『地球からのメッセージ』
                            文・小山薫堂



地球の危機を感じて

人類は今、ひとつになる。

この美しい星を守るため、

今日を明日につなぐため、

人類は今、立ち上がる。


でもね…


地球はぜんぜん危なくないよ。


地球は人類のおかげで美しいわけじゃないよ。


生きてゆくのに都合の良い今の姿を


人類が一方的に美しいと思っているだけ。


危ないのは地球じゃなくて


人類なんだ。


    〜WOWOW   W座からの招待状  より〜








『美しい星』 という映画を観ました。


面白かったなぁ。


原作は三島由紀夫氏の同名小説。
三島由紀夫さんはUFO研究家としても有名な方だったみたいですねUFO






当たらないと評判のお天気キャスターの父(リリー・フランキーさん)、自転車メッセンジャーをやっているフリーターの息子(亀梨クン)、
美しすぎて周りから浮いている大学生の娘(橋本愛さん)、心に虚しさを抱えて生きている専業主婦の母(中嶋朋子さん)。
それぞれがいろんな想いを抱えながらも平凡な毎日を過ごす大杉家の面々。


ある日突然、お父さんは火星人、息子は水星人、娘は金星人、お母さんは地球人として覚醒、
美しい星・地球を救う使命に目覚め、奮闘する。

 
覚醒した大杉家のメンバーが繰り広げる奇怪な行動と突然の変貌ぶりに困惑する周囲の人たち。
理解されずに傷つき、悲しむ宇宙人一家。



原作は、人類滅亡の危機や終末論的なテーマがあるようですが、恐怖を煽るようなどんよりする映画ではありません(^^)
笑えます、でも真面目。
リリーさん始め、大杉家のメンバーみんな、良い味出してます爆笑




もしも地球が現在、危機だとしたら、
もしも人類が滅亡に向かっているとしたら、
あなたはその中でどう生きる…?
何をする…?


わたしはそんなメッセージを感じました。



私が最近観る映画には、いつもリリー・フランキーさんが出ています。
リリーさん、おもしろいなぁ、役者さんだなぁ。
ほんとに宇宙人かな



                    映画.com より





連日、息苦しいほどの猛暑で、私もついに熱中症になりました。


まさか自分が熱中症になるとは思っていなくて、気が遠くなりそうな体験に、とても怖い思いでした。


何が怖いかと考えると、やっぱりそれは“死”に対する恐怖なんだと思います。


自分ではどうしようもないこと、
自分でコントロールができないこと、
予期せぬ惨事。
それに対して恐怖を感じている自分がいました。
人は必ず死ぬとわかっていることなのに。
(熱中症は予防すれば大丈夫ですが…)



それはもしかしたら、自分が自然の一部だということを忘れてしまっているから…


人間がすべてを支配している(できる)と思っているから…


いつの間にか人間が地球を支配できているような錯覚を起こしてしまっているのかもしれない。
…かないっこない…。



世界各地で異常気象が起こり、地球の温度がこのままどんどん高くなってしまったら人類は、生命はどうなってしまうのか…


ぼんやりとそんな恐怖を感じている時に、この映画を観ました。



連日ニュースで最高気温の更新・異常気象が叫ばれる中、
はたして、これは本当に異常なのだろうか…?と考えました。



冒頭の小山薫堂さんのメッセージにもあるように、
人間にとって都合の良い、快適な環境でなくなったときに、それを異常と呼んでいるだけなのかもしれない。


地球にとったら必要なプロセスで、でも人類にとったらそれは過酷なこと。
かつて氷河期があったように、生まれてから地球はいろんな姿で生きてきた。



映画の中でも言っていたけど、人は自然を見て美しいと感じるけれど、人間が自然の一部であることは度々忘れてしまう。
そして何でも自分たちの都合の良いようにコントロールしようとする。


自然はコントロールしない。
ただ移り変わっていくだけ。


地球だって同じ生きもの。
ただ変化しているだけであって、決して異常なわけではないんだよね。


わたしたち人類は、そんな地球と共に生きている。
地球の、宇宙の変化のプロセスの中で生きているだけ。


誕生して消滅する、それが自然のサイクル。
変わらないものなんて何もない。





そうは言っても
実際、死に直面したらやっぱり怖いと思う。
オロオロして、泣いて、抵抗したりするんだと思う。


地球の変化があまりにも早いから、人間はついていくのが大変だ。
急激な変化は恐怖を感じる。
今、たくさんの人達が愛の行動をしている。




人間が特別な存在だと奢ることなく、自然の一部として生きて受け入れて、命を全うできたらいいなと思う。


与えらた環境の中でどう生きるか、
そして愛を表現していくことが大切なんだね。








映画の中で、リリーさん演じる主人公が火星に帰る飛行船の中で
『ちょっと待って!』
と、窓の外を見るシーンがあります。


遠くに見える美しい地球、そして東京の景色にフォーカスしてみる。


立ち並ぶビル、たくさんの人達、自動販売機。
アスファルトの風景。
それを見てわたしは


『地球での暮らし、楽しかったなあー』


本当にしみじみと、そう思いました。
そして涙がポロポロ流れました。


ごみごみした街並みも、足早に歩く人達も
なんだか無性に愛おしく感じました。




今の地球はちっとも異常なんかじゃないんだよね。
強くて大きなわたしたちのHomeキラキラキラキラ


人間なんてちっぽけな生きもの。


大きな大きな地球の懐に抱かれて、ヤンやヤンやと大騒ぎしているだけなのかもしれないねウインクドキドキ