この「ヘルボーイ」はアメリカンコミック、通称アメコミからの映画化ですが、最近このアメコミからの映画化がハリウッドではハヤリのようです。公開されているもしくはこれから公開の映画の中にもたくさんあります。「エイリアンvsプレデター」「パニッシャー」「キャットウーマン」「コンスタンティン」などなどシリーズ物のスパイダーマンやX-MENまでいれるとすごい本数です。7年前「バットマン&ロビン」がシュワルツネッガーを使いながらもオオコケしたときとはえらい違いです。それではなぜこんなにもアメコミの映画化が進んできたのでしょうか。それには、おおまかに二つの理由が考えられます。まず一つ目は、単純ですがCG技術の進歩ではないでしょうか。CGはコミックの世界のヒーローを忠実に再現するにはかかせないものです。その水準が観客が満足するレベルに達してきたのでしょう。そしてもうひとつの理由は、「スパイダーマン」の異常ともいえるヒットが原因ではないでしょうか。興行収入4億ドルを超えるこの映画の後、アメコミ映画化に一気に火がついたように思えます。さて、この「ヘルボーイ」もその中で作られた一本なのですが、アメリカではヒットしたのでしょうか。興行成績をみてみると5千8万ドル、まずまずといった成績のようです。しかし日本ではどうでしょう。まずあたらないと思います。というよりコケルでしょう。前々からアメコミの映画化は日本ではコケルというジンクスがありました。しかしそれを打ち砕いのが、さきほどの紹介した「スパイダーマン」だったのですが、この「ヘルボーイ」は知名度も映画的にもすべてにおいて「スパイダーマン」には足元にもおよびません。1月後には塵芥の中へと埋もれてゆくのでしょう。
 ここまで延々とアメコミ映画の興行収入の話ばかりをして「ヘルボーイ」の中身について書かなかったのには訳があります。本音でいってしまうと「だってこんなくだらない映画のストーリーやキャストについて書くのがいやなんだもん」これにつきます。
 このアメコミに思い入れがある人は観てもいいのではないでしょうか、ヒーロー映画としてはそれなりにできているとは思います。ただ思い入れがない人からみたら、どえらいもみあげの赤鬼が暴れまわる意味不明の映画ですね。まぁお好きな人はどうぞ。