１９４２年のダーウィン空爆から７６年目となる今日、ダーウィンで行われるいくつかの記念式典に参加してきました。
まずは早朝、米国軍人犠牲者のための慰霊式に参加してきました。米軍の戦艦USS PEARYとともに８８名の海軍兵士が亡くなりました。
そして皆さんは慰霊塔の前で行われるメインの式典に参加するために移動するのですが、私は今年は港湾労働者の犠牲者のための式に参加すると決めていたので、埠頭へ向かいました。ドロシーさん（お父さんをダーウィン空爆で亡くした方です）とともに、港湾労働者組合が主催する小さな式に参加してきましたが、色々と思うことがありました。私は新たな使命を見つけまして、これはきちんと別の記事にします。
そして夕方からはAAANT（オーストラリア・アメリカ協会）が主催する懇親会に参加してきました。
アメリカとオーストラリアの友好団体ですので、やはり話題はどうやって米豪の友好を深めるか、そしてAAANTが果たす役割は？ということだったので、私も在豪の日本人として何ができるか必死で考えてきました。
本当に文字通り必死でしたよ。なぜかというと、いつもは日豪の関係を基軸にものを考えていますし、または日米だったり二国間、日本を軸に考えますが、今回集中すべきは米豪関係で、豪目線でものを考えなくっちゃいけないのです。自分の自分のアイデンティティを少しわきに置いてものを考える、新鮮な経験でしたね。
もちろん私は在豪邦人として発言しているわけですから自分の身元を隠しているわけではない、それでもこれだけ頭使うわけですから、スパイの人たちのように自分のバックグラウンドやら思惑を隠してしゃべるのなんて大変なんですね～～＞スパイさん ご苦労様です。
そうそう、オージーの会話に食い込むのは大変ですが、アメリカ人が多いグループの場合はさらに大変です。発言できるチャンスを待っていたら発言などできません。「私の話を聞いて～～」のレバーをマックスにまであげて参加してきました。
で、後半は政治の話になりました、というか私が振ったのですけれどもね。米領事は日本への駐在も長く、かなり親近感や信頼を持っているようだったので、ちょっと踏み込んでダーウィン港の中国企業売却についても聞いてみたら、次のようなお答えが。
「例えば日本やヨーロッパの国が貿易で、どちらかの経済が強く貿易に不均衡が出ても、それは競争であり切磋琢磨するライバル関係にある。トヨタが勝つときもあれば、マイクロソフトが優勢の場合もあるし。しかし、だからと言って政治で不均衡を正そうとはしない。成熟した国同士だからだ。しかし中国はどうだろうか、新しい国だからだろう、政治と経済を分けることが出来ていないではないか」
との忌憚なきご意見をいただきましたので、
私も「そう！日本も領土問題でレアアースの輸出止められましたよっ」とバックアップ。
それから、AAANTのアメリカ人のメンバーが、
「契約というものは必ず不備があるものだ。特に今回のリース契約は秘密裏に行われたので、必ずおかしな点があるはずで、覆すことはできるはずだ！」
と言い出したので、
私も参戦して
「そうだ！そうだ！だから契約書が今でも非公開なのよ！！」
と援護射撃してきました。
構図としては、中国に取り込まれようとしているオーストラリアをアメリカ人と日本人が必死に説得するという、今の国際情勢そのままの図式になったのが面白かったですね～～。
そしてそれが７６年前、日本がオーストラリアとアメリカを攻撃した日にこのような会話が行われているのですから、日米豪って本当に仲良くなったんだなぁ～～～と、しみじみ思いましたよ、皆さん思いませんか？
米国領事が、話の端々に「日本は同盟国だから」とか、「信頼できる関係で」とか発言するのを聞いて、正直感動しました。。。あら涙出てきそうですわ。
最後にみんなで写真撮ってきました。
「みんな～集まって～ 私は日本人だから写真を撮らなくっちゃいけないのです～」と言ったら、皆さんすごく納得して、「ピースサインする？」とか言われました。日本人の写真好きとピースサインは世界中に知られつつありますね
というわけで、とても良い一日でしたね～ 私は相変わらず目が開いてないですが、気にしない気にしない。
それではいつも応援ありがとうございます。
