*本稿は個人の妄想です。

前回の続きです。

東大の共通テストでの足切りライン上昇で、どれだけの「足切り候補」が増えるか、また東大以外への波及効果を考えます。

データ元
理系のうち、理Ⅲで足切りになりそうな人は、東大生になりたいのなら理Ⅰか理Ⅱに出願するでしょうから、大局に影響しないと思います。今回は理Ⅰと理Ⅱの他大学への影響を考えてみます。

2024年(2023年度)のデータがこちら。

理Ⅰ
定員1108名、足切り基準2.5倍
出願者:3084名
一段階合格:2776名
一段階不合格:308名
一段階合格者最低点703点(得点率78.1%)

理Ⅱ
定員532名、足切り基準3.5倍
出願者:2218名
一段階合格:1863名
一段階不合格:355名
一段階合格者最低点682点(得点率75.8%)

足切りラインを理Ⅰ:2.3倍、理Ⅱ:3.0倍にすると、理Ⅰで220名、理Ⅱで266名、足切り不合格者が増えることになります。まあ、受験生はアホではないので、ボーダーにひっかかる可能性のある生徒は他大学への出願を考えます。



ここからはホントにただの自分の妄想ですが、安全策を優先する受験生もいるので、共通テストで得点率80〜85%を取れる理系の学生400人程度が、他大学の医学部や理系学部に出願先を変えていくだろうと妄想します。

・東大理系か医学部かで迷っていた「失敗したくない女子」が、安全策で首都圏の医学部を受験する

・自分のやりたいことではなく、他人の評価や社会的ステータスが気になってしょうがない、大都市圏の進学校の「残念な生徒」が、地方の医学部受験に鞍替えする

・もともと国語が得意でない「数理系特化型」の生徒が、国語の影響のない元・東京工業大学に出願する

そんなわけで、影響が大きそうなのは元・東京工業大学と、関東甲信越の医学部だと自分は妄想しています。医学部は定員が少ない上、「医学部ならどこでもいい」という受験生が結構いるので、玉突き式に全国の医学部が影響を受けるかもしれません。

とりあえず、2025年の新課程1年目の大学入試は目が離せません!2025年の3月には、今回の妄想記事の「答え合わせ」をしてみたいと思います。

【追記】
重要なポイントを書き忘れていました。東大に出願を取り止めるのは、「ボーダーライン付近の受験生」だけでなく、「優秀だがリスク回避を優先する受験生」も含まれるでしょう。
本来なら東大に合格できる層が、周辺の医学部を受けにいく…「国公立大学医学部と東大のどちらが難しいか」という学歴厨の大好きな話に決着をつけてくれるかもしれません(笑)。

【追記2】
社会への奉仕より自分の人生を優先したい人は、医学部に行かないのが社会の為になります。


参考(にならない)文献