1980年製 スピーカー | 自分の腕は棚に上げて

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SS-L3SmkⅡ

このスピーカーは1980年頃、日本橋の電気店に通いつめていた頃に発売された
想い出の多い東芝製のスピーカー。
オーディオ製品が一番輝いていた最盛期の製品です。

10年位前の引っ越しの際に売ってしまったので、
先日オークションサイトで見かけたので、思わず落札してしまいました。
あまり知られていないせいで、1700円で落札し、送料が同じくらいかかりました(笑)

AUREX  SS-L3S II 当時セットで7万6,000円
このスピーカーのために開発したチタン合金のリングツィーターが特徴的でした。
ツィーターの開発費などを考えると、儲け度外視の価格設定だったと記憶しています。

2Wayならではの定位感を生かすために、ウーファーとのつながりを自然に聴こえるように2,000HZというかなり低い周波数でクロスさせています。


リングツィーターで低い周波数を扱えるようにするために、振動板をリング形状にして有効面積を広めに確保。素材にはアルミではなく、軽くて剛性の高いチタン合金を使用し、一体成型で精度をあげています。ちなみにチタン合金の厚みは30μだそうです。

どこがリング状になっているのかというと、チタン合金の外周・内周に斜めに折り目(タンジェリンエッジ)がついていて、写真でいうと山折りっぽくなっているタンジェリンエッジの間がドーナツ状のリング=環となっていて、このリング部分が振動部となっていて歪感の少ない粒立ちのいい高音を聴かせてくれます。
ツィーター単体の能率は96dBと結構いのもポイントで、スピーカーとしても92dBあります。


約40年前のスピーカーになりますので、ユニットを外してネットワークとアッテネーターの状態を見てみました。


ユニットを外して中を見ると、吸音材がほとんど入ってなく、安いフエルト素材がボックスの隅のほうに入れてありましたが、ウーファーの後ろなどは何もありません。

新しい吸音材としてはグラスウールではなく、厚さ25mmのサーモウール85を注文。
2~3日で到着するので、来週くらいに全部入れ替えるつもりです。

アッテネーターは、ほとんどガリもなかったので、そのまま使用可能でした。

ネットワークは2Wayなので簡素です。
コンデンサー1発かと想像していましたが、コイルも使って結構しっかりしたものでした。


驚いたことにネットワークのフィルムコンデンサーに「岡谷Vコン」が使われていました。結構高い部品なのに、このスピーカーに対するAUREXの気合が感じられました。
(吸音材を減らして部品のいいのを使ったようです)


AUREX(東芝) プリ・アンプの名機SY-88に大量に使われ有名になった岡谷・Vコンをスピーカーのネットワークにも使っています。

この当時は各メーカーは回路設計よりも高精度・高性能の部品を大量に使うことで高音質な機器を開発・販売していました。その先駆けになったパーツが岡谷Vコンでした。



この黒い電解コンデンサーは交換候補です。


 

 ウーファーはフリーエッジコーンなのでエッジ交換などしなくても大丈夫でした。
サイズは25cmで、カタログ上は35HZまで再生可能となっています。
ダンパーのヘタリもなく、コーン紙の腰抜け感もありません。
コーン紙が軽いせいか結構能率が高そうで、この辺りもリングツィーターの高能率とバランスが取れているのだと思います。


このバスレフダクト周りの吸音材も交換して、ひきしまった低音が聴けるようにチューニングします。

あとは、置く場所を捻出しないといけません。
自室の片付けもしながら考えなければなりませんが、年末の大掃除を早めにし始めるという感じで進めていきたいと思います。