コロナ禍でおこもりが長かった分、外出すると、足が痛い人、長時間立っていると疲れやすくなった人、むくみが出て足裏が痛くなり長時間歩けなくなったという、トラブルが続出しています。
原因は、コロナ禍の自粛生活で歩数が▲23%減少したため、足のトラブルが増えているためです(東京都長寿医療センター&太陽生命少子高齢化社会研究所、20~80代調査)。
今回は、1.くるぶしから下の足のトラブル、2.筋活、3.秋の高たんぱくレシピ、4.子供の遊びを、考えていきます。
1.くるぶしから下の足のトラブル
足のトラブルでは、1位外反母趾20%、2.タコ18%、3.足裏腱膜炎11%、4位巻き爪10%でした(足のクリニック2013~2017、14.000人調査)。順に見ます。
●外反母趾(がいはんぼし)
圧倒的に女性に多く、40代から増加します。症状は、コロナ禍で出歩かなくなった時期と重なります。
親指の付け根が出っ張って45度近く曲がってしまい、下から突き刺さる、ズキズキと上がってくる痛みがあります。
足の外に部分に痛み、歩きづらい、曲がった親指が隣の人差し指の下に入り、足の裏にはタコができ、まっすぐ歩こうとするとつま先を内側にひねります。膝・股関節・関節炎や腰痛、高齢だと転倒にもつながります。
ただ、病院には、どこに行っていいかわからない、相談しづらいと、整形外科などに行かない人が60%と多いのです。(番組アンケート)
●外反母趾チェック法
垂直に立てたペンで、紙に乗せた足形を書きます。
親指の先の骨のせり出し、親指の付け根の外側に一番出っ張っているところ、かかとの手前の皮膚の隆起している部分の3点×印を付け、線の角度を分度器で測れば、進行度が分かります。
病院のレントゲンに比べ、肉の付いてる部分がありますから、「足形の角度÷0.8=骨の角度」とします。
20度~が軽症、30度~が中等度、40度~が重度です。
15度~から痛みを訴える人もいます。
高齢の人が重症度も高く、頻度も増えていくことから、年齢と共に進行していくことが推定されます。
パンプス、スニーカーといった外的要因と、もともと持っている足の形、遺伝、年齢などの内的要因が加味されます。
整形外科などの病院へ行く目安は、見た目がすごくなくても、痛ければ受診した方がいいです。
角度が45度くらいあっても、親指だけの変形に留まっていれば、よいですが、他の指が影響を受けていて、そのせいで、歩きづらい、痛みが他にある場合は、受診した方がいいのです。
●正しいセルフケア
①靴選び
足先は、いくつかの骨が組み合わさって横向きに盛り上がったアーチ状になっています。
女性に外反母趾が多いのは、関節が柔らかく、女性ホルモンも影響しています。
10万人の足を見たというシューフィッターの木下美樹さんは、外反母趾(ぎみ)の人は、多く、半分ぐらいがそうだと言います。
大きな靴はその幅でさらに外反母趾が大きくなるので逆効果です。
スニーカーは、甲が覆われ、靴ひもで幅が調整でき、かかとがすっぽり包まれているのが良いと言います。
ヒールが高いのは、外反母趾でなくとも、足が前へずれて大変です。
➡ヒールは5cm以内で太目(重度の人は避ける)
➡つま先の形は、スクエア(四角い)だと親指が曲がりません。
➡つま先立ちで、あしと一緒に曲がってくれる、柔らかいもの(生地にしわが寄るくらいでよい)
➡かかとが脱げないか確認(=親指が靴でこすれない)
➡裏当て(柔らかいものが親指の付け根あたりに付いていると、当たっても痛くない)
②自宅で眠っている靴をよみがえらせるアイテム
「ヒール靴用ストラップ」足の甲の一番高い所につけるとかかとがパカパカしない。
