ。


・背中や伸筋を一度伸ばす事によって屈筋側が働かなくなり繋がりが生じる。

・「腰を浮かす」について、腰を持ち上げようとしなくても、腹筋や股関節が餅のように伸びるのを感じるのでも良い。

・「暖簾に腕押し」の同調の感覚は「何も無い空間と同調する」感覚とも言える。身体の至る箇所で当事者感覚的に意念及び感覚が働いている事が大事。なるべく今は相手が崩れる事よりも、技が成功しなくてもいいから自分の中の緩みにくい回路をきちんと自覚し、細かく注目して緩ませていく事を優先する方が良いだろう。

 

・伸筋の回路で相手の中心に振れている・繋がっているという感覚において、ピシッと張っているような意念・イメージよりはもっと霧のように柔らかいような流れとした方が相手との接触が柔らかくなる。但し、ピンとした、ある意味硬いイメージも内包されている事が大事で微妙なさじ加減が必要である。

・相手の体幹に作用するには自分の全身が緩んでいる必要があり、また、相手にこちらから作用をかけようとしてはならず、力が打つかったと感じたら相手をどうこうしようとはせず自分を緩める事に留意する。自分の緩みを相手に伝える事で相手にも緩みが生まれ、その緩んだ分相手の姿勢が動いたらただその分だけくっついていく。


・中心と重心は違うらしい。中心とは形態としての真ん中で例えるなら対角線の交点のようなもので、重心は重力や意識によって生じるバランスを取るための支点みたいなもので無重力の中では無くなる。中心については、おそらく膝抜きような自由落下状態に身を置いた時に感じる全身に均等に重さが散るような感覚が大事なような気がする。もう少し言うと、「自分はここにある」というような意識が希薄になって空間全体に霧散してしまって自分の身体から抜け出て身体を放っているような感じかもしれない。自分の中心だけに意識を向けた後、その意識すらもどうでもいいやと捨てたときに身体としての中心が自ずと生じるような感じ。この感覚は、例えると食べ物を飲み込んだ後、身体の自然な働きに任せてしまってすうーっとその食べ物の感覚が消えてしまい落ち着くようなイメージに近い気がする。

・骨を揃えるについて、伸筋の回路を使う場合であっても、きちんと構えや型が決まった時のように中途半端にせずにピシッと体勢を決めるように先を取るつもりが良い。また、おそらく骨が揃った状態を維持しながら動く練習をするのが良く、この状態とは例えば腕であれば尺骨の伸筋の回路に体重かけるというように骨だけで効率的に重さを支えて立つような状態である。腕を三脚のようにして胴体を楽に支えているような感じなので、遠くの壁に手を付け続けながら動いているイメージなどが練習として有効かもしれない。

・前腕を一つの腕と考えるのではなく親指、人指し指というように、橈骨と尺骨に分かれていると意識する。橈骨と上腕の関節は言わば遊離している感じなので、尺骨を回旋させようとすると腕や体幹と一緒に繋げて動かそうとしてしまうが、橈骨の場合はそこだけが身体全体からは浮遊して動いてくれるように感じられる。その為、気配が非常に出にくく相手からは捉えにくく抑えにくい力になる。



・伸筋の回路を通すというのは、言わば尺骨の先端の延長で支えているような感覚の状態でもあり、この時、橈骨と掌は自分の身体ではなく世界の側から自分へ入ってきたものであるかのように、感覚は感じているが自分の一部として操作しようとはしない状態にすると自分と相手との繋がりが生じ易く打つかり無くなる。

・「気を通す」という感覚・意念は相手の芯、または骨、特に尺骨に通す感じが良いかもしれない。

・緩みを伝える際は、相手がそれによって動くのを待ち続ける感じが良さそう。

・腕は力を出したり、相手をどうこうしようと操作する為のものではなく、相手と繋がる為のものと捉える。動力は肩から腕の末端を切り離した体幹・仙骨だけにするのがよい。意識せずともそれが出来るのであれば、相手と自分と周りの空間を一体のもののように感じ、一つのまとまりとして運ぶ意念で動くと尚良い。

・以前にも書いた、肩甲骨と上腕を互い違いの方向に絞るように回旋させる力の出し方で腕を前に出す場合、相手や、自分の腕を掴んでいる相手の手を「押す」意識ではなく、遠くの壁にピシッとこちらの手を付くつもりで動くと良い。

・尺骨で支える感覚と言っても、触れる以前から予め相手の中心に気を通しておいているつもりの意念で先を取っておく事が大事。この中心を取るというのは、骨を伝って相手の軸全体にこちらの意念を通しておくような感じなのかもしれない。

・尺骨で支えるように、足では脛骨になるべく奇麗に軸を立てると自ずと全身に立つ状態の繋がりが起こる。


・合気上げで横に相手を崩す際は、崩す方向側の腕から相手の軸・芯を引き出すように誘導する意念を伝えるようにした方が良くなる。少なくとも反対側の手首から相手を押すような作用を掛けるのはNG。

・前に無重力の時に身体の中心が自ずと生じる事を書いたが、おそらく擬似的にその状態を作るのが腰に「浮き」を掛ける事だと思う。これは立ち上がろうとした時に仙骨を立て股関節に隙間ができる感覚のような状態である。「腰の浮き」がある事で地面に力が逃げなくなり、同時に地面に力の支えを頼るのでは無く軸や体幹そのものの質量で反作用を受ける状態になると感じる。

・「気を出す」と「吸い取る」の両者の意念と感覚が共存している状態で触れるという事が大事。また、「気を出す」と言ってもそれは相手を動かそうとする場合は過剰であり伸筋の回路で繋がったら十分である。「吸い取る」については掌や橈骨側で吸い取っていく意念と流れの感覚を持ってはいるが、「吸い取る」も「気を出す」も目的は相手をどうこうする為のものではなく、繋がった状態になる為であると意識するのが良いだろう。この繋がる状態というのは、ここでは例えば掌の芯、もっというと尺骨の先端が相手の腕などの芯にピタッとくっついていくような状態の事を言う。この状態で小手返しする場合は指先側から力を出したり伝えてはならず、自分の手首から相手に伝わるようにする方が良い。とにかく力を出すのは根本からというのが原則のように思う。

・「風船を思いっきり潰そうとするが少しも潰さない」感覚について、この状態で相手に技を掛ける場合、おそらくだが「思いっきり潰そうとする」意念から生じる全身的な僅かな繋がり、緊張に受け手側も無意識に反応してミラーリングで全身を一つの塊のようにしてしまうのではないかと思う。



・合気上げで腕を相手と繋がる為のものとする際、橈骨から掌を「吸い取る」、尺骨側から相手と「ピタッと繋がろう」という意念・流れを途絶えさせないで最後までその意念を生じさせ続ける事が大事。

・「吸い取る」の意念・流れは掌から橈骨、更には体幹の前面まで全身的に生じさせている方がより相手と繋がる状態になる。伸筋・尺骨側の回路を通そうとする場合、ピシッと腕を伸ばすような感じではなく、掌は柔らかく、全身的に緩んで「吸い取る」と「気が出る」を感じながら脳波がリラックスしている状態で、「浮腰」かつ肘頭窩に意識と重さが通っている状態が成立している事を意識する方が、伸筋の回路は機能する。

・伸筋の回路を通すと言っても、単純にピンと腕を伸ばすだけの意念でやるとそれは「拒絶」の意念として機能し相手と力の打つかり合いが起こる。水などを「掬う」あるいは猫や赤ちゃんを優しく「抱える」時のような小指球あたりから動く場合の回路であると、相手を押そうとか動かそうというような印象ではなく「しっかり支える」かような感覚となり、橈骨側の意識や気配が抜けて対立感なく相手に触れる事ができる。

・合気上げで相手を横に崩す方法の1つとして、接触面から相手に力をかけようとはせずに、ただ上腕と肩甲骨を互いに反対側に捻る動きを左右で互い違いに行って同時に同方向に腕を回旋させるというやり方も有効。

・腕や脚などの軸というのは「吸い取る」や「気が出る」感覚が通る為の太い管のようなものに感じる。

・「吸い取りながら押す」という意識及び感覚ではなく、気の通り道としての軸が在る状態で相手の気配を自分の体を緩めながら丹田や仙骨に「吸い取っていく」感覚によってバランスを取っている姿勢が変化していく感じの方が合気がかかり易くなるように感じる。「吸い取っていく」感覚が通っていく道はなるべく丁寧に具体的に感じるようにするのが良い。


・上腕骨と肩甲骨を互いに反対側に捻じる動きにおいて、屈筋側を使って捻るのではなく、背中側・外側の回路を通すような感じで動かすのが良い。

・「吸い取る」「気が出る」の感覚は直線的な流れよりも渦・螺旋的な流れとして意念を使い感じる方が有効なように感じる。

・合気を掛けるというのは技を掛けるのではなく、接触した時に相手に作用を与えようとはしていないが、相手がもし力で押してきた場合にその気配を吸い取りつつ力が相手に返っていくような状態で相手に触れ、ただ自分のバランスを取ってそこに居るだけの感覚で相手と繋がっている関係になることと捉える。この状態に丁寧になる事がまずは大事で技などはそれから移行する付属的なものである。


・脳波を使った崩しについて、ただ作為を無くして脳波の状態を意図的に変えたとしても、それだけでは相手との繋がりは生じていない。意念上で相手の軸・中心に触れている感覚がある事で相手と繋がった状態になり、相手側に力が返っていくような関係性が生じる。つまり、例えば電車内でふらつかないようにドアに手を付いている時のように寄りかからないけども壁などに手を付いて楽に立っているような意念上の感覚を以てちゃんと相手と繋がり、その上でリラックスした脳波になる事で初めて脳波は活きる。この時、指立て伏せのように5本の指先で壁を押すような手の形で手を付いているようなつもりになる意念であると相手としっかり触れている感が意念上に出てくる。


・上の相手の軸・中心に手を付く意念で相手と繋がった後、なるべく自分の腕は無いものであるかのような意念であると力がぶつからずに合気が相手に伝わり易くなる。この「自分の腕が無い」という意念は、自分の腕が無いとイメージするというものではなく、もし腕が無かったら自分の中心の取り方やバランスの取り方がいつもの腕がある場合の時とは違ってくる事を感覚として理解する事である。つまり、上腕より末端側が無かった場合のバランスの取り方や軸の取り方を意念によって誘導する。また、もし腕が無いとしたら、おそらく転ぶ時に腕の代わりに肩甲骨を出したり広背筋を張ったりして肩周りをクッションにして肩から受け身を取ると思うし、いつ転んでも対応できるように肩周りに転んだ時の準備状態が微妙に働くようになるだろう。このように、腕がない想定を意念で誘導することで普段使われていなかった肩周りが使われるようにもなる。上腕骨と肩甲骨を互いに反対方向に回旋させるのも肩周りが使われるようにするのが目的である。

・合気は力は相手と接している手などの末端から力を出そうとしても駄目だし、伝えようとしてもいけない。多分、力は根本からが原則と思った方が良いと思う。根本というのは体幹であればお腹、丹田、軸、仙骨などであり、腕に関しては、広背筋や回旋腱板のような体幹側の肩甲骨周りである。上の「自分の腕が無い」という意念も、この根本から力を出す為の誘導法とも言える。



・「身体の外側・表面・形はガチっとさせながら、中身を緩める」というやり方は、以前にも書いた「紙風船を思いっきり潰そうとしながら少しも潰さないようにする」という事でもあるが、この時、身体としては靭帯や腱が浮き出るようにピッと張らせながら筋肉は緩んでいる状態であり、相手に力を通そうとは全くせずにイメージの勢い・流れだけを相手の芯へ流し込んで通していくような感じにやるのが良い。

・合気が掛かる条件として今の自分は次の点を留意しておくのが良いだろう。
  ①相手の芯・中心・軸・臍下丹田に予め意念上で触れておいて、自分の静かな芯・軸・臍下丹田と一緒に感じているような感覚を持っておく。
  ②自分の腕から意識を外し、自分の腕は相手の芯・中心に譲ってしまうような感覚で半ば委ねているような感じ。
  ③腕の意識を忘れて肩甲骨や脇等の体幹、特に背中側・伸筋側に意識が通っているのを感じておく。但し、肩甲骨や脇を力ませてはならない。


・前にも書いたかもしれないが、伸筋は「気が出る」経路となっており、屈筋側を使ってしまうと「気が出る」流れが引っ込んでしまう。上で述べた「相手の芯・丹田に意念上で予め触れて自分の芯と繋がっている感覚」においても、伸筋側・背中側の経路によって相手の中心と繋がっているのが好ましい。自分の場合は特に右腕の屈筋側の意識が抜きにくく、伸筋側の経路が使えておらず、右体幹の伸筋における「吸い取る」感覚も弱いので、右腕から自分の芯への経路を拓く事を暫く意識すると良いだろう。この伸筋側の経路を使って相手と触れるとそうでない時との違いが触れた瞬間に大きく出るので、触れる前から伸筋側の経路で相手と繋がろうとするのが良い。

・伸筋の経路から「気が出る」意念の流れを相手に流す場合も、先に述べた「身体の外側はガチッとしながら中身は緩める」場合同様に相手の芯・臍下丹田・仙骨に流れいくように意念・イメージをすると良い。

・相手が押し返してくる気配や力を吸い取りつつ自分のバランスを取るだけにして相手に力が勝手に返っていく状態について上に書いたが、この時、全身を緩めながらも自分の芯・臍下丹田・仙骨は少しもズレないようにし、自分にかかってくるズラそうとする力を全部相手の芯・臍下丹田・仙骨をズラす力として返っていくように意念上で方向づけをし、だけども自分からはそこに力や何かしてやろうという気は少しも加えないでいると効果的に相手との繋がりが出来、自分も安定しながら、相手が自らズレていく力の質として返っていく。

・意念上で相手の中心に触れている感覚から相手に作用をかける場合、相手の中心を押していく作用と相手の中心を回転させる作用とは別々の意念作用であると区別しておいた方が良い。