シン・エヴァンゲリオン劇場版の感想というか考察というか。 | ぱんちゃんブログ

シン・エヴァンゲリオン劇場版の感想というか考察というか。

初日に観てきた。IMAXで。

あまりにもよかったので感想書く。

わたしの解釈が全開だが。

 

ネタバレ注意!
 

前日、序・破・Qとおさらいしながら

カヲルくんはシンジ君の側面であるなーと思って、

けどやっぱりシンジ君はお父さん(ゲンドウ)を

超えることが必要だから、初号機vs13号機は

シンジvsカヲルなのか

シンジvsゲンドウなのか

と思ってたけど後者だった。

 

でもちゃんと考えれば

カヲルくんはシンジくんと一心同体だし

最後に戦うのはゲンドウってのは当たり前だった。

ついにシンジくんがお父さんと向き合った。

戦わないで話し合った。泣いた。

 

向き合うために、シンジくんはたった一人でマイナス宇宙へ。

ゲンドウの過去を知る場所。

過去の自分に真摯に向き合うとき、人間はマイナス宇宙に行く。

ここはTENETで逆再生してる場所と同じところ。

マイナス宇宙は自分だけしか存在しない場所。

自分以外誰もそこに入ることはできない。

しかし、そこにはゲンドウとシンジくんで二人。

シンジくんとゲンドウは元は同じ魂である。

それが血というもの。親とは過去の自分自身。

マイナス宇宙で、シンジくんはやっとお父さんの気持ちを知った。

 

ゲンドウは「全ての魂の父」である。

誰にでも平等に「死」を与える役割を持っていて、

それがこの世界の掟だから役割を忠実にこなす。

だからインパクトを起こそうとする。

ゲンドウは現実で「死」を司っている。

けれど「死」へのきっかけは「全ての魂の母」である。

ユイは現実で「生」を司っている。

 

ゲンドウは「生(ユイ)」への憧れがあり、

「生(ユイ)」の復活を強く望んでいる。

ゲンドウは自分の心の安らぎのために

レイと一体になれる世界を求めていたけれど

そこは全ての生き物が死滅する世界。

「死」は無機質で残酷で血も涙もないように思えるけど

シンジくんは「死」の存在意義を父を通して理解した。

 

シンジくんの中にあった他人を拒絶する心は

ゲンドウも同じく持っているものだった。

シンジくんは、自分の行動がゲンドウの行動を

そのまま再現していたことに気がついた。

ユイを失ったゲンドウの悲しみが「インパクト」を起こすための

初号機を創り出す。

レイを失ったシンジの悲しみが「インパクト」を起こす。

つまり、失うこと(死)への悲しみが「インパクト」を起こす。

 

それを理解したシンジくんは、過去の自分である

ゲンドウの悲しみを取り除く。

「死」への恐怖を認めることで、悲しみは消える。

シンジくんによって「死」が「生」であることに気がついたゲンドウ。

シンジくん(子)の中にユイの魂は受け継がれているから、

ユイはシンジくんの中に生きていることを知った。

ゲンドウはシンジくんを通してやっとユイに出会った。

 

ついにシンジくんは「悲しい世界」を創り出す原因となるもの、

つまり「死に恐怖し生を渇望するゲンドウ」を癒すことができた。

シンジくんは自分を創り出した神(ゲンドウ)の子なのだから、

ゲンドウの癒しは、自分自身の癒しにもなる。

ゲンドウと同じくシンジくんも、父(死)を理解し、母(生)をみつけた。

 

電車を降りた(輪廻を創り出す仕事から引退した)ゲンドウに変わり、

シンジくんは新しい創造神となった。

ネオンジェネシス(新世紀)エヴァンゲリオンという

「悲しい死(使徒)」が存在しない「新世界」を創造したのである。

 

1人の人間の中には3つの魂がある。

父(死)と母(生)と子(自分)。

キリスト教ではこれを「父と子と聖霊」と言うが

「父」が現実を創造しているゲンドウ

「子」は父と母から受け継いだもので新しい創造をするシンジ

「聖霊」は目に見えないけど、心の中に永遠に存在するユイ

ということである。

 

父が死を、母が生を教えてくれる。

やっとシンジくんが二人の気持ちを理解し

自分という存在が父と母からそれぞれ受け継いだ魂を持つ

新しい魂であることを理解し、

しっかりと個人(自我)が確立されたのである。

 

つまりは

ゲンドウ(ロンギヌスの槍)

ユイ(カシウスの槍)

シンジ(ガイウスの槍)

って感じかな。

 

ガイウス・カッシウス・ロンギヌスはカエサルを暗殺した

ローマの軍人。ロンギヌスの槍の名前の由来となった人物は

実在したのかわからないけど、ガイウスは確かにいたっぽい。

ブルータスお前もか、のブルータスと共謀して

カエサルを暗殺している人物である。

 

調べてみると、ガイウスというのは「個人名」らしい。

古代ローマ人は3つの名前を持っている。

古代ローマ人の名付けについて

ガイウス(個人名)カッシウス(氏族)ロンギヌス(家族名)

自立し、個人(自我)が確立されたシンジくんの物語の

最後を締めくくるのが「ガイウスの槍」だというのはすごく納得である!!