写真はわかるように色違いにしてあります。
「インソール(足底挿板)」外反母趾で足底筋膜炎と整形外科で判断されると義肢装具士が片脚だけ保険適用で作ってくれますが、外反母趾そのものが直る訳でなく、元々の中底を抜いて差し替えます。
足の裏が痛くてアーチが崩れている凸凹を直し、足の裏に一部に体の重みがかかると判断された場合だけです。
「グーパー運動」足をグーの形にすぼめ、パーの形に開き、10秒数えます。
1日20回×朝晩。
足の裏をもむと開いてきます。
足が持ち上がるだけでもいいです。
寝ているうちに、今日の疲れをとるためにグーパーに近いストレッチをしているものです。
③手術
専門医がやれば、満足度90%です。
人工的に骨を削り、骨を少し短くするもので、親指だけで1時間、隣の指もやると1時間半から2時間です。
骨がくっつくまで2か月近く生活に影響が出ます。
a)親指がまっすぐになる。b)人差し指・中指の脱臼がまっすぐになる。c)タコもなくなる。
以上は、国際医療福祉大学塩谷病院長、須田康文先生の指導です。
●タコ、魚の目
体重が足の裏の一部にかかって、角質が分厚くなってできます。
インソールで痛みを軽減できます。
タコ・魚の目の位置にインソールを当てて、インソールを丸く、くり貫きます。
小指の脇にできたタコ・魚の目には、小さめのインソール・パーツを足底に置くだけで、あしのアーチがよみがえり、足に横幅がコンパクトになります。
●足底腱膜炎
運動不足で、いきなりたくさん運動すると、1~2か月後に、悲鳴を上げるように痛くなります。
半年後、1年後の時もあります。
立ち仕事をしていて、足の裏にこわばるような違和感があったときも、一時的に治りますが、やはり、数週間後に、悲鳴を上げるような、かかとの痛みがあります。
体重がかかったときに、足の裏を支える糸のようなベルトが、骨にくっついているかかとに炎症を起こし、ピーンと張りつめて、足アーチが崩れた時の痛みです。
●ストレッチで足底腱膜炎は緩和される
腰を下ろし、かかとを押さえ、つま先を手で持ち、ぐっと反らせます。
10秒ほどキープし、ゆっくり元に戻します。指の反り加減と痛みを調節しながらやります。
痛みを強く感じたら中止し、ストレッチで改善しなければ、医療機関へ。
●巻き爪
特に親指がCの字の形に内側に巻いてしまいます。
ちょっと当たっただけでも激痛です。爪は湾曲しているのが普通の姿ですが、歩いて力を入れて、平らになっているのです。
力が入らないと、巻く力だけが残ります。
コロナ禍で歩数が少なくなると、親指にかかる下からの上向きの力は減ってしまいます。
健康を保つためには、厚労省「健康日本21」も推奨している通り、1日6000歩(コロナ前、コロナ禍で▲23%とすると4620歩?)から8000歩以上は歩いてほしいと言われています。
ただ、歩いても、
a)親指にほとんど力が入らない歩き方をする
b)深爪をすると、巻いてしまいます。
親指の爪の「正しい切り方」は、指の先から出ないようなぎりぎりで、端から端までまっすぐ横に切ることです。
多くの人は深爪しています。
専門外来で、保険適用で切ってもらうことができます。
2,筋活
●30代の8割は運動不足
コロナ禍で家を出ず、運動することが少なくなり、スポーツ庁の調査では、30代前半、運動不足を感じている人は8割います。
筋肉が減ると、生活習慣病の糖尿病や心疾患などになりやすくなります。
長く続けられる、ゆるい筋活が勧められています。
筋肉は、46日間で、より強い新しい筋肉と生まれ変わります。
以下は、加齢と筋肉、筋肉をふやす食事、運動方法を研究している立命館大学スポーツ健康科学部教授、藤田聡先生の指導です。
