こんにちは!

獣医師エリコです。

 

 

 

先日ご紹介させてもらったように、八尾市でも地域猫活動を推進する動きが進み始めました(^^)

詳しくはこちら!

www.city.yao.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000032/32884/h30-09-01.pdf

 

 

 

しかし、自治体が推進しているとはいえ、やはり理解を得るのが難しいのが

TNR(T:捕獲し、N:手術を行い、R:元の場所に戻す)の「R」です。

 

地域猫活動にはこれがもっとも肝心なのですが、

猫が大嫌いな方にとっては

「せっかく捕まえたんなら処分してほしい」

「どこか違う場所に放してほしい」

「猫が好きなら好きな人が家に持って帰ればよい」

という意見が多く、

「R」への理解と合意が得られずにTNRを断念する、あるいは地域猫活動がうまくいかない

事例をよく耳にします。

 

しかし、ノラ猫を処分などの方法で一時的に排除しても、ノラ猫は減ることはないのです。

 

 

今日はなぜ殺処分ではのら猫は減らないのか

元の場所へのリターンがなぜ重要なのかを解説します。

 

 

まず、シミュレーションしていきましょう。

 

ある街に野良猫が住み着いたとします。

 

 

 

妊娠と出産を繰り返し、あっとゆうまに・・・

 

 

街に猫があふれかえり、猫トラブルが勃発します。

 

猫トラブルでもめている地域は、このような状態に陥っていると考えられます。

 

そこで、捕獲、処分を開始したと仮定します。

 

 

一時的には町から猫が減ります。

しかし・・・

 

一度に100%の猫が捕獲できるはずもなく、残った猫はあっという間に増え

また、急に猫がいなくなり、テリトリーを守る猫のいなくなった空きスペースには、あっという間によそからの

猫が流入してくるのです。

猫の数は一瞬にして元通りになることでしょう。

 

 

同様に捕獲・処分を繰り返しても結果は同じ。一向に猫の数は減らないのです。

 

 

この、空いたスペースに猫が流入するという現象は

「バキュームエフェクト」と呼ばれ、

どの生物にも認められる、生物学的現象なのです。

 

このバキュームエフェクトが起こる限り、猫の数が減ることはないのです。

 

 

バキュームエフェクトについての参考資料ですダウン

英語が得意な方、是非読んでみてください。

4fi8v2446i0sw2rpq2a3fg51-wpengine.netdna-ssl.com/wp-content/uploads/2014/08/TheVacuumEffectWhyCatchAndKillDoesntWork.pdf

 

 

 

では、バキュームエフェクトを起こさないようにするにはどうしたらいいか?

 

答えは、

猫に同じ場所で住み続けて貰うことです。

 

ただし、その猫にどんどん繁殖してもらっては増え続けてしまって困るので、

不妊手術は絶対不可欠となります。

そして、手術を施した後は、必ずもとの場所に戻すことが重要なのです。

それこそがTNRの目的となります。

 

 

TNRのR(リターン)の理由が理解されないことが多いのですが、このリターンこそが、

バキュームエフェクトを防ぎつつ、自分自身は増えないでいてくれる、理想の猫集団を作るための

重要なカギなのです。

 

 

そしてTNRの済んだ猫たちがバキュームエフェクトを防いでいてくれる間に、残りの猫たちも地道にTNRを行っていきます。

 

 

できるだけ全頭のTNRが終了したら、そのあとは

せっかく手術した猫がよその地域に行かないように

毎日決まった時間に決まった場所で餌やりをします。

その時に、未手術の猫が来ていないか、また新参者の猫がいないかなども合わせて監視します。

そして餌やりのあと片付けをし、排せつ物の掃除もします。

 

このTNRから始まり、その後の猫集団の管理も続けていく一連の活動が、地域猫活動です。

 

活動を続けていくなかで、一世代限りの猫は寿命を迎え、徐々に猫集団の数は減っていきます。

 

 

この地域猫活動こそが、現在のら猫の数を減らす、最も効果的な方法なのです。

 

 

ここでの餌やりは、上でも述べたように

・猫を同じ地域にとどめておく

・餌やりの時に、猫を監視する

という、集団を管理する目的で行われています。

そのために毎日、場所と時間を決めて行います。

 

気が向いた時だけ、餌をばらまく、いわゆる迷惑な餌やりとはまったく異なります。

 

しかし、「餌やり禁止」とされて、活動の理解が進まない地域があるのも現状です。

 

もし「餌やり禁止」と言われて餌やりをやめてしまったらどうなるか。

 

せっかくお金をかけて手術した猫が餌を探してよその地域に出て行ってしまい、空きスペースができます。

するとバキュームエフェクトが起きてしまい、不妊手術のされていない猫が流入してきて増えてしまいます。

TNRのお金も労力も無駄になってしまいます・・・

 

なので、地域猫活動を行う方に「餌やり禁止」と言わないでください。

また、気が向いた時だけ猫に餌をやるのもやめてくださいね。

猫の管理の妨害になってしまいます。

 

餌をやるなら、地域猫活動に参加して、管理のための餌やりに協力してくださいね。

 

地域猫ボランティアの皆さまも、

もし理解が得られなかったり、心無い言葉をかけられたりしても

気にせず堂々と活動してください。

 

地域猫活動は、生物学的な理論に基づき、効果の認められている方法です。

環境省も八尾市も推進している活動です。

 

 

猫が嫌いな方も、

猫が好きな方も

「ノラ猫を減らしたい」

という着地点は同じ。

 

そのためには、地域猫活動を応援しましょうベル

 

そうすれば、必ず将来、猫にも人にも、いい結果が待っていますウインク

 

 

 

 

●----------〇----------〇----------●

【猫の避妊手術・去勢手術に関することはHappyTabbyClinicのホームページをご覧ください】

★ ・ ・ ★ ・ ・ ★

【猫と人・猫に関わる人と人との出会いをお探しの方はHappyTabbyRoomへどうぞ!】

★ ・ ・ ★ ・ ・ ★

【HappyTabbyClinicでおうちを探す猫さんはペットのおうちからもチェックできます!】