こんにちは。はりきゅうサロンNagomi、近藤和也です。

「黙って座ればピタリと当たる」
占い師の謳い文句です。鍼灸も占いのようなものと考えられるのか、「オレの病気をあててみろ」と凄む患者さんの話もチラりホラり。
できてしまう達人もいらっしゃるので一概に否定はできないのですが…。もちろんそんな達人は稀です。

先日エビデンスについて触れました。 科学的な実験に基づかなければ エビデンスにならない。一見当たり前ですが、意外に見落とされている、かつ重要な点です。

突然ですが、あなたが飲んでいるそのお薬。どの成分が何に効いて、何時間で体から出て行く。 100%解明されていると思っていませんか?薬理学、または代謝。逆に尋ねてみましょう。科学的な実験モデル、二重盲検実験においてこれらの情報は必要でしょうか?知りたいのはその薬が効くかどうかです。あえて雑に言うならば、薬がなぜ効くかという情報は不要なのです。
実際、漢方専門の薬剤師さんに尋ねたことがあります。漢方薬がなぜ効くかはどれぐらい解明されているのですか、と。答えは、解明するのは不可能だし不必要。それよりも何に効くかを研究しているとのことでした。
プラグマティズムと言いますか。医療関係者とそうでない方では、研究されているというワードの方向性が違うようです。もっとも、専門家とそれ以外の方で違うものが見えているのはどの業界でも共通です 。

鍼灸は西洋的に言えば科学ではない。しかし、それは測る物差しが違うということ。コップで水の量は測れますが、長さを測ることはできません。人間を測るにも、物差しは一つでは無いということです。
鍼灸が効くメカニズムを解明するための努力は不要?いいえ、むしろ僕は解明されることを望んでいます
そのうえで、鍼やお灸が効いたという方が大勢いらっしゃるのもまた事実。

西洋医学 東洋医学 。科学的とかそうじゃないとか、勝ったとか負けたとかではありません。患者さんご自身が自分に合ったものを選ぶのが良いと思うのです。