 

ところで古代ローマ人、女性には個人名がないんだって。

なんでかって、女性は、個である必要はない。

綾波も式波も大量生産された身体だったけれど

それが女の性質。コピーし、増やす力。これが「生」の力。

子(個)を産むのは、個ではない女である。

個(自我)はないけれど、生命の源なのだから、とても重要な役割。

綾波は自分が何者であるのか、小さな村で学んでいた。

式波は自分が何者かわからないから、

エヴァに乗ることで自分を保っていた。

この二人は女の性質(自分)がわからなくなってしまった

現代の女そのものかもしれない。

 

実は創造神(ゲンドウ・シンジ)の上に

創造神すらも超えた謎の女がいる。

それはマリという存在。

マリだけが女の性質を完全に理解した存在。

永遠の象徴。

時空を超えてずっと世界を守っている。

マリは古さと新しさを併せ持つ

時間も自由自在にあやつる宇宙(虚構)の母。

ちなみにユイは地球(現実)の母。

 

マリはシンジくん(新しい神)が生まれる前から

シンジくんを導いている。

だからこそ、ゲンドウやユイの友人であり、

シンジくんにとっては親の世代だったマリが

シンジくんの恋人になるのである。

シンジくんは新しい世界を創造した神となったのだから

永遠(マリ)を手に入れている、ということでもある。

 

人間(エヴァに乗ることを受け入れられないこと)と

神(エヴァに強い意志で乗ること)との違い。

人間=生と死に縛られている

神=生と死に縛られていない、永遠

 

マリは8号機でエヴァのマーク9,10,11,12号機を吸収し

シンジくんを助けに行った。

吸収したマークシリーズはオップファータイプと呼ばれていたけれど

オップファーはドイツ語で「運命」という意味らしい。

やはり、マリは運命(時間)を司る存在であることがわかる。

マリは悲しい運命をつくるもの(アダムスの器4体?)を吸収して、

シンジくんを真のアダム、

全ての始まりの個体に選んだということだろう。 

(わたしはエヴァマニアでも考察勢でもないので、

アダムス、アダムスの器が何なのかしっかりと

追っていない。ここは勘で書いてるがたぶんあってる。)

 

漫画版でマリはユイのことが好きなのだが、

それもそのはず、宇宙の母は男も女も平等に愛す。

地球そのものを愛しているので。

創造神の創り出した現実世界では

男は女を愛し、女は男を愛すことが掟である。

だからこそ、レイはシンジを好きになるように

プログラムされている。たぶんアスカも。

 

ところで

破で印象的だったのが、ミサト父の回想シーン。

父は夢の中で生きる人だった、というミサトのセリフ。

けれど、そんな父に助けられたミサト。

シンジくんも夢の中で生きる人だから、シンジくんと父を重ねていた。

シンエヴァで最後にシンジくんに託したのも父の存在があったから。

 

ミサト父と同じく、加持くんも命をかけて

サードインパクトから助けてくれた。

最後には命を捨てたミサトさん。

現実の中で生きたかった加持くんの意思を継いでいる子供のために、

加持くんにとっての夢の世界(安心して農業ができる世界)を

現実にするために、ミサトは死んでいった。

使徒がいる世界で農業をするのは、夢の中のような話。

エヴァの世界では男の夢を実現するために、

女が戦いの指揮をとっている。

 

そして、初号機の左腕について語りたい。

破のエンディング、ニアサードインパクトの引き金になってしまった

レイとシンジくんの融合。

シンジくんは「綾波が助かれば世界はどうなったっていい」

と思っていた。

そして神へと進化をはじめ、その時初号機の左腕は復活した。

サードインパクトが起こりそうになったその時、

それを食い止めたのはカヲルくんの投げた「カシウスの槍」だった。

その瞬間再生したはずの左腕はまた消えた。

 

初号機の左腕はシンジくんを抱きしめることができなかった

ゲンドウの腕を表しているのだろう。

破の段階では、まだその瞬間ではないから、

母の意思である「カシウスの槍」が投げられた。

だから再生した左腕は、また消えた。

 

マイナス世界でシンジくんとゲンドウが分かり合えたとき

やっとシンジくんを抱きしめてあげることができたゲンドウ。

初号機の左腕が再生して、両手がそろったシンジくんは

新世界を創造した。

左腕が再生した場面あったよね?

