さて,皆さん,先週の回答です。

 

 

 

♦問題1の答え

ネルソンはマイケルと仲たがいしても水の供給は続けましたが,その量が問題でした。つまり,井戸のくみ上げ量を細工して,マイケルへの水の提供量を大幅に減らしたのでした。特に,水が大量に必要となる時間帯を狙って提供量を減らしたそうです。

 

 

ということで,

 

 

答えは「ネルソンは,水の提供量を意図的に減らした」

 

 

でした。

 

状況を知ったマイケルは抗議しましたが,ネルソンはまったく取り合わないため,隣町の弁護士

に相談することにしました。

 

 

弁護士はこの契約書を見るなり,

 

「水をきちんと提供してもらうためには,契約書を書き直すしかない」

 

と即答します。

    

 

 

♦問題2の答え

 

さて,それでは,一体この契約書のどこに問題があったのでしょうか?

これは「提供する」という義務に反しているでしょうか?

 

 

多くの方の誤解はここにあります。

    

 

 

実は反していません。

 

『水利権利用契約書』第1項を見てみましょう。

 

「1.ネルソンは,ネルソンの敷地内に存在する井戸の水をマイケルに対し提供する義務を負う。」

 

 

 

となっています。

 

 

 

しかしこれでは,

 

●毎日何リットルの水の量を提供しなければならない

●特定の時間に供給量を減らしてはならない

 

 

等を規定するものではありません。

 

 

 

また,この契約書は,

何のために水の供給が必要であったのか,その目的も明確な記載がされていません。

 

 

仮に目的が記載されていれば,その目的のために必要な量の提供がないので,ネルソンは契

約違反ではないか。という主張も可能であったと思われます。

 

 

正解は,

 

①ネルソンから提供される水の量が記載されていない。

②契約の目的が書いていない。

 

 

でした。

 

 

ここまで記載の通り,

契約書には,5W1Hが,しっかりと記載されていなければなりません。

 

 

つまり,この契約書にある水の提供に対する取決めには,

 

 

1.WHO(誰が)

2.WHAT(何を)

3.WHEN(いつ)

4.WHERE(どこで)

 

 

の記載ありますが,

 

 

5.WHY(なぜ)

6.HOW(どのように)

 

 

がなかったのです。

 

 

では,具体的にどのような条文を追加したら良いでしょうか?

 

 

 

 

 

 

>>>vol,3に続く