はらいかわてつやです。
仕事上の付き合いで、相手と食事をするのには、
「もっと仲良くなるため」という明確な目的があります。
ベルギーにある、カソリック・ルーベン大学の
O ・コーネルという心理学者は、80枚の顔写真を使って、
ある条件では、同じ顔写真を何度か呈示して実験をしてみました。
その結果、1回しか見せられない顔よりも、
数回見せられた顔の方が好ましいと評価してもらえたそうです。
つまり、人間は、1回しか見せられない顔写真よりも、
2回見せられた顔写真の方に「親しみやすさ」を感じるのです。
こういう現象を心理学では「単純接触効果」と呼んでいます。
私たちには、目にする頻度の高いもの、
すなわち接触頻度が高いものを、
好きになってしまう傾向があるのです。
ですから、「この人と、もっと密な関係を築きたい」
と思うような人がいるのであれば、相手との
接触頻度を増やすことを考えるといいでしょう。
その時に役に立つのが、「奢り・奢られ」の関係を結ぶことです。
最初は相手に相談を持ちかけるなどして、
まずは1回お食事をさせてもらいます。
次には、それをきっかけにして、「次は、僕が奢ります」
という形に持っていけば、自然な流れで
相手との接触回数を増やすことができるのです。
私は、人に奢ってもらったら、必ず、
翌日には相手を誘うようにしています。
だれかに奢られた場合、お礼を言うだけでは、ちょっと不十分なのです。
そこで、
「昨日は、どうもごちそうさまでした。次にご一緒する時には、私がお店をセッティングしますので、ぜひお楽しみにお待ちください。こちらの都合で申し訳ありませんが、月末あたりで都合のつく日をお教えくださいませんか?」
と持ちかければ、相手も喜んで会ってくれるはずです。
1回食事をするだけより、2回食事をした方が仲良くなれるものですし、
2回よりは、3回食事をした方が、当然はるかに親しい間柄になれます。
「奢られたら、奢り返す」で、まずはもう1回会うことができます。
こうして、奢る・奢られる関係を築き上げれば、
相手と会う頻度も自然に増やすことができます。
定期的に顔を合わせるようになれば、
どんどん親しい間柄になっていきます。
ビジネスを抜きにした付き合いも始まって、より深い関係も築けるのです。
ですから、人に奢ってもらった時には、
自分からもすぐに奢り返すクセをつけましょう。
こちらが奢り返してあげると、
そこで関係が終わりになることはありません。
ご参考までに。
はらいかわてつや