泣いてたのでよく覚えていない。

 

ヴィレメンバーの左腕には加持くんの思いが込められた

バンダナが巻かれていたことにも繋がってくる。

ゲンドウの思いと加持くんの思いは実は一緒。

現実で生きる男性の思いとは

現実の中に夢(希望)を実現すること。

ゲンドウの夢は心安らぐ悲しみのない世界であるし

加持くんの夢は生物多様性のある世界をつくること

男性というものはやはり「生」を渇望している。

 

シンジくんがその意思を受け取ったとき、正しく世界が再生される。

「世界がどうなったっていい」という間違った再生を

引き止めていたのが「カシウスの槍(母)」だったのは泣けてくる。

「使徒のいない世界(悲しい死が存在しない世界)」を求め、

全てのものたちの希望のために、自己犠牲を決意した時にだけ

「ガイウスの槍」が与えられるのだ。

ガイウスの槍もミサトさんという母が創って届けてくれたもの。

 

母の右腕、父の左腕に抱かれているのが

正しく初号機にのっているシンジくん。

右腕左腕どちらも欠けてはいけないもの。

古代ローマ人は右が善・左が悪という意識を持っていたらしい。

善も悪もどちらも必要なもの。

 

初号機の欠けた左腕が表しているものは、

悪の意識(罪の意識)に隠れている愛そのもの。

「死(ゲンドウ)」の中に存在している「生(ユイ)」のことである。

縄文時代の土偶の多くが「女」をかたどったもので、

片方の足が欠けて見つかるっていうのは

ユイ(女)を元に作られ、左腕がなくなった初号機とまるで同じ。

太古も、現代も、根源的意識は変わっていない証拠。

 

自分の中に欠けたものを取り戻す物語が、シンエヴァンゲリオン。

古代人は、自分たち人間が「不完全な存在(体の一部が欠けたもの)」

であることをとってもよく理解している。

欠けたものは過去に存在する。

欠けたものは親の世代に存在する。

だから時間を巻き戻して(マイナス宇宙へ行って)

「悪(ゲンドウ)」の中に隠れたものを探る。

 

ちなみに、なんで「13号機」の搭乗者がゲンドウかっていうと

輪廻は「1」から始まって、「12」で一周する。

一周したあとの次は「13」。

世界がインパクトで終わり、再び悲しい世界(13)が始まるのは

ゲンドウとゼーレの仕業。

テレビシリーズ、旧劇場版という悲しみの輪廻である。

 

輪廻には始まりと終わりが必ず必要で、

始まりと終わりは重なっている。

それがインパクトのこと。

この輪廻を保つことが「人類補完計画」である。

 

ゼーレ(外国/西洋)は「輪廻すること(生と死があること)」を

掟としていて、それだけが守られれば良い、と思っている。

ネルフ(日本/東洋)は今までとは違う新しい輪廻を密かに計画していた。

ゼーレは「未知の新しい輪廻」について詳細をよくわかっていない。

「未知の輪廻」を裏で計画していたのが、ゲンドウ・冬月・葛城博士(ミサト父)

という三賢者なのであろう。

その3人をまとめていたのはおそらくマリである。

そして、今回の結末で新しい輪廻が作られた。

 

ゼーレの創る世界は悲しい世界のループなのだけど

悲しい世界(13)ではない、

新しい世界(1)を始めるのがシンジくんだと

最初からわかってて、初号機を作っているのです、ゲンドウは。

 

ゲンドウはユイと一体になるために、

ATフィールドを持たない単一の個体(神)になることを望んでいたけれど

そもそも全てを一体化したところで個体にはなれないのである。

全てを一体化したらドロドロの液体のようなものになる。

個体を創るにはATフィールドが必ず必要。

新しい世界、ATフィールドが存在する世界が

ユイの願いであることを頭で理解しているのに

心が拒否していたのがゲンドウ。

多数の個の世界でなければユイも存在しないことを

理屈ではわかってるのに、悲しすぎて人間を捨てたのである。

 

新しい世界では、シンジくんの意識が変わっているから

同じだけど、違うもの。悲しみが続いていないもの。

それが1(初号機)。

シンジくんが創造した世界、ネオンジェネシスエヴァンゲリオンとは。

エンディングからもわかるように、そこは普通の現実である。

けれど「死」の中に「生」が存在することを理解する人だけが

生きていくことができる新人類のための世界。

新人類とはエヴァに乗ることができる子供達のことで

子供の心を持ったまま正しく大人になった人類のこと。

純粋な心のままでで大人として生きることは難しい。

 

純粋な心とは、自分で考え決めた強い願いを持つ心のこと。

そして、大人として生きることとは

「自分の役割を見つけてそれを全うする」こと。

つまり、役割を全うしてから死ぬことである。

それが人間に課せられた重い罪(DSSチョーカー)である。

 

だからシンジくんは怖かった。

役割を全うするということは死に向かって歩き出す、ということ。

大人になることは死に近づくこと。

死を迎えないように、ずっと子供でいたかったシンジくん。

エヴァに乗る子供達は歳をとらない。

父と母に守られている乗り物であるから、いつまでも子供なのである。

けれども、子供のままで役割を全うしなければいけないのが

エヴァに乗る子供たちの使命。

子供のままで死の覚悟を強いられる。

 

私たちも身体は大人なのに心は子供のまま

という自覚があるのではないだろうか。

私たちの認識では大人になることは、

社会の一員になって、家族を作って、真面目に働くこと

だと感じてしまうのであるが、

大人になるということの本当の意味は、

「自分だけの役割を見つけ全うする」こと。

 

新人類というのは、

「純粋な心のままでで大人として生きること」

の意味ががわかっちゃった人たちである。

エンディングの駅にいた

シンジ、マリ、カヲル、レイは

それがわかっちゃた人たちだろう。

アスカはまだ修行が必要なのかも。

 

新人類になって新世界に行くことは難しい。

「ムカつく他人はどうなったっていい、

悪いことするやつは罰を受ければいい」

とか思っている大人には絶対に行けないところ。

「強い願い」を持っていない大人も行けないところ。

 

けれど、人間は誰だって新世界に行く切符をもっている。

マイナス宇宙に乗り込み、過去の自分(親や過去に生きた人全て)と

真摯に向き合う人だけが行けるところ。

自分と戦った人だけが行けるところ。

今ここに、目の前にその新世界は存在している。

 

シンジくんの片割れとしてシンジくんと共に何度も輪廻して、

シンジくんの代わりに何度も死んでくれたカヲルくん。

カヲルくんは心の中のシンジくんである。

 

強いトラウマがないと新世界を創造できない。

ゲンドウにとってのユイの死と同じ体験をしなければ

ゲンドウの気持ちはわからないもの。

カヲルくんが代わりにチョーカーをつけて死んだこと。

シンジくんにとって大切な人の死であり、

シンジくん自身の擬似死体験でもあった。

自分の心が死ぬことは、自分自身の死を意味する。

どん底を経験した時、人は「生きたい」と心から願う。

あの小さな村でその経験と向き合いシンジくんは初めて

人間の根源的な願いを知ったのである。

これが世界を救う動機となっている。

 

カヲルくんはシンジくんの幸せを願って

毎回死んでいたのだけど、新世界を創造するには

シンジくん自身が死ぬ必要があったのだ。

世界を救う為に死を選んだシンジくんの

身代わりになってくれたのは、ユイ。

女というものは、ピンチになったら必ず男を助けに来る。

レイが「碇くんがエヴァに乗らないようにする」と言い

エヴァに乗るのも、男を守る女の性質。

 

ガイウス・カッシウス・ロンギヌスという

カエサルを暗殺した裏切り者。

イスカリオテのマリアと呼ばれた宇宙の母マリ。

イスカリオテのユダとは、イエスを裏切った人物である。

 

イエスは、自己犠牲により世界を救う救世主シンジくんのこと。

マリアは、イエスの母であり恋人、

シンジくんの側にいつもいて見守っているマリのこと。

使徒が死ぬときに現れる十字架が意味するものは

シンジくんの本当の願い「死が生を生む世界」である。

 

私たちの生きるこの世界は「裏切り者」が牛耳っている。

けれど、悪の意味を知ることで裏切りが愛へと変わる。

世界はループ(裏切り)しているけれど、

終わりと始まりは愛で固定されている。

 

庵野監督は神話を創った。

神話というものは「個人的体験」からしか生まれない。

なぜならば、私たち一人一人が神だから。

庵野監督のすごさは「個人的体験」を

周りを巻き込みながらも映像として最後まで作りきったこと。

並の精神力じゃできない。神の精神力だ。

 

自分自身が何を感じ、何に感動したのか。

自分を深く深く掘り下げたとき、知るものは「根源の意識」。

「根源の意識」に辿り着いたものは

自分だけの表現で根源の物語を創り出すことができる。

シンジくんと同じく。

それは永遠に残る記録となって後世に引き継がれていく。

「新世紀」を創るには死海文書外典(記録)の参照が

絶対に必要なのです。

 

私たちができることは

庵野監督が私たちに与えてくれた

シンエヴァンゲリオン(死海文書外典)から

「希望」を読み解くこと。

新世紀を作ろう。

そろそろ、エバーに乗ろう。

 

-----3月14日追記-----

細かいところ間違ってたりしたので、

今こちらの記事をもう少し丁寧にまとめています。

内容も大幅に追加してます。

こちらのブログに後日改めてアップする予定です。