日本人の筋肉量は、年齢と共に減少しています。
1年に1%ずつ減って、70代は20代の半分になると言われています。
表は、老年医学会「日本人筋肉量の加齢による特徴」(2010)によっています。
75~84歳の生存率では、青信号で渡り切れる人(筋肉量の多い人)は、渡り切れなかった人の3倍も10年後生存率は高いです。
食べた糖質の約8割は筋肉へ回り、体を動かすエネルギーとして使用されますが、筋肉量が少なくなると、貯える量が減り、糖質は、肝臓で脂肪になります。
脂肪は血液に乗って流れ、中性脂肪値が高まり、糖尿病になりやすくなり、動脈硬化で血管が詰まり、心疾患や脳卒中のリスクが高まります。
筋力をつけておくことは、体の健康を維持するために、重要なものです。
毎日の生活の中で、生活習慣として運動を入れ込む工夫を積極的にしなければ、恐ろしい将来しか見えません。
●自分の筋肉量
「ゆびわっかテスト」ふくらはぎの一番太い部分の周囲径が、全身の筋肉量を示すものだとわかっています。
体が太っていることは無関係ですが、体脂肪の多い人は筋肉量もそれなりに多いものです。
両手の親指と人差し指でわっかを作って、その中に太ももをつかみ切れなければ、十分に筋肉量が多いと言えます。
●筋肉をまず増やすべき部位
大きな筋肉がある下半身が効率的です。
報告では、下半身の筋肉の低下が顕著です。
下半身を意識し、下半身の筋肉量の低下を防いでいただきたいものです。
●自宅でもできる下半身集中トレーニング
a)前もも(大腿四頭筋)=体の中で一番の大きいももの前の筋肉
「前後スクワット」=「ランジ」片足を大きく前に。4秒かけて真下に。4秒かけて元の姿勢に。
★ひざがつま先より前に出ない。お尻は真下に。×目標8回
b)ひざ下(すねとひざ下:前脛骨筋)=何もない所で転ぶのは、筋肉がなく、つま先が地面についているから。
良い歩行は、腕を軽く曲げ、しっかり振る、かかとから着地してつま先で蹴り出す、ことです。
ふくらはぎの筋肉は、血流を一気に全身に巡らしている第2の心臓とも言われ、むくみを解消します。
「かかと歩き」つま先を上げたまま、前に蹴り出すように、20秒足踏み。
★ひざを曲げない。つま先、上向きキープ。
「両脚かかとアップ」脚を肩幅に開いて立つ。4秒ずつ背伸び。
★かかとを完全に床に着けない。体がぐらつくときは、椅子を支えに×目標8回
c)裏もも=長時間歩いていても、疲れにくくなる
「骨盤アップ」あお向けのまま、ひざを直角に近い角度に4秒ずつ賭けてお尻を上げ下げ
★×目標8回
d)お尻
「横向きもも上げ」上の脚を4秒かけて真上に。下ろすときも4秒かける。
反対を向いて、もう1つの脚も同様に行う。
★×目標8回
最初は運動不足の人には、苦痛かもしれないけど(普段、ちゃんと運動している人には、全然物足りないけど)、1日の内、立て続けにやらなくても、少しずつ分散してやる手もあります。
上半身は腕立て伏せでOK。
3.秋の高たんぱくレシピ
2.で指導した藤田聡先生監修のしっかり食べてきれいになる「タンパク質の作りおき&ラク早おかず320」2020.11刊新星出版社175p1,540円から2品を紹介。
健康たんぱく質レシピ、美肌レシピ。
“高たんぱく質レシピ”本は、本屋さんでも、1つのコーナーができていて、今、ブームなのですね。
たんぱく質は、1日60g、両手のひら大の大きさを食べることが推奨されています。
もっとも、もっと手軽で安価で栄養価の高いのは、卵(タンパク質12.3g)と納豆(同16.5g)ですが。
●和風ポークビーンズ(動物性と食物性たんぱく質が一緒に摂れます)
エネルギー511kcal、たんぱく質21.7g
4人分 豚バラかたまり肉400g 水煮大豆150g はちみつ大さじ1
たまねぎ1/2個 ローリエ1枚 顆粒出しの素小さじ1
カットトマト缶 1缶400g みそ大さじ2 +にんじん、きのこ
玉ねぎを1cm角に切る。豚バラ大きめ1口大に切り、熱湯を回しかけ、臭みや余分な脂肪落とす。
全部耐熱ボールに入れ、なじませ、ラップ600w×5分、混ぜ返し、600w×7分→出来上がり。
冷凍庫2週間。
●サンマのハーブトマトロール(筋肉のたんぱく質+骨の形成にかかわるビタミンD豊富)
エネルギー380kcal、たんぱく質19.4g
4人分 サンマ 3枚おろし 4匹分 小麦粉 適量 ようじ8本
ミニトマト 8個 オリーブオイル大さじ1
ハーブソルト(塩) 小さじ1 白ワイン 大さじ1
サンマにハーブソルト、小麦粉を振る。うまみを閉じ込め、カリっと香ばしく焼ける。
ミニトマトにサンマを尾から巻き付け、ようじで止める。
フライパンにオリーブオイルを中火で温め、トマトロールを乗せ、片面、火が通ったら、白ワインかけ、蒸し焼き。水分なくなるとチリチリ音がする→皿に盛って出来上がり。
冷凍庫2週間。
たんぱく質は、体にためておけないので、毎日3食、食べることが大切です。
4.子供の遊び
●コロナ禍で運動不足
学校での運動量や外遊びが減り、体を動かさず食欲もなく、食事も残しがちです。
日本女子体育大学の深代千之学長は、運動機会の減少は、体の発達が滞るだけでなく、人とのコミュニケーションも阻害されると言います。
リーダーシップをとる、サポートに回る、これは社会の縮図であり、スポーツや運動は、これを学ぶ場でもあります。
東京世田谷の祖師谷小では、6人グループを3人に減らし、タブレット端末で踏み台などの運動の様子を撮影し、手本の動画と見比べて、言ってもらって欠点を直しやすくしています。
直接、教師が触って補助指導できないので、考える力が体育で付けばいいと考えています。
運動会の組み体操も、触れ合わず、皆で花弁が開いていく様子を表現し、達成感を味わいました。
民間でも週1で縄飛びやダンスの運動をするクラブもあり、思いっきり動けます。
●家の中でも
➡大きくて柔らかいビーチボールでリフティング(空中持ち上げ)
➡右手左手ずらしてグーチョキパー(頭も使う)
➡お尻歩き(お尻の筋肉だけで前進運動)
➡タオルたぐり寄せ(床に敷いて足先で)
➡万歳(立ったり、座ったり)
➡ステップ(階段上り下り,20cm台でも)
➡お尻浮かし(2.の3の裏ももと同じ)
➡空中平泳ぎ(片足で立って)
➡空中自転車こぎ(寝て足を回す)
以上、NHK総合10月18日(月)午前8:15~あさイチ「おこもり足でトラブル急増!?足のお悩み解消SP」、同10月19日(火)午前7:00~「NHKニュースおはよう日本」を、参照させていただき、知見を加えました。
以上です。
庭の池も9月22日に掃除しておいたので、池に1匹だけだった金魚を、
新しい仲間を補充です。文鳥と一緒に撮ろうと思ったけど、
驚いて、巣箱の下から上がってきません。お尻の白い尾のみ。
一気に寒波なのに、雨の降った後、一輪だけ
野ばらが新しく咲いてくれました。
アパートの裏手の花壇には、もうガーデンシクラメンを
植えました。風雨に耐えて下さいますように。
これは、寒波が入る前日の10月16日の夕暮れです。
夏の最後の色です。
11月1日から始まるNHK連続テレビ小説
「カムカムエブリボディ」の主題歌、けっこう、いいです。
一気に寒波で11月中旬に、1日で様変わりしたね。
皆、気を引き締めて、運動不足にだけはならないでね。
それまで、元気でね。じゃ、またね。