12月4日に公開され、様々なところで賛否両論が飛び交っています。当ブログにもコメント欄へ様々な意見が書き込まれています。記事を読まれた方は、私の意見だけでなくそちらも読んでいただけると幸いです。

ネタバレはしていませんが、あまりよいことは書いてありませんので、気分を害されると思われる方は読むのをお控えください。


まず始めに「ゴジラ -ファイナルウォーズ-」の北村龍平監督に一言。

 拝啓 北村龍平監督

 あなたに初めて出会ったのは4年前の10月29日東京ファンタスティック映画祭でのことでした。そこで観た「VERSUS ヴァーサス」の衝撃は今でも忘れることができません。ストーリーよりもアクションを見せることを追求し、殺陣のかっこよさと勢いだけで2時間を見せきった凄い映画でした。映画として2時間退屈せずに観れてしまったことに驚愕したのを覚えています。日本のアクション映画の未来を託すべき人が現れたと思いました。続く「the messenger -弔いは夜の果てで-」ではスタイリッシュな映像が際立ち、「荒神」では2人の格闘シーンだけで映画を撮ってしまうという荒業を見せくれました。しかしそんなあなたに疑念を覚えたのは「ALIVE アライヴ」からでした。本来精神的側面を重要視したホラーになるべき原作を、なぜか格闘アクション映画にしてしまったことに違和感を感じました。そしてその疑念は「スカイハイ-劇場版-」で確信へと変わりました。人の業を描いた原作を、またしても格闘アクションにしてしまったのです。登場人物に刀を持たせないと何もできないあなたに不信感を覚えました。続く「あずみ」では刀を持たせてもドラマと撮れないあなたの弱点を浮き彫りにしました。
 そしてこの「ゴジラ -ファイナルウォーズ-」・・・さらば、北村龍平!あなたに日本映画の未来はなかった。

 かしこ                  ハリネズミ

さて、なんと言いましょうか、とりあえず怪獣映画ファンの方にはお悔やみを申し上げます。これがゴジラ最終作ではゴジラも死んでも死にきれないでしょう。
 この映画は怪獣映画ではありません。例えこの映画がDVD化したとしても、レンタル屋の店員さんは怪獣映画の棚に入れてはいけません。この映画はパロディ映画です。「最終絶叫計画」や「ホットショット」や「レスリーニールセンシリーズ」と同じ棚に並べるべき映画です。歴代のゴジラシリーズのパロディに始まり、「海底軍艦」や「妖星ゴラス」などの特撮映画のパロディが花を添え、さらには「マトリクス」「マトリクスリローデッド」「ミッションインポッシブル2」「インディペンデンスディ」「GODZILLA」「X-MEN」などなどハリウッド映画のパロディも目白押しの超豪華なパロディムービーです。他にもまだまだ隠されたパロディがあると思うのでみなさんも探してみてください。これほど豪華かつ絢爛なパロディムービーはいまだかつてなかったのではないでしょうか。
という風にでも観なければ、また怒りでデビルマンに変身してしまう人が多数でると思います。とにかく怪獣映画好きは期待して観に行くことだけは絶対にやめたほうがいいです。いいですか、パロディです。パロディ、笑って観ましょう。

まだ観ていない人がたくさんだと思いますので、具体的な中身については触れませんが、「デビルマン」meets「ゴジラ」とつい言ってしまうぐらい突込みどころがたくさんある映画でもあります。今年は「デビルマン」だけでおなかいっぱいだと思っていたのに、年末にこんな核爆弾級の映画が待っているとは、東宝さんもあなどれませんね。
ゴジラや特定の怪獣に思い入れがなく、なおかつ映画をこだわって観ない人は楽しめるのではないでしょうか。

言い忘れてました、それと2時間5分のうち2時間は音楽なりっぱなしなので、耳が弱い方は気をつけましょう。あぁ後、音楽は外国の方がやられていますので当然いつものテーマ曲はありませんよ。全編ロックですので、こうなったら覚悟を決めましょう。

もしかしたらこの「ゴジラ -ファイナルウォーズ-」は本来与えられた使命を違ったところから果たすかもしれません。つまりゴジラを終わらすという使命を本当にやってしまうかもしれないのです。制作費20億で作り上げたパロディ映画が巨額の赤字を計上するのは目に見えています。もしかしたらこれを期に本当にゴジラが封印されてしまうかもしれません。これで本当にさようならだとしたら、悲しすぎるよゴジラ・・・。