高齢者の薬

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在宅の患者さんが少しずつ増えてきましたが、そう忙しくもなく丁寧に仕事ができる環境で、楽しみながらやってます音譜

報告書は夜にゆっくりリビングのパソコンで作成しているので、ついついネットサーフィンして脱線しがち。

1枚の報告書つくるのに3時間もかかったなんて、そんなこと、普通の薬局じゃあ ありえませんよね(^_^;)


在宅の患者さんはほとんど80歳以上の高齢者です。

あらためて思うことですが、薬の量が多い・・・


薬の数だけでなく、用量も。

小柄で体重が39kgしかない90歳のおばあちゃんでも普通に常用量でたくさんのんでいる。


肝機能や腎機能も低下してくるのだから、薬減らさなきゃね とお話すると、

「そうなのよ、減らしたいのよ」 という応えが返ってくるのですが・・・

いざ本当に中止する薬を相談し始めると、

「この薬は絶対にやめたくないのよ、これもそれもあれも・・・」と、結局全部やめたくない (・_・;)


それどころか体調が優れないと、Dr.にあれこれ訴えて薬を追加で出してもらっちゃう しょぼん

Dr.に訴えても薬を出してくれないと、OTC薬やサプリメントを買ってきてしまう あせる


体調が優れないのは大量にのんでいる薬のせいかもしれないのに。。。



日本老年医学会の高齢者の安全な薬物療法ガイドラインによると

薬物有害作用予防のための原則は


1. 可能な限り非薬物療法を用いる

2. 処方薬剤の数を最小限にする

3. 服用法を簡便にする

4. 明確なエンドポイントに留意して処方する

5. 生理機能に留意して用量を調節する

6. 必要に応じて臨床検査を行う

7. 定期的に処方内容を見直す

8. 新規症状出現の際はまず副作用を疑う


となっています


特に8番目の 新規症状出現の際はまず副作用を疑う・・・これは在宅の薬剤師業務でとても大事なことだと思います。

薬物による有害作用を抑えるために、また新しい薬が追加される。

多科にかかられている患者さんは、それぞれの科から薬が処方されますが、医師に他の科の投薬情報が伝わっていないことがあります。


在宅で全ての薬を把握できる薬剤師は 薬物有害作用を発見できる可能性があります。

そしてそれが疑われたら、医師に報告して処方検討をお願いできる立場にあります。


ご家族や介護スタッフにはできない大事な薬剤師の仕事ですね。


これまで薬が整理されず、のみ忘れの多かったた患者さんが、全部の薬をカレンダーにセットしてもらって服薬を続けたところ、薬の副作用でよけいに具合が悪くなってしまった汗

なんていうこともあります。


そのまま全部一包化してセットするだけじゃなく、薬物有害作用を疑ってみることが大切ですね合格


認知症の講演で、認知症患者のうち薬物性の認知症が少なからずいるとおっしゃってました。

その服用をやめるだけで認知機能が改善するかもしれないのに・・・


グループホームなどでは認知症の周辺症状(興奮など)を抑えるために、次々と薬が追加されてしまう場合があります。

施設の管理はその方が安全で楽なのは確かなのですが・・・


薬で抑えるのではなく、疑わしい薬をやめてみるという選択肢があることを、ご家族やDr.に提案できればいいですね 合格



最近、逆のパターンに遭遇しました。

そのドクターは高齢者の薬物有害作用を認識されていて、なんとか薬を減らしたいと考えておられました。

それには私も大賛成だったのですが・・・


最初に書きましたが、この年代の高齢者はずっと継続してきた薬をやめることを不安がります。

特にその患者さんは認知症もあるので、変化があるとパニックを起こされます。


なのに・・・

たいした薬じゃないから全部やめちまえと ガーン

先生にとってはたいした薬じゃなくても、その患者さんにとっては大事な薬


1つでも無いとパニックを起こして夜中でも電話を掛けてこられるのに・・・

しかも胸にステントが入っているのに抗血栓剤までやめろと 。

そりゃあ脳出血の可能性もありますけどね むっ


その患者さんとはまだ短いお付き合いなのですが、いつも訪問するとたくさん話をしてくれるので、ついつい長居してしまいます。

薬への精神的な依存度が高いので、薬を減らすのは難しいなあ~と思っていたところ。

なのに全部やめるなんて汗


1度か2度診察しただけなので、おそらく患者さんの薬に対する思いや性格を把握しておられなかったのかもしれません。

血液検査の数値が良好だから薬は不要とお考えだったのかもしれません。


でも、老人ホームで一人暮らし。

服薬は生活の中で長年の大事な習慣となっており、それがなくなることによる心理的な影響は考えないのかしら。

認知症の方が急な変化でどれだけ不安定になられるか・・・あせる


病態や検査結果だけで判断せず、もっと患者さんをみてほしいなあと思います。

お忙しいでしょうけれど!


薬がなくなることで与える精神的なダメージを伝えて、処方継続になりましたが・・・


高齢者では薬を減らしていくことは良い事だと思います。

でも、減らすには時間をかけて、丁寧な説明で患者さんが十分納得した上でやめないといけないと思います。

特に薬への依存度が人には ニコニコ