3/11の前と後、世の中が全く変わったと感じる。

石原東京都知事の発言は確かに不適当だったけれど、言いたかったことは何となくわかる。

家族にクリスチャンがいて日々被災された方々への祈りを捧げつつも、
関係者同士では似たようなことを話し合っているようだ。

私も同じような感情を持ちつつも、表現方法がわからない。
乏しいボキャブラリーで発言すると、真意と違う内容になってしまいそう。

と思ってたところ、3/24の日経文化面に宮城県出身の小説家小池真理子さんが「言霊の祈り」というコラムを書かれていた。

故郷への想いが綴られた文章は深く胸を打つものだった。

その中にあったこの一説。

「私たちはこれまで、凄まじく暴力的に前進し続けてきた。その繁栄と進化は頂点に達し、それでもなお、膨張は繰り返された。あげく、あちこちで歪(ひず)みが生じた。人の心は荒廃した。しかしなお、誰もそれをやめようとしなかった。津波はそうしたものすべてをのみこんで、去っていった」(小池真理子「言霊の祈り」より引用)

たくさんの人が、「ちょっとこれはまずいよね・・・・」と思いつつも止められなかったもの。

さすが、プロフェッショナルの方の表現力は違う。
たくさんの人が胸に抱えていたであろうことではないだろうか。
(「石原都知事も小説家だったよね?」とここで思ったけどあせる

思い返してみたら、バブルも同じだった。

世の中全体が熱狂していて、ほんとうにおかしかった。
20代だった私も「これは絶対にまずいよ・・・・」とさすがに思った。

そうしたら崩壊。
そして、長い長い不況、格差社会へ。

歴史は繰り返されるものだけど、今回の「膨張」に対して何もこんなに酷い仕打ちをしなくてもいいのに・・・・・と涙が出る。


今回のことで被災され方々はもちろんのこと、そうでない人達も深さは比べものにならないけれど何らかの形で傷ついている。

3/11以降、長い間忘れてしまっていた大切な何かを思い出した人も多いのではないだろうか。

私自身もそう。

新たな世界に進んでいこうと